2人用声劇台本「やさしいせかい」

鳴尾

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やさしいせかい

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兄ちゃん「あ、ごめ、なさい。」
ヤンキー「兄ちゃんどっからきたん?田舎か?田舎やろ、田舎臭ぷんぷんするわ」
兄ちゃん「は、はい。えっと、田舎村から、、。」
ヤンキー「兄ちゃん田舎村か!」
兄ちゃん「そうです、けど、、?」
ヤンキー「俺と一緒やないか!仲良ぅしてな!」
兄ちゃん「あ、こちらこそ、よろしく。」
ヤンキー「よっしゃ兄ちゃんついて来ぃ。ええ店連れてったるわ!」
兄ちゃん「いや、あの、、。」
ヤンキー「なんや、忙しいんか」
兄ちゃん「まだ引っ越してきたばっかりで、片付けてないし。」
ヤンキー「せやったか、それは悪かったなあ。ほな出前持ってったるわ!どこ住んどるん?」
兄ちゃん「そんな、いいですよ」
ヤンキー「遠慮すんちゃうぞごらあ」
兄ちゃん「ひぃっ!さ、さんかくはいつ、です。」
ヤンキー「なんや一緒か」
兄ちゃん「へ?」
ヤンキー「俺の家さんかくハイツの1階なんや」
兄ちゃん「あ、もしかして朝クッキー、、」
ヤンキー「あのクッキー兄ちゃんのかあ!ありがとうな!」
兄ちゃん「ど、どいたしまして」
ヤンキー「ほなちょっと出前屋敷行ってくるから、兄ちゃん部屋片しとき!後で手伝ったるわ!」
兄ちゃん「あ、りがとう、ございます、、?」


ヤンキー「見てみい、これがええんや」
兄ちゃん「わあ・・・美味しい、ですね」
ヤンキー「やろ!美味いやろ!」


ヤンキー「なんやこれ」
兄ちゃん「わあっ見ないで!」
ヤンキー「なんや、エロか?」
兄ちゃん「わああああああ」
ヤンキー「これ卒アルか。初めて見たわ」
兄ちゃん「じ、自分のは、、?」
ヤンキー「俺まだ中坊やもん」
兄ちゃん「へ?」
ヤンキー「だから兄ちゃんって呼んどったやん」
兄ちゃん「いやどう見ても年上、、」
ヤンキー「ああん?」
兄ちゃん「なんでもないです中学生です、、って、あれ、じゃあ学校は?」
ヤンキー「行ってへんけど?」
兄ちゃん「行こう?」
ヤンキー「いやや、おもろないし。」
兄ちゃん「せ、せめて中学校、いや高校くらいまでは行ってたほうが、、」
ヤンキー「こんな平日の真昼間に酒飲んでる兄ちゃんに言われとうないわ」
兄ちゃん「ぐさっ」
ヤンキー「兄ちゃん何しにこっちきたん、家出か?」
兄ちゃん「ぼそぼそぼそ」
ヤンキー「あ?なんて?きこえへん?」
兄ちゃん「ぼそ、ぼそ、、」
ヤンキー「腹から声出せやあ!」
兄ちゃん「ま、んが!かい、てる!!」
ヤンキー「漫画?」
兄ちゃん「けほ、けほ、、」
ヤンキー「兄ちゃん漫画描いとるんか」
兄ちゃん「けほっ(頷く)」
ヤンキー「見してえや!」
兄ちゃん「そんな、けほ、見せる、ほど、けほ、すごく、、ない、、、」
ヤンキー「見せろや」
兄ちゃん「ひゃいっ」


