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幻想世界での光
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自分の足が地に着く感覚が足から伝わる
暗くなっていた視界が明るくなると目の前にたくさんの樹木が広がり
草の香りと土の香りを感じた。
そしてかすかに香る花の香り。
「ここが”いいやつ”がいるところか。森だな」
ひとまずタイズミコンがあるか確認しないと。あたりを見渡すと足もとにリュックがあることに気づく。
中を開けてみるとリンゴのような果実やほしにく、飲み口がついた革袋が複数個。そしてチーズや木の実が入っていた。
「ありがたい。これだけあれば安心だ。」
もう少し中身を確認すると腰のブックホルダーに収まった本があり、手に取った。
表紙にはしっかり―”タイズミコン”―と記載されており、本の重さにあの神様とのやりとりが夢ではなかったことを実感する。
自分の装いも少し変わっていた。
転生する前は濃い青のパーカーに黒のカーゴパンツだったが、今はパーカーの上に皮の胸当てを装備し、ポケットがたくさんついたポーチを腰に巻きカーゴパンツはポケットが増え膝には鉄のプレートが付いていた。
「ん?」
カーゴパンツのポケット確認していると違和感に気づいた。
股間のふくらみが前世ときより大きくなっていることに…。
ゴクリと唾を飲み込み中身を確認してみると前世よりサイズがほぼ倍になっていることに気づく。
「おまけってそういうことか…ははは」
嬉しさと恥ずかしさで複雑な気持ちになってしまった。
「やっぱり夢じゃなかったんだな……」
いろいろな感情を抱きながらも表紙を開き、目次を確認した
―死
―輪廻
―世界
―力
「まずは世界のカードだな」
そうつぶやくと本が光り、中から世界のカードが顔の目の前までふわりと現れる。
「念じたら出てくるみたいだ。掴めばいいかな?うん。掴める」
―”いいやつ”のもとへ案内してくれないか。
そう念じるとカードへ光が収束しカードの柄へ矢印が刻印された。指してる方は自分の後ろ。
「そういう感じか」
念のため向きが一定なのか調べてみることにした。
体を回転させると後ろのほうを指した矢印の方向は変わらずだった。
「すごいな。リアルタイムで向きを教えてくれるのか。ありがたい機能だ。」
カードの性能に安心感を覚えると自分が少し緊張していたことに気づく。
知らない場所で迷わないのは本当にありがたい。
前世でお客様の会社向かうために上司に住所聞いた時、ひどい皮肉を込めて住所を伝えられたけど、ざっくばらんとした住所で自分が初めて行くお客様の会社へ遅刻しないかとびくつきながら必死に探したこと思い出して顔が歪む。
「嫌なこと、思い出しちゃったな。」
先ほどのリンカネスさんが恋しくなり、輪廻のカードで話せるか試すことにした。
「この気分を晴らせるとうれしいけど」
輪廻のカードを意識すると本が淡く光り、輪廻のカードが顔の前に現れる。
それをみるとカード自体に力を感じないことに気づいた。
まあ。ここは加護が弱いから力を発揮できないんだろうな。
少し残念に思いながらもカード額に当て「リンカネスさんありがとう」と念じるとカードから光の小さな球が現れ森の木々を抜けて空へ飛んで行った。
「届くのかな?届くと…いいな。」
そう思うと先ほどまでの嫌な気分が少し薄れたことを感じる。
気を取り直して周りを観察する。
立ち並ぶ樹木、土の匂い、木々を吹き抜ける風。
五感を使って感じてみる。
ふと、ここはどこだろうと思うと[現在地はオークスの森です]と声が脳内に響く。
「うわぁ!びっくりした」
よくあるマップアプリの男性の声が聞こえて変な声が出てしまった。
「念じたり、言葉にしたら発動するんだな。たぶん。便利だな」
「さて何か武器になりそうなのないかな」
様々な木の根元あたりを片っ端から探していくと1メートルくらいの手ごろな木の棒を見つけた。
「死のカードはどうやって付与するんだろう」
ブックホルダーの本が光り、死のカードが出現した。
「うおっ。なんだ?なんだ?」
死のカードがそのまま木の棒に近づき光を放ちながら消えてしまった。
手に持っていた木の棒が淡く光を放ちはじめる。
これは付与できたのか?
