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幻想世界での光
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「最後にこのカードの説明だ」
リンカネスはカップを置くと指をまた鳴らす。
本からカードが飛び出て俺の顔の目の前までふわりと移動する
「そのカード【力】のカードはお前を支えてくれる仲間の力を最大まで引き出し、借りることができる力が宿っている。まあ、お主自身が強くならないと最大限の効果は期待できないがの」
「どうしたら強くなるんですか?」
「仲間との絆が深まれば自然と強くなっていくようになっている。だからいろんな手段を試すんだな」
リンカネスが少し含みのある笑顔を見せるが、意図が読めなくきょとんとしてしまった。
「ふふふ、お主のそういうところは可愛げがあっていいな。少しいたずらしたくなる。」
「いたずらって何企んでいるんですか」
心なしかリンカネスを見つめる自分の目がジト目になっていることが容易にわかり、
カップのお茶と複雑な気持ちを飲みほした。
とても心が落ち着く…心なしか空気が陽だまりにいるときの感覚に近い。
「さてお主をそろそろ転生させたいのだがグリムハウルの世界はお主記憶通り魔獣がいる。」
リンカネスがまた指を鳴らすと地図が出現した。
「何回見ても便利ですね…。」
[そうだろ?]と得意げな顔をし、地図を見るように促す。
地図の中で他の大陸より一回り小さい大陸を指さした
「お主はこのフレラントに行ってもらう。比較的穏やかな魔獣が多い地方でもある。
ここできっと”いいやつ”に会える。あとはそいつに教えてもらえ。」
「なんだか雑ですね。」
「”いいやつ”なんだよ。それと平和な世界にいたお主は命のやりとりしたことないだろ?
少しだけ感情に細工させてもらった。生存本能が暴走して恐怖したり、動けなくならないようにしといた。」
「ありがとうございます。」
「死のカードはいろんなものに付与ができるから転生した場所付近で手ごろなものを武器にして付与するとまともに戦えると思うぞ。」
「わかりました。」
「そうだ。輪廻のカードは転生すると俺の加護が強い場所でしか使えなくなるんだ。
だから教会とかのなんだか神々しいところで使えるようになるから覚えておいてくれ。」
「なんだか神々しいって抽象的ですね…。ですがセーブできたところであれば使えるってことがわかるだけでも大体見当がつきます。」
「転生したら何日か分食料とお金を入れておくからあとは気合で頑張ってくれ。」
がはははと笑う姿がもうかわいくてたまらなくなり再度頭をなでてしまった。
空気がまたふんわりした甘い空気になり心地良く感じる。
「くぅ~ん。」
リンカネスから聞き覚えのある鳴き声が聞こえてキュンときてしまい撫でる手が頭をワシワシしてしまう。
「こら!やめないか龍星!」
リンカネスが顔を赤くし慌てて俺の手を掴んで撫でる行為を中断してしまった。
「あ、ごめんなさい。可愛くてつい…。」
「オホン。さっき言った”いいやつ”は転生する場所の近くにいるから探してみてくれ。」
「なにからなにまでありがとうございます。」
「転生後にお主と話せることを楽しみにしているよ。それと転生をしたら外見の見た目が18歳くらいになるからな。」
「若返るんですか?」
「今の29歳の姿だと前世を思い出してつらくなるかもしれんから念のためな。抵抗あるか?」
「気遣いありがとうございます。抵抗ないので大丈夫です。」
「あーあとお主の体にいろいろサービスしておくぞ。筋肉がそこそこついている状態になるからな。ガタイが少し良くなるから楽しんでくれ。おまけもしておくぞ」
リンカネスがパチッとウインクするがうさん臭く見えて怪しく本当かよと心の中で悪態をつく。
「いろいろサービスってなんだか怖いですよ!変なことしないでくださいね!」
「わかってるわかってる。安心して大丈夫だぞ
ハッハッハッとリンカネスは笑っているが俺はあまり信用できなくて
ジト目を向けてしまう。
「それじゃあな…。」
リンカネスが指パチンと鳴らすと体が宙に浮き、自分の体が光始めた。
最初とは逆の感じだった。
胸から何か離散していく感覚に襲われ自分の一部たちが木漏れ日の中を通り一つの方向に向かっている感覚がする
一度同じ経験をしていても少し怖い気持ちは残るがリンカネスと話した内容を思い出しわくわくする気持ちが強くなっていった。
(願わくば現世ではうまく築けなかった人間関係がうまく築けますように…)
そう願いを抱いていると意識が遠のいていった。
「よい人生を…。お主からもらった鶏肉はうまかったぞ。」
リンカネスは光の粒になった龍星を見送りつぶやく。
あいつを迎えに前世の世界に行ったとき、俺が入れるほどの器を持つ狼がいることには驚愕したが、
あいつの人間性を知りたくてその狼に乗り移った。
戯れているときに感じたが絶望の裏にとても暖かい気持ちを抱えていた。