ヤンキー「おもろいやないか!天才やな!!」
兄ちゃん「ほん、と、ですか?」
ヤンキー「嘘ついてどないすんねん!兄ちゃん天才やないか!」
兄ちゃん「あり、がとう、ございます、、」
ヤンキー「これどっか載っとるん?」
兄ちゃん「ううん、ボツなんだ。」
ヤンキー「なんで?こんなおもろいのに!」
兄ちゃん「世間が求めてるものと、僕が描きたいものが合わないんだって、言われた。」
ヤンキー「なんやそれ!こんなおもろいんボツにするとか意味わからへん!なあ兄ちゃん」
兄ちゃん「?」
ヤンキー「また描いてや、漫画!」
兄ちゃん「え、でも」
ヤンキー「・・・・・・・・・俺、学校行くわ!せやから兄ちゃんも描いて!」
兄ちゃん「え、っと、、」
ヤンキー「描けや」
兄ちゃん「はいっ描きます!」
ヤンキー「描いたら見してな!」
兄ちゃん「う、はい、、。」


兄ちゃん「で、きた、、。」
ヤンキー「見して見して!」

ヤンキー「おもろい!ほかにも描いてや!」
兄ちゃん「は、はい。」


~10年後~


兄ちゃん「かけ、た!」
ヤンキー「おう、見してくれや」
兄ちゃん「うん。」
ヤンキー「相変わらず最高やな」
兄ちゃん「あり、がと。」
ヤンキー「なあセンスケ、ちょっと着いてきて欲しいとこあるんやけど」
兄ちゃん「?」
ヤンキー「これ着けといてな」
兄ちゃん「アイマスク、、」


ヤンキー「着いたで!」
兄ちゃん「?」
ヤンキー「目隠し外すで」
兄ちゃん「うん、、眩し、へ?」
ヤンキー「紹介するわ」
兄ちゃん「ここ、って、、。」
ヤンキー「部長、この人です。」
兄ちゃん「へ、なんで?」
ヤンキー「俺な、就職決まった言うたやろ。それな、ここやねん。」
兄ちゃん「??」
ヤンキー「せやから!今、俺、はんえん社の週刊すいちょく編集部で働いとんねん!」
兄ちゃん「あの、人気漫画がいっぱいのってる、、すごい、すごいよ!」
ヤンキー「ありがとうな!ほんでな、今日連れてきたんはな、センスケの作品、載せたいからやねん」
兄ちゃん「僕の?」
ヤンキー「せや!俺そのために学校行って、ここ入ったんやで!」
兄ちゃん「僕の為、、っ(赤面)」
ヤンキー「センスケの漫画はおもろいんや、絶対ウケるんや!」
兄ちゃん「なんでそこまで、、」
ヤンキー「俺な、初めてセンスケに会うたとき荒れとったんや」
兄ちゃん「うん、知ってる。」
ヤンキー「引っ越したばっかでな、俺の話し方変やとか馬鹿にされて、親離婚したばっかで、おとんしかおらんかったから忙しいおとんに迷惑かけたあかんって思って、でも行きたのうて」
兄ちゃん「それでぶらぶらしてたの」
ヤンキー「そこでセンスケに会ったんや。センスケの漫画読んで、俺泣きそうになったんやで!」
兄ちゃん「そ、んなに?」
ヤンキー「そんなにや!センスケの漫画に、学校、行く勇気もろたんや。」
兄ちゃん「そうだったんだ」
ヤンキー「そんなすごい漫画世の中に出さんとか編集部アホちゃうかて思った。そこで気づいたんや。俺が編集なったらええんやって。」
兄ちゃん「・・・」
ヤンキー「なんか聞いたら大学出やなあかんとか言われて、せやから大学まで頑張ったんや、アホ校やけどな。」
兄ちゃん「・・・」
ヤンキー「せ、せやからな!今の俺がおるんはセンスケのおかげなんや。・・・ほんまにありがとう!」
兄ちゃん「・・・(泣)」
ヤンキー「なんで泣くんや!俺が泣かした見たいやんけ」
兄ちゃん「嬉し、くて、、。礼を言うのは、僕のほうだ。あ、りがと、、あり、がとう、、、(泣)」
ヤンキー「おう!」
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