18 / 53
恋人の条件
3
しおりを挟む
「…コンプレックス?」
首筋に触れていた熱が離れた。
「……誰かに何か言われたとか?」
「は…い。まあ、そんなところです」
「この間の元カレ?」
「…とは別の人、です」
今度はスマホに手を伸ばしながら夏目さんが尋ねる。
「ソイツ…いや、秋本以外の元カレ全員、名前と住所、分かる?」
「わ、分かりません。連絡先も消しちゃってるし」
本当は名前くらい覚えてるけど。
元カレ全員の名前と住所聞いてどうしようって言うのよ?
夏目さんには教えるのは危険だと、頭の中で警鐘が鳴った。
「秋本一哉には?見せてない?」
コクコクと頷くと、夏目さんは怪訝そうな顔をした。
「本当に?三年も付き合ってて?」
「私が嫌がることは絶対しない人だったので」
言い切ると、夏目さんはもどかしそうに頭をガシガシと掻いた。
「俺は、凛のカラダがどんなのでも気にしないし、全部見たい」
ああ、交渉決裂。
やっぱり夏目グループのお坊ちゃまだ。
コレを見たら、夏目さんもドン引きしちゃうんだろうな。
でも、元々住む世界の違う人だったから、これで良かったのかもしれない。
そう思って、諦めかけたとき。
Tシャツの裾から差し込まれた手が、私の薄い胸をふわりと包んだ。
「だから、ココはこれから俺がいっぱい可愛がって、凛が自信つくまで大きくしてから見る」
まさか、そう来るとは─!
夏目さんらしいと言えば、夏目さんらしい。
思わず吹き出してしまった。
「─あと、俺も一個だけ条件がある」
「何ですか?」
「俺のこと、『仁希』って呼んで」
『条件』だなんて言うから、どんな無理難題を突きつけられるかと思ったら。
そんなのお安い御用─なはずだったのに。
「仁希…さん」
「『さん』要らない」
急に恥ずかしくなってしまって。
夏目さんにもすかさず突っ込まれてしまった。
「に……仁希」
呼び方を変えただけで、嫌でも意識させられる。
私たちの関係性が変わったこと。
これからもっと、変わっていくこと。
「うん、上出来」
上品な微笑みを讃えた夏目さんは優しく私を抱きしめてくれた。
そして直後、私の背中に腕を回し背中のホックを外した。
「…えっ!?」
続いて片方ずつTシャツの肩口から出たストラップを下げ、腕から引き抜く。
「えっ?えっ!?」
最後に襟口に手を突っ込み、私から完全にブラを取り払ってしまったのだ。
その間わず5秒。
見られた…!
型崩れした後もワイヤーを抜いて使っていた年季の入ったブラを…!!
だけど、羞恥と絶望で震える私をよそに、夏目さんは手にしたブラをあろうことか顔に当て、「スン」と鼻を鳴らして言った。
「始めようか、凛」
「やっ、あっ、あ…っ」
突如ふ、と手の力を抜いて、触れるか触れないかくらいのタッチでくすぐる。
まるで私が強い刺激に慣れ始めたのが分かったかのようなタイミング。
「ふ…う、ぅ…」
焦らさないで、もっとちゃんと触って欲しい。
耐えきれなくなって、少し身を捩ると─
胸ではなく、頸を甘噛みされた。
予想外の場所への刺激に首をすくめると、夏目さんが襟足に顔を埋める形になって。また鼻をスン…スンスンッと鳴らす。
今度は間違いない。
「ちょっ…変なとこ嗅がないで…!!」
恥ずかしくて、首を捻って抗議しようとすると、キュッと乳首を摘まれた。
「あっ、あんっ、あぁっ…!」
「…これ、何の匂い?」
「し、知らな…っ、んっ」
「シャンプーかな?甘くて、すごくいい匂いがする」
言いながら、夏目さんは自分の右手の指を、だらしなく開いた私の口に入れて舐めさせると、Tシャツの裾から侵入させた。
首筋に触れていた熱が離れた。
「……誰かに何か言われたとか?」
「は…い。まあ、そんなところです」
「この間の元カレ?」
「…とは別の人、です」
今度はスマホに手を伸ばしながら夏目さんが尋ねる。
「ソイツ…いや、秋本以外の元カレ全員、名前と住所、分かる?」
「わ、分かりません。連絡先も消しちゃってるし」
本当は名前くらい覚えてるけど。
元カレ全員の名前と住所聞いてどうしようって言うのよ?