ブンッと軽く素振りをすると振った軌跡が黒く光って残り、飛び出す。
そしてそのまま近くの木に当たった。
バキバキバキバキッ
音を立てて木が倒れた後、森の静けさが戻ってきた。
大きな音に身を縮ませながら成り行きを黙ってみていることしかできなかった。
「すげえな…。あー、でも軽く振っただけなのになんだか疲労感が多い気がする。なんでだ?」
[魔力を使う攻撃を行うと通常より多く疲労します]
「うわぁ!慣れないな……そうなんだ」
また頭の中に直接響く声に驚く。
多く感じた疲労感は魔力を使ったせいなんだな。
ゲームで魔法をキャラクターに使わせてたけどこんな感じなのかもしれない。
そのキャラクターに戦闘中連続で使用させていたことを思い出す。
今の自分で考えてみると結構重労働なことをやらせていたかもしれない。
自分が使う際は疲労感をしっかり考えて使うことにしようと肝に銘じる。
「ひとまず矢印のほうへ向かいますか。」
手元の世界のカードを見ながらその方向へ歩くこと1時間…。
「結構深い森なんだなここ。周りの木も白樺っぽいやつばかりだ」
けもの道を見つけ時々たどりながら道なき道を進む、いつまでも黒斑点と白の樹皮の木に囲まれているばかりだった。
藪をかき分けながら矢印の方向へさらに進んでいると、風に乗って血の匂いが漂ってきた。
「この匂いは……血の匂い?」
注意深く回りを観察すると背の低い草木が群生した箇所にシカのような動物の死骸を見つけ、
狼のような獣が群がり食事をしている姿が目に映った。
「食事中か…。どうしようかな」
手元のカードの矢印はその狼のような動物を指していた。
(この狼たちの向こう側に行かないとダメそうだな)
「音さえ立てなければ大丈夫なはず。慎重に進もう」
食事中の動物から距離をとるように迂回しよう。
足音の注意を最大限にし白樺の大木に隠れるよう移動し、離れるように連なる大木たちの下を静かに通って行く。
すると突然何かが落ちてくる。
それは自分の頭へと乗る感触があり、頭の上から細長いものが垂れてきた。
―蔦か?これ…?―
頭から取ろうとし触ると鱗の感触がし、うねうねと動き始めた。
「うわっ!!蛇だこれっ!!」
森の中に自分の声が響くこと感じたと同時に背中に嫌な汗が伝う。
アオーーーン…アオーーーン…
食事中の獣たちがいた方から遠吠えが聞こえてきた。
「ッ……しまった」
カードの矢印の方向をすぐさま確認しその方向へ全力で走り出した。
暗くなっていた視界が明るくなると目の前にたくさんの樹木が広がり
草の香りと土の香りを感じた。
そしてかすかに香る花の香り。
「ここが”いいやつ”がいるところか。森だな」
ひとまずタイズミコンがあるか確認しないと。あたりを見渡すと足もとにリュックがあることに気づく。
中を開けてみるとリンゴのような果実やほしにく、飲み口がついた革袋が複数個。そしてチーズや木の実が入っていた。
「ありがたい。これだけあれば安心だ。」
もう少し中身を確認すると腰のブックホルダーに収まった本があり、手に取った。
表紙にはしっかり―”タイズミコン”―と記載されており、本の重さにあの神様とのやりとりが夢ではなかったことを実感する。
自分の装いも少し変わっていた。
転生する前は濃い青のパーカーに黒のカーゴパンツだったが、今はパーカーの上に皮の胸当てを装備し、ポケットがたくさんついたポーチを腰に巻きカーゴパンツはポケットが増え膝には鉄のプレートが付いていた。
「ん?」
カーゴパンツのポケット確認していると違和感に気づいた。
股間のふくらみが前世ときより大きくなっていることに…。
ゴクリと唾を飲み込み中身を確認してみると前世よりサイズがほぼ倍になっていることに気づく。
「おまけってそういうことか…ははは」
嬉しさと恥ずかしさで複雑な気持ちになってしまった。
「やっぱり夢じゃなかったんだな……」
いろいろな感情を抱きながらも表紙を開き、目次を確認した
―死
―輪廻
―世界
―力
「まずは世界のカードだな」
そうつぶやくと本が光り、中から世界のカードが顔の目の前までふわりと現れる。
「念じたら出てくるみたいだ。掴めばいいかな?うん。掴める」
―”いいやつ”のもとへ案内してくれないか。
そう念じるとカードへ光が収束しカードの柄へ矢印が刻印された。指してる方は自分の後ろ。
「そういう感じか」
念のため向きが一定なのか調べてみることにした。
体を回転させると後ろのほうを指した矢印の方向は変わらずだった。
