クレアの独白

群青

文字の大きさ
19 / 23

後悔噬臍

しおりを挟む
 


 この聖クレリエント学園には、定期試験と呼ばれる試験があります。
 年に4回行われていて、それと同時にクラス編成も行われています。
 この試験の最も恐ろしい所はここにあります。
 この学園では、定期試験毎に学年の人数を10人ずつ減らしています。
 簡単に言うと、下から10番目に入った人は全員即退学ということです。


 あぁ、恐ろしや~!!


 さて、私も気を引き締めて勉強せねばなりません。
 何故なら、ただ今テスト二週間前だからです。
 私は、一人で生きていくと決めました。
 ならば、それだけの地位を手に入れなければなりません。
 その為に私は、三年間の学園生活における定期試験で毎回トップ5に入らなければならないのです。


 そう言えば、自殺未遂した頃の私と今話している私が大分違くないかと思いませんでしたか?


 まぁ、あれですね。


 自殺未遂頃の私は、全面的に久美の精神が表に出てしまっていて、ちょっとあれだったんです。
 実は、久美って所謂「ヤンデレ」ってやつだったんだですよね。
 だから、その、何というか、すぐ死にたがるというか…………


 現代人の悪いところですよね。


 まぁ、前世の『記憶』が戻って2日も経てば、精神も安定してきて、私もまともになるのです。
 クレアは「ヤンデレ」では、ないのでクレアと久美が合わさった私も「ヤンデレ」ではありません。
 確かに、クレアに比べたら、少しだけネガティヴ思考になっていますが。


 しかし、本当に一人で生きていけるのでしょうか?


 今更ですが、ここはクリアランスです。
 そう、クリアランスなのです。
 地球とは違い、女性が働くことが一般的ではないのです。
 これは、困りました。
 昨日、あれだけ啖呵をきっときながら


「ごめんなさい。結婚してください!!」


 とは流石に言えません。
 私と結婚してくれる人なんてそうそういないでしょうし、私はそんなに身分が高くないので、政略結婚をする相手もいません。


 つまり、今私は昨日のことをとっても後悔しています。


 考えてもしょうがないので、私は図書館に向かいました。
 寮だと同じ部屋のスフィアに出会ってしまいますから。
 ですが、さっきから気になることがあるのです。
 あの棚の陰から物凄い視線が向けられているような気がするのですが、気のせいでしょうか?


 うーん、気のせいですね!


 私はその視線を無視して、黙々と勉強を始めました。




 -数日後-


 結果を言うと、私また一番でした。


 テスト勉強を頑張ったおかげですね!
 なので、席は変わらずキープです!
 クリスとスフィアは仲良くBクラスに、リチャード皇子とリールはなんと私と同列一位。


 凄いですね、お二人………


 まぁ、その所為でとても気まずいのですが。
 多分、リールは狙って一番になったのでしょう。
 あいつはそういうやつです。
 そう言えば、この後私はクリスと会う約束をしていました。
 実は数日前のこと




    ◇    ◇    ◇

「クレア!!」
 私が一人で廊下を歩いていると、後ろから名前を呼ばれました。
 振り返ってみると、そこにはクリスがいました。
 私は咄嗟に逃げようか、とも思いましたが逃げてもどうにもならないので私は逃げませんでした。
「クレア、話したいことがあるんだ。
 14日の放課後、図書館の会議室に来てくれないか?」
 私がこくりと頷くとクリスはニコッと笑って「ありがとう」と言って立ち去りました。

    ◇    ◇    ◇




 と、まぁ、そういうことがあったのです。
 ていうか、何を話したいのでしょう?
 私も何を話しましょう?
 私は悶々と考えながら、図書館に向かいました。


 カチャッと音を立てて、会議室のドアが開くと、そこにはクリスがいました。


「こんなところに呼び出して、ごめんね?
 実は、話したいことがあって………。」


 やってきました、やってきました。
 さてさて、クリスは何を話し始めるのでしょうか?


「クレア、今後悔してるでしょ?」


 ギクッという音が聞こえるほど、私は驚いてしまいました。
 流石、クリスなのです。
 よく私のことがわかっています。


「伊達に恋人だったわけじゃないからね。
 それで婚約のことだけど、このままでいいかなって!
 えーと、だから僕たち婚約者のままでいませんか?ってことなんだけど………。」


 私は、クリスに悪いなとは思いつつ、その提案を承諾しました。
 だって、しょうがないのです。


 私の将来の為なのです。


 あぁ、どうして私はあの時、あんなことをしてしまったんでしょうか?
     今更、後悔しても遅いのです。
     やってしまったことは、変わらないのですから。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」 「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」  私は思わずそう言った。  だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。  ***  私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。  お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。  だから父からも煙たがられているのは自覚があった。  しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。  「必ず仕返ししてやろう」って。  そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...