夏目さんには教えるのは危険だと、頭の中で警鐘が鳴った。
「秋本一哉には?見せてない?」
コクコクと頷くと、夏目さんは怪訝そうな顔をした。
「本当に?三年も付き合ってて?」
「私が嫌がることは絶対しない人だったので」
言い切ると、夏目さんはもどかしそうに頭をガシガシと掻いた。
「俺は、凛のカラダがどんなのでも気にしないし、全部見たい」
ああ、交渉決裂。
やっぱり夏目グループのお坊ちゃまだ。
コレを見たら、夏目さんもドン引きしちゃうんだろうな。
でも、元々住む世界の違う人だったから、これで良かったのかもしれない。
そう思って、諦めかけたとき。
Tシャツの裾から差し込まれた手が、私の薄い胸をふわりと包んだ。
「だから、ココはこれから俺がいっぱい可愛がって、凛が自信つくまで大きくしてから見る」
まさか、そう来るとは─!
夏目さんらしいと言えば、夏目さんらしい。
思わず吹き出してしまった。
「─あと、俺も一個だけ条件がある」
「何ですか?」
「俺のこと、『仁希』って呼んで」
『条件』だなんて言うから、どんな無理難題を突きつけられるかと思ったら。
そんなのお安い御用─なはずだったのに。
「仁希…さん」
「『さん』要らない」
急に恥ずかしくなってしまって。
夏目さんにもすかさず突っ込まれてしまった。
「に……仁希」
呼び方を変えただけで、嫌でも意識させられる。
私たちの関係性が変わったこと。
これからもっと、変わっていくこと。
「うん、上出来」
上品な微笑みを讃えた夏目さんは優しく私を抱きしめてくれた。
そして直後、私の背中に腕を回し背中のホックを外した。
「…えっ!?」
続いて片方ずつTシャツの肩口から出たストラップを下げ、腕から引き抜く。
「えっ?えっ!?」
最後に襟口に手を突っ込み、私から完全にブラを取り払ってしまったのだ。
その間わず5秒。
見られた…!
型崩れした後もワイヤーを抜いて使っていた年季の入ったブラを…!!
だけど、羞恥と絶望で震える私をよそに、夏目さんは手にしたブラをあろうことか顔に当て、「スン」と鼻を鳴らして言った。
「始めようか、凛」
「やっ、あっ、あ…っ」
突如ふ、と手の力を抜いて、触れるか触れないかくらいのタッチでくすぐる。
まるで私が強い刺激に慣れ始めたのが分かったかのようなタイミング。
「ふ…う、ぅ…」
焦らさないで、もっとちゃんと触って欲しい。
耐えきれなくなって、少し身を捩ると─
胸ではなく、頸を甘噛みされた。
予想外の場所への刺激に首をすくめると、夏目さんが襟足に顔を埋める形になって。また鼻をスン…スンスンッと鳴らす。
今度は間違いない。
「ちょっ…変なとこ嗅がないで…!!」
恥ずかしくて、首を捻って抗議しようとすると、キュッと乳首を摘まれた。
「あっ、あんっ、あぁっ…!」
「…これ、何の匂い?」
「し、知らな…っ、んっ」
「シャンプーかな?甘くて、すごくいい匂いがする」
言いながら、夏目さんは自分の右手の指を、だらしなく開いた私の口に入れて舐めさせると、Tシャツの裾から侵入させた。
0
あなたにおすすめの小説
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる