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第三章
もしかして?
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学園生活は順調に進んで行く中、私の前と他の人の前での態度の違いを見るたびに、何だか複雑な気持ちになる。
寂しいような、物悲しいようなそんな感情。
友達になれたと思っていたのが勘違いだったと、わかってしまったからかしら?
けれど最終的には彼の傍を離れるのだ、なら友人でなくてもかわないはずなのに……。
私は隣に座りスラスラとペンを走らせる彼の姿を盗み見すると、胸がキュッと小さく痛んだ。
それから数週間、またあることに気が付いた。
学園内でなぜかマーティンの姿をよく見かけるのだ。
同じクラスなのだから行動も一緒、けれど休憩時間でも辺りを見渡せば彼の姿が視界に映る。
そういえばこの間こけそうになった時も、気が付けば近くにいたわ。
大抵はカイザックと話しているのだけれど、時折チラチラとこちらを伺っているの。
けれど話しかけられることもなく、一体何をしているのかしら?
う~ん、何かあったのかしらね?
それともただの気にしすぎかしら?
態度はいつもと変わらない。
そういえば昔も同じように思った記憶がある。
あの時はまだマーティンと婚約していなかった。
確か……天文学を研究していた頃。
ケイトお姉様と一緒に居ると、時折研究所の窓の光が反射して、彼の姿がガラスに映る。
けれど中へ入ってくるわけでもなく、じっと研究しているところを観察するだけ。
あの頃は王子と面識がなかったから、それ以上気にすることはなかったけれど……。
「シャーロット様、何を見られておられるのですか?」
令嬢は私の視線の先へ目を向けると、キャッと楽しそうに小さく叫んだ。
「マーティン様を見ておられたのですね。邪魔をしてしまってごめんなさい」
「えっ、いえ、そういうわけではないのよ」
私は誤魔化す様に笑うと、別の令嬢が会話へと入ってきた。
「離れていても、ついつい姿を目で追ってしまうだなんて……なんて素敵なんでしょう。想いあう二人、ドラマティックですわ~」
「ですわねぇ~。マーティン様はお姿もお美しいし、視線に映るだけで眼福ですわよね」
いつものよくわからない反応に頬が引きつっていく。
そんな中、令嬢が身を乗り出す様にグイッと私の視界へと入り込んだ。
「シャーロット様、ところで……王子様とはどこまで進まれておられるのですか?」
突拍子もない質問に言葉を詰まらせる。
ゆっくりと令嬢たちが目をギラギラとさせ、こちらへ近づいてくる姿に、どう対応していいのかわからない。
巷で理想のカップルだと噂されているが、実際は友人程度の仲
私自身がそう思っているだけで、彼は友人とも思っていないのかもしれないけれど……。
当然ながら恋人らしいことなど一つもしていない。
「えーと、そうですわねぇ、それよりもお昼に致しましょう。今日は執事に作ってもらったお弁当を持ってきたの」
話を逸らせるようにお弁当を取り出すと、ベンチへ腰かけ中身をあける。
重箱を開けると、色とりどりの食材が艶やかに広がっていた。
飾り切りされた野菜があしらわれ、私の好みを知り尽くした品々。
最近のケルは突然料理を始めたのよね。
理由は学園へもっていくお弁当を作りたいと、本当に彼は何でもできてしまう。
「あら、美しいお弁当ですわねぇ。これを執事が作られたのですか?……確かシャーロット様は専属執事がおられるのですわよね?」
話題が変わったことにほっと胸を撫で下ろすと、私はニコニコと愛想笑いを浮かべて返す。
「公爵家のケルヴィン様でしょう!存じておりますわ!私のお姉様がケルヴィン様と同じ年なのですけれど、学園に居た頃とてもモテておられたそうですわ。ですが……キャサリン様とお付き合いされていて、アプローチできなかったとおっしゃっておりました。執事をされているということはまだご結婚はされてないのですわね。もしくは別れてしまったのかしら?」
彼女の言葉に食いつくように他の令嬢がケルについて話し出す。
私は箸の手を止めると、内容が頭に入ってこない。
ケルはケイトお姉様とお付き合いを……?
仲が良いとは思っていたけれど、二人はお付き合いしていたのね……。
二人並ぶ姿を想像してみると、私の前では見せないケルの表情が頭に浮かぶ。
彼はああいった女性がタイプなのかしら……。
いえ、もしかしたら今も……?
私が学園にいる間、逢瀬を楽しんでいるのかもしれない。
ケルもケイトお姉様もまだ結婚はしていないわ。
でもそれならそれでいいじゃない、だってケイトお姉様は素敵な方ですし、ケルともお似合いだわ。
そう頭で思うのだが、なぜか胸の奥に黒いモヤッとした感情が込み上げた。
寂しいような、物悲しいようなそんな感情。
友達になれたと思っていたのが勘違いだったと、わかってしまったからかしら?
