TRAVELER'Z NOTE

白木飛鳥

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Page.23 「料理人探し、レストラン、そして拒絶。」

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冒険21日目、トレス出発7日目

「よし、タイカ。ビーナ。エノ。デール。エウルブ。ニールグ。」
「どうした?改まって。」
「俺はお前らと会えてとてもうれしい。だが!一つ分かったことがある。」
「なんだ?」
「料理人がいない!」
「りょうりにん?」
「だって、エノがいるじゃん?」
「エノの料理美味しいよ?」
「違うんだ。エノは俺らの身の回りのことをほとんどやってくれてるだろう?」
「まぁ、わたしもそれがやりたいって思ってるけど。」
「そうなんだが、やはり負担が多い。だからこそ、次の町では絶対に料理人を見つけるんだ。」
「そうか。じゃあ、レストランとかで探してみるか。」
「ねぇねぇ?」
「レストランで」
「おいしいものを食べてもいいの?」
「あぁ、いいぞ。その土地のものを食わないと損だからな。」
「好きなものをいっぱい食べていいからね。」
『は~い』
「あと、潮の流れでおそらく明日の午後にはカルテットには着けそうよ。」
「そうなのか。楽しみだな。」

冒険22日目、トレス出発8日目

「ねぇ!みんなこっち来て!」
「どうしたんだ?」
「大陸が見えてきたよ!」
「お?ほんとか?ついに見えてきたか?」
「じゃあ、みんな!降りる準備をしてね!」
「わかった!よぉし、何をもっていこうかな」

数時間後、俺たちは芸術の国:カルテットに到着した。

「ここが、芸術の国:カルテットか。さてとどうするか・・・。」
「その名前にふさわしいくらい音楽だとかがあるんだな。俺は、デールたちの武器でも見てこようと思う。」
「じゃあ、私もついて行くよ。3人はリヒンとビーナと一緒にご飯屋さんでも行って来たら?お腹すいたでしょ?」
『うん!そうする!』

ということで、俺らはレストラン探しに向かった。
タイカとエノは・・・。

「ここが武器屋かな?」
「そうみたいだな。あいつらが持っても大丈夫そうなやつだもんな。」
「やっぱり剣がいいのかな?それともほかの武器かな・・・。」

「お?あんたらいい武器持ってるじゃないか。特に旦那、それは結構いい刀だが他をお望みか?」
「いや。俺らの仲間がいるんだがまだ武器を持っていなくてな。」
「ほう?あんたら旅人か。だから見たことない顔だと思った。使ってる属性は?」
「獣人の三つ子なんだが。それぞれ、火炎魔素、氷結魔素、風流魔素だ。」
「今なんて言った?獣人だと?」
「あぁ、それがどうかしたか?」
「この町ではあまり『獣人』は・・・。少し嫌味を言われるかもしれない。」
「どういうことなんだ?」
「詳しく聞かせてください。」
「あぁ、俺もあまり思い出したくないが・・・。」

一方そのころ、リヒン・ビーナ・デール・エウルブ・ニールグは・・・。
レストラン:オリンピアに来ていた。

「ここがおそらくいいんじゃないか?」
「確かにおいしそうだな。おまえらここでいいか?」
『うん!ここがとてもいいと思う!全部おいしそう。』
「じゃあ、ここにしよう。入るぞ。」
「わかった。」
『おー!』
「大人2人に、子供3人、あと二人来るが席空いてるか?」
「よそ者には、半分の量で二倍の値段。獣人はお断りだ。それでもいいなら二人は入れ。」
「どういうことだ?ちゃんと説明してくれ。」
「なぜ、こいつらが入ったらいけないんだ?」
「すべて説明はしないが、とにかくここのルールだ。それが守れないならほかをあたってくれ。いけるならな。」
「ここでも獣人は・・・。」
「リヒン・ビーナ!おいしいもの食べてきて!」
「アタシたち、船でご飯食べてくるから!」
「帰ってきたら何食べたかは教えてね!」
「ちょっと待て。」
「三人とも。」
『うん?』
「「たのむ!こいつらにだけでもいい!食べ終わったらすぐにここを出るからうまいもんを食わせてやってくれ!」」

俺とビーナはシェフたちの前で土下座をして頼み込んだ。

『ちょっと!二人ともやめて!エノが作ったご飯でいいよ!』
「だめだ!お前らが食べたいものを食べれないならこの町に着た意味はない。」
「でも!ここであたし達だけで食べえないよ!」
「そういうことだ。駄目なものはだめだ。営業の邪魔だ。」

そういって、シャフたちは店の門を閉めた。
しばらくすると、タイカとエノが走って戻ってきた。

「その様子じゃ一歩遅かったか・・・。」
「ごめんね。いやな思いさせちゃったね。三人とも。」
『ううん!あたし達よりも・・・。二人が・・・。』
「・・・。そうか。じゃあ、いったんどうするか・・・。」
「リヒン・・・?」
「もう出るぞ。こんな町。船に戻るぞ。」

「ちょっと待って!あなたたち!うちの家に来てよ!」
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