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がるふ

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幻想世界での光

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「よしわかった。きっとお主ならうまくやり直せるさ。」

リンカネスは席を立ち
右手を肘まで上げ指を鳴らす。
すると手のひらの上に翡翠の炎が燃え上がり、本が現れた。

「これからお主が向かうのは剣と魔法の世界。グリムハウルの世界だ。よく知ってるだろ?」

グリムハウル…グリムハウル…。
聞いたことがある名前だった。
どこで聞いたか記憶を遡ると昔かなりハマったゲームの舞台だったことを思い出した。

「あぁ、懐かしいなぁ。すごく楽しかった。大好きな獣人の仲間たちとオープンワールドを走り回れて楽しかった。」

懐かしさが極まって涙が出てきた。

「お主は[死]を経験し[輪廻リンカネス]に出会い[世界]へ旅立とうしている。お主にやり直すための[キズナ]を貸そう。」

そうリンカネスが告げると
右手の上に浮いている本が輝く。
その本は分厚く濃い紺色をしており、金色の豪華な装飾が施され高価そうな見た目をして神秘的な雰囲気を感じる。
少し監察していると本を囲うようにカードが4枚現れた。
リンカネスは本を差し出し俺は本を受け取る。
するとそのカード達は本の中に吸い込まれてしまう。

そして本の表紙を開くとそこには
″タイズミコン″と記されたページがあり、目次には


輪廻
世界


と記載があった。

そしてとても暖かく優しい光が本から発せられていた。

「リンカネスさん…。この本は一体…?」

リンカネスはフフフとニヤ付きながら胸を張り目を俺に向けた

「その本はお主がグリムハウルの世界で生きていくために用意した魔術道具だ。
お主しか使えないようにしてる。」

リンカネスがスッと本を俺から奪い3メートルくらい離れると本が消え、俺の手の中に戻ってきた。

「すごいな…便利だ…。」
「だろう?」

本からカードが一枚顔の前に出てくる。
カードはタロットカードみたいな柄で「世界」と書いてある。

「そのカードは主に道しるべとなるカードだ。お主が行きたいところを願うと必要な情報をくれる」

試しにリンカネスの分厚い胸板に触りたいとふざけて願ってみるとカードが光だし
光の矢印が現れリンカネスのほうを指した。

「お?お主もしかしてワシのいる場所を願ってくれたのか?うれしいなぁ!」

リンカネスが顔を赤くし俺の頭をガシガシなでる。

「半分外れで半分あたりです。」
「ん?なんでだ?ちょっと読ませてもらう」

リンカネスが目を閉じ少しすると顔があきれた表情に変わった

「おい…ワシの胸か…お主ちょっと引くぞ。」
「もしかして俺の思考を読めるんですか?」
「まぁ…神様だからなぁ。」

リンカネスがそうつぶやいた後、話を戻すにために咳ばらいをゴホンとし言葉を続ける。

「世界のカードはグリムハウルの一般常識を教えてくれる機能もあるから有効活用してくれ。
図鑑的な機能もある。強化されれば薬の調合方法や素材の探し方とか調べることができるから有効的に使ってくれ。まあわかりやすく言えば成長するグリムハウル限定のスマホみたいなやつだ。」

一息つきもう一枚カードが出てきた
今度は「死」と書いてある。

「そのカードはお主の攻撃をサポートしてくれる。強くなれば文字通り【死】をお主の敵に与えられるぞ。
基本的にはお主の心の強さを攻撃の強さに反映してくれる」

少し間を置き、リンカネスが指を鳴らすと本からカードが飛び出てきた。
カードはリンカネスの手のひらの上に移動し淡く光を発した。

「このカードは【輪廻】のカード。ワシの加護をかけたカードだ。
お守りみたいなものだ。ワシがお主と話したいと思ったら連絡できるカードでもある」

リンカネスは少し照れながら教えてくれた。
思わずリンカネスの頭をなでてしまった。

「あ、ごめんなさい俺…」
「気にするな。お主の手は暖かくて気持ちがいいな」

さらに顔を赤くしながら笑ってくれた。かわいい。
リンカネスはオホン。と咳ばらいを座り直し紅茶を啜った。

「【輪廻】のカードは教会とか私の信仰が多い場所で使えるようにしている」
「そういえばゲームではセーブするとき教会的な施設でしたね」
「そう、お前の知っている単語でいうならばセーブできたところでは使える」
「リンカネスさんに近況話すだけでもやり直すことが楽しくなりそうですね」
「うれしいこと言ってくれるな。ワシはうれしいぞ。」

照れ笑いをしながら俺の頭をくしゃくしゃと乱暴に撫でる。

「ちなみに俺に何か渡したいものがあるならこのカードかざすと俺に届くから何かあれば使ってくれ」
「俺がなにかあなたが好きそうなもの見つけたら送りますね」
「それはうれしいな、だが俺はうねうねした細長い物が全般的に苦手だからいたずらで送らないでくれよ?」
「わかりましたよ」

俺はリンカネス…神にも苦手なものはあるんだなとふっと笑ってしまった。
空間にそよ風が少し吹くのを感じた。
リンカネスは一息おき紅茶に口を付けた。
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