夏の夕雷のように、すぐに恋は終わる。

第4話「ヤサシイ」

「あ、、、めっちゃ電話かかってきてる・・・。まぁ、、、大丈夫か・・・。」

「ただいまぁ。」
「あ、、、おかえり～～～。ごめんね、電話出られなくて歌聞いてたから。」
「そういうことか・・・。まぁでも買い物はうまくいったから大丈夫だよ。」
「偉いじゃん？？一人で？？？」
「いや、太陽のような方に手伝ってもらった。」
「太陽？？？」
「そう、明るくて丁寧で・・・。」
「あぁ、スーパーの店員さんのコミュ力にやられたか。」
「その人の名前は？？？名前覚えてたら次行くときにも聞きやすくない？」
「あぁ、なるほど・・・。名札見てなかった。」
「まぁ確かに。変な奴に胸見られたって通報されちゃうかもね・・・？？？」
「馬鹿。誰が変な奴だ？？？」
「小説家兼ゲーム配信者なんて変な奴だろ？？？」
「それは否めない・・・。ってか、ポイントカードに・・・。あった。あの人、朱雀町（スザクマチ）っていうらしい！！！」
「ごめん、それは店名だね。」

結構こういう抜けてるとこがあるが、彼は小説家である。
『探偵ゼロの事件簿』シリーズの原作者である。
担当者として自慢じゃないが、結構売れっ子である。シリーズは15作目である。
だが、、、、絶賛スランプである・・・・。そんなこともわかってはいるが、、、

「どう？？？１時間たったけど。」
「そうねぇ、15％くらいかなぁ。まったく思いつかない。」
「そうねぇ、、、まぁいいんじゃない？？？時間はあるし・・・。」
「あ、今日は優しいのね・・・。」
「いつも優しいんだけど？？？」
「あ、そうね。助かるわ。」
「食べたら、配信すんの？？？？」
「あぁ、うん。」
「りょ。」