TRAVELER'Z NOTE

Page.19 「三子参戦、殴打、そして船出。」

冒険15日目、トレス滞在2日目

「「「さっさとくたばりやがれ！この化け物が！」」」
「【豪炎吹雪(イグナクス)】！」
「【楽雷門(らくらいもん)】！」
「【瞬間冷凍(モーメントアイス)】！」
「ぐは！・・・なんてな！ふん！【恨轟夜災（ミックスサラダ）】！」

それから俺たちは戦い続けた。疲れが出始めたころに事件が起こった。

「はぁはぁ・・・。手ごわいな・・・。」
『リヒン！みんな！私たちにもやらせて！』

そういうと子供たちは君主の方に向かっていった。

「やめろ・・・！痛いわ！」
「うわ！」
「みんな大丈夫！？」
「うん！まだまだいくよ！」

「くそやろうども・・・！これを見ても攻撃できんのか・・・？」
『パパ！』

君主は、彼女らの父変わりであるククラブを盾にしていた。

「ふはは、もう手は出せまい。油断をするな？【恨轟夜災（ミックスサラダ）】！」
『うわ！』
「お前ら大丈夫か？けがはないか？」
「リヒン！？大丈夫・・・。」
「でも、奴を攻撃できない・・・。」
「どうしよ・・・？」
「大丈夫だ・・・。俺が今から一発ぶんなぐってくる。お前らの父さんも救ってくるからエノの所へいてくれ。」
『・・・。わかった！』
「偉い子だ・・・。」

そういって俺は彼女らを降ろして君主の方へ向かっていった。

「なんだ？こっちへ来るなよ？こいつらの父親がどうなってもいいのか？」
「・・・。」
『君主様のほうは行かせねえぞ！』
「【楽雷門(らくらいもん)】！」
「【氷結晶昇華(ダイヤモンドダスト)】！」
『リヒンの邪魔するんじゃねえ！』

「く・・・。なんで来やがる！もういい・・・。ミック・・・。」
「【豪炎吹雪(イグナクス)】！」
「ぐは！」

君主は最後の一撃で倒された。群衆からはブーイングが起こった。
君主の手から離れたククラブが話をかけてきた。

「あな・・・たは・・・。」
「オレズノート・リヒンって言うんだ。」
「リヒンか・・・。あの子たちを・・・守ってくれないか・・・。
「ククラブはどうするんだ・・・？」
「おれに・・・は・・・もう・・・・むりだ・・・。」
「あいつらには・・・。」
「いつもうるさくて・・・・騒がしいがいい子たちなんだ・・・。」
「あぁ・・・。わかってる・・・。」
「とに・・・かく・・・、よろし・・・くたのむ・・・。」

そういって彼は息を引き取った・・・。

「リヒン・・・？」
「すまない・・・。お前らの父親を守れなかった。」
「ううん・・・。リヒンは悪くないよ・・・。」
「ありがとうね・・・。とてもうれしい・・・。」
「あたしたちを守ってくれて・・・。」

彼女らはククラブのもとに向かって泣いていた。
その中でも聴衆からの非難の声は多かった。

「お前ら、、、もうこの町出るぞ・・・。」
「あぁ。」
「わかった。」
「リヒン！あの子たちは・・・？」
「あいつらに任せる・・・。ついてこないならそこでいいと俺は思う。」

しばらく歩いてると後ろから泣きながら子供たちは俺たちをおいかけてきていた。

『リヒン！タイカ！ビーナ！エノ！待ってぇ！』

振り返ると、涙と汗と鼻水とかが出ている３人が立っていた。

『リヒン！お願いがあります！』
「どうした？」
『役に立たないかもしれないけど、、、あたしたちも一緒に旅をさせてほしい！です！』
「・・・。」
「だめかな・・・？」
「あたしたちも練習とかする！」
「武器とかないけど・・・。」
「旅先で今回以上に危険なことがあったらどうする？」
『・・・。怖いかもだけど、ここにいるより安心するし戦う！』
「そうか・・・。」
『・・・。』
「いいぞ。俺たちと戦おう。」
「いいの？」
「大丈夫？」
「ほんとに？」
「当たり前だ。一緒にこのバケモノたちの国から出よう。」
『うん！みんなよろしくね！』

こうして、グレイ・エウルブ、グレイ・ニールグ、グレイ・デールの三つ子が仲間になってトレスを出た。