けれど最終的には彼の傍を離れるのだ、なら友人でなくてもかわないはずなのに……。
私は隣に座りスラスラとペンを走らせる彼の姿を盗み見すると、胸がキュッと小さく痛んだ。
それから数週間、またあることに気が付いた。
学園内でなぜかマーティンの姿をよく見かけるのだ。
同じクラスなのだから行動も一緒、けれど休憩時間でも辺りを見渡せば彼の姿が視界に映る。
そういえばこの間こけそうになった時も、気が付けば近くにいたわ。
大抵はカイザックと話しているのだけれど、時折チラチラとこちらを伺っているの。
けれど話しかけられることもなく、一体何をしているのかしら?
う~ん、何かあったのかしらね?
それともただの気にしすぎかしら?
態度はいつもと変わらない。
そういえば昔も同じように思った記憶がある。
あの時はまだマーティンと婚約していなかった。
確か……天文学を研究していた頃。
ケイトお姉様と一緒に居ると、時折研究所の窓の光が反射して、彼の姿がガラスに映る。
けれど中へ入ってくるわけでもなく、じっと研究しているところを観察するだけ。
あの頃は王子と面識がなかったから、それ以上気にすることはなかったけれど……。
「シャーロット様、何を見られておられるのですか?」
令嬢は私の視線の先へ目を向けると、キャッと楽しそうに小さく叫んだ。
「マーティン様を見ておられたのですね。邪魔をしてしまってごめんなさい」
「えっ、いえ、そういうわけではないのよ」
私は誤魔化す様に笑うと、別の令嬢が会話へと入ってきた。
「離れていても、ついつい姿を目で追ってしまうだなんて……なんて素敵なんでしょう。想いあう二人、ドラマティックですわ~」
「ですわねぇ~。マーティン様はお姿もお美しいし、視線に映るだけで眼福ですわよね」
いつものよくわからない反応に頬が引きつっていく。
そんな中、令嬢が身を乗り出す様にグイッと私の視界へと入り込んだ。
「シャーロット様、ところで……王子様とはどこまで進まれておられるのですか?」
突拍子もない質問に言葉を詰まらせる。
ゆっくりと令嬢たちが目をギラギラとさせ、こちらへ近づいてくる姿に、どう対応していいのかわからない。
巷で理想のカップルだと噂されているが、実際は友人程度の仲
私自身がそう思っているだけで、彼は友人とも思っていないのかもしれないけれど……。
当然ながら恋人らしいことなど一つもしていない。
「えーと、そうですわねぇ、それよりもお昼に致しましょう。今日は執事に作ってもらったお弁当を持ってきたの」
話を逸らせるようにお弁当を取り出すと、ベンチへ腰かけ中身をあける。
重箱を開けると、色とりどりの食材が艶やかに広がっていた。
飾り切りされた野菜があしらわれ、私の好みを知り尽くした品々。
最近のケルは突然料理を始めたのよね。
理由は学園へもっていくお弁当を作りたいと、本当に彼は何でもできてしまう。
「あら、美しいお弁当ですわねぇ。これを執事が作られたのですか?……確かシャーロット様は専属執事がおられるのですわよね?」
話題が変わったことにほっと胸を撫で下ろすと、私はニコニコと愛想笑いを浮かべて返す。
「公爵家のケルヴィン様でしょう!存じておりますわ!私のお姉様がケルヴィン様と同じ年なのですけれど、学園に居た頃とてもモテておられたそうですわ。ですが……キャサリン様とお付き合いされていて、アプローチできなかったとおっしゃっておりました。執事をされているということはまだご結婚はされてないのですわね。もしくは別れてしまったのかしら?」
彼女の言葉に食いつくように他の令嬢がケルについて話し出す。
私は箸の手を止めると、内容が頭に入ってこない。
ケルはケイトお姉様とお付き合いを……?
仲が良いとは思っていたけれど、二人はお付き合いしていたのね……。
二人並ぶ姿を想像してみると、私の前では見せないケルの表情が頭に浮かぶ。
彼はああいった女性がタイプなのかしら……。
いえ、もしかしたら今も……?
私が学園にいる間、逢瀬を楽しんでいるのかもしれない。
ケルもケイトお姉様もまだ結婚はしていないわ。
でもそれならそれでいいじゃない、だってケイトお姉様は素敵な方ですし、ケルともお似合いだわ。
そう頭で思うのだが、なぜか胸の奥に黒いモヤッとした感情が込み上げた。
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