根はとてもよく回りの環境があいつに影響を及ぼしているのは明らかだった。
あいつを選んで本当に良かったよ。
リンカネスはカップを置くと指をまた鳴らす。
本からカードが飛び出て俺の顔の目の前までふわりと移動する
「そのカード【力】のカードはお前を支えてくれる仲間の力を最大まで引き出し、借りることができる力が宿っている。まあ、お主自身が強くならないと最大限の効果は期待できないがの」
「どうしたら強くなるんですか?」
「仲間との絆が深まれば自然と強くなっていくようになっている。だからいろんな手段を試すんだな」
リンカネスが少し含みのある笑顔を見せるが、意図が読めなくきょとんとしてしまった。
「ふふふ、お主のそういうところは可愛げがあっていいな。少しいたずらしたくなる。」
「いたずらって何企んでいるんですか」
心なしかリンカネスを見つめる自分の目がジト目になっていることが容易にわかり、
カップのお茶と複雑な気持ちを飲みほした。
とても心が落ち着く…心なしか空気が陽だまりにいるときの感覚に近い。
「さてお主をそろそろ転生させたいのだがグリムハウルの世界はお主記憶通り魔獣がいる。」
リンカネスがまた指を鳴らすと地図が出現した。
「何回見ても便利ですね…。」
[そうだろ?]と得意げな顔をし、地図を見るように促す。
地図の中で他の大陸より一回り小さい大陸を指さした
「お主はこのフレラントに行ってもらう。比較的穏やかな魔獣が多い地方でもある。
ここできっと”いいやつ”に会える。あとはそいつに教えてもらえ。」
「なんだか雑ですね。」
「”いいやつ”なんだよ。それと平和な世界にいたお主は命のやりとりしたことないだろ?
少しだけ感情に細工させてもらった。生存本能が暴走して恐怖したり、動けなくならないようにしといた。」
「ありがとうございます。」
「死のカードはいろんなものに付与ができるから転生した場所付近で手ごろなものを武器にして付与するとまともに戦えると思うぞ。」
「わかりました。」
「そうだ。輪廻のカードは転生すると俺の加護が強い場所でしか使えなくなるんだ。
だから教会とかのなんだか神々しいところで使えるようになるから覚えておいてくれ。」
「なんだか神々しいって抽象的ですね…。ですがセーブできたところであれば使えるってことがわかるだけでも大体見当がつきます。」
「転生したら何日か分食料とお金を入れておくからあとは気合で頑張ってくれ。」
がはははと笑う姿がもうかわいくてたまらなくなり再度頭をなでてしまった。
空気がまたふんわりした甘い空気になり心地良く感じる。
「くぅ~ん。」
リンカネスから聞き覚えのある鳴き声が聞こえてキュンときてしまい撫でる手が頭をワシワシしてしまう。
「こら!やめないか龍星!」
リンカネスが顔を赤くし慌てて俺の手を掴んで撫でる行為を中断してしまった。
「あ、ごめんなさい。可愛くてつい…。」
「オホン。さっき言った”いいやつ”は転生する場所の近くにいるから探してみてくれ。」
「なにからなにまでありがとうございます。」
「転生後にお主と話せることを楽しみにしているよ。それと転生をしたら外見の見た目が18歳くらいになるからな。」
「若返るんですか?」
「今の29歳の姿だと前世を思い出してつらくなるかもしれんから念のためな。抵抗あるか?」
「気遣いありがとうございます。抵抗ないので大丈夫です。」
「あーあとお主の体にいろいろサービスしておくぞ。筋肉がそこそこついている状態になるからな。ガタイが少し良くなるから楽しんでくれ。おまけもしておくぞ」
リンカネスがパチッとウインクするがうさん臭く見えて怪しく本当かよと心の中で悪態をつく。
「いろいろサービスってなんだか怖いですよ!変なことしないでくださいね!」
「わかってるわかってる。安心して大丈夫だぞ
ハッハッハッとリンカネスは笑っているが俺はあまり信用できなくて
ジト目を向けてしまう。
「それじゃあな…。」
リンカネスが指パチンと鳴らすと体が宙に浮き、自分の体が光始めた。
最初とは逆の感じだった。
胸から何か離散していく感覚に襲われ自分の一部たちが木漏れ日の中を通り一つの方向に向かっている感覚がする
一度同じ経験をしていても少し怖い気持ちは残るがリンカネスと話した内容を思い出しわくわくする気持ちが強くなっていった。
(願わくば現世ではうまく築けなかった人間関係がうまく築けますように…)
そう願いを抱いていると意識が遠のいていった。
「よい人生を…。お主からもらった鶏肉はうまかったぞ。」
リンカネスは光の粒になった龍星を見送りつぶやく。
あいつを迎えに前世の世界に行ったとき、俺が入れるほどの器を持つ狼がいることには驚愕したが、
あいつの人間性を知りたくてその狼に乗り移った。
戯れているときに感じたが絶望の裏にとても暖かい気持ちを抱えていた。
根はとてもよく回りの環境があいつに影響を及ぼしているのは明らかだった。
あいつを選んで本当に良かったよ。
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