「すごいな。リアルタイムで向きを教えてくれるのか。ありがたい機能だ。」
カードの性能に安心感を覚えると自分が少し緊張していたことに気づく。
知らない場所で迷わないのは本当にありがたい。
前世でお客様の会社向かうために上司に住所聞いた時、ひどい皮肉を込めて住所を伝えられたけど、ざっくばらんとした住所で自分が初めて行くお客様の会社へ遅刻しないかとびくつきながら必死に探したこと思い出して顔が歪む。
「嫌なこと、思い出しちゃったな。」
先ほどのリンカネスさんが恋しくなり、輪廻のカードで話せるか試すことにした。
「この気分を晴らせるとうれしいけど」
輪廻のカードを意識すると本が淡く光り、輪廻のカードが顔の前に現れる。
それをみるとカード自体に力を感じないことに気づいた。
まあ。ここは加護が弱いから力を発揮できないんだろうな。
少し残念に思いながらもカード額に当て「リンカネスさんありがとう」と念じるとカードから光の小さな球が現れ森の木々を抜けて空へ飛んで行った。
「届くのかな?届くと…いいな。」
そう思うと先ほどまでの嫌な気分が少し薄れたことを感じる。
気を取り直して周りを観察する。
立ち並ぶ樹木、土の匂い、木々を吹き抜ける風。
五感を使って感じてみる。
ふと、ここはどこだろうと思うと[現在地はオークスの森です]と声が脳内に響く。
「うわぁ!びっくりした」
よくあるマップアプリの男性の声が聞こえて変な声が出てしまった。
「念じたり、言葉にしたら発動するんだな。たぶん。便利だな」
「さて何か武器になりそうなのないかな」
様々な木の根元あたりを片っ端から探していくと1メートルくらいの手ごろな木の棒を見つけた。
「死のカードはどうやって付与するんだろう」
ブックホルダーの本が光り、死のカードが出現した。
「うおっ。なんだ?なんだ?」
死のカードがそのまま木の棒に近づき光を放ちながら消えてしまった。
手に持っていた木の棒が淡く光を放ちはじめる。
これは付与できたのか?
ブンッと軽く素振りをすると振った軌跡が黒く光って残り、飛び出す。
そしてそのまま近くの木に当たった。
バキバキバキバキッ
音を立てて木が倒れた後、森の静けさが戻ってきた。
大きな音に身を縮ませながら成り行きを黙ってみていることしかできなかった。
「すげえな…。あー、でも軽く振っただけなのになんだか疲労感が多い気がする。なんでだ?」
[魔力を使う攻撃を行うと通常より多く疲労します]
「うわぁ!慣れないな……そうなんだ」
また頭の中に直接響く声に驚く。
多く感じた疲労感は魔力を使ったせいなんだな。
ゲームで魔法をキャラクターに使わせてたけどこんな感じなのかもしれない。
そのキャラクターに戦闘中連続で使用させていたことを思い出す。
今の自分で考えてみると結構重労働なことをやらせていたかもしれない。
自分が使う際は疲労感をしっかり考えて使うことにしようと肝に銘じる。
「ひとまず矢印のほうへ向かいますか。」
手元の世界のカードを見ながらその方向へ歩くこと1時間…。
「結構深い森なんだなここ。周りの木も白樺っぽいやつばかりだ」
けもの道を見つけ時々たどりながら道なき道を進む、いつまでも黒斑点と白の樹皮の木に囲まれているばかりだった。
藪をかき分けながら矢印の方向へさらに進んでいると、風に乗って血の匂いが漂ってきた。
「この匂いは……血の匂い?」
注意深く回りを観察すると背の低い草木が群生した箇所にシカのような動物の死骸を見つけ、
狼のような獣が群がり食事をしている姿が目に映った。
「食事中か…。どうしようかな」
手元のカードの矢印はその狼のような動物を指していた。
(この狼たちの向こう側に行かないとダメそうだな)
「音さえ立てなければ大丈夫なはず。慎重に進もう」
食事中の動物から距離をとるように迂回しよう。
足音の注意を最大限にし白樺の大木に隠れるよう移動し、離れるように連なる大木たちの下を静かに通って行く。
すると突然何かが落ちてくる。
それは自分の頭へと乗る感触があり、頭の上から細長いものが垂れてきた。
―蔦か?これ…?―
頭から取ろうとし触ると鱗の感触がし、うねうねと動き始めた。
「うわっ!!蛇だこれっ!!」
森の中に自分の声が響くこと感じたと同時に背中に嫌な汗が伝う。
アオーーーン…アオーーーン…
食事中の獣たちがいた方から遠吠えが聞こえてきた。
「ッ……しまった」
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