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しおりを挟む〇音楽室
【照明 FI】
満月「部長遅い!」
彩歌 跳ねる
琴音「まあまあ、満月ちゃん」
満月「まあまあじゃないわよ、琴音!
呼び出しておいて遅刻なんて普通有り得る?
わざわざ時間割いてるんだからね!」
琴音「満月ちゃん家のことで忙しいもんね
バイトも掛け持ちだし」
満月「そうよ。今日だって無理言って
遅らせて来てるって言うのに、アイツは」
一星「普通に授業中だろうよ、この時間」
満月「なんでこの時間に呼び出したの?!」
琴音「そういえば、彩ちゃん」
彩歌「はい?」
琴音「最近部長変だよね? なにかあったのかな?」
彩歌「私には分かりません」
琴音「そうだよね・・・どう思う?」
一星「さあな」
満月「私に分かるわけないでしょう
アイツが何考えてるかなんて。
そもそも向いてなのよね、サークル長」
琴音「でも、ほら頑張ってるよ」
一星「琴音、そういう問題じゃないんだ」
満月「そうよ。本当辞めようかしら。
この時間をバイトに回せたいくらになることか」
一星「俺は今学期で辞める予定」
彩歌「辞める・・・」
琴音「待って待って、辞めるのは待とうよ」
彩歌「でも、ここ最近の部活は」
一星「『楽しくねえ』だろう?」
琴音「それはほら、同じ曲ばっかりだからじゃない?」
彩歌「なんでなんでしょう?」
満月「気まぐれでしょ、どうせ」
琴音「そんなそんな、
もしかしらってあると思うんですよ!」
登 上手から登場
登 「ういー」
登 荷物を置く
登 「・・・どうした?
もしかして深刻な話の真っ最中だった?」
一星「そうそう、部活を抜けるか辞めるかってな」
登 「なにそれ、やめるしかないじゃん」
琴音「あ、登くん登くん、冬の蛍って知ってる?」
登 「なにそれ」
一星「かーそんのも知らねえの?
そんなんだからモテねえんだぞ」
登 「余計なお世話だ」
彩歌「冬場に漂う蛍のことで
見た人の願いが叶うと言われています」
登 「七夕伝説の親戚か何かか。結局伝承だろう?」
一星「夢がねえな、お前は」
登 「現実主義と言え」
一星「おお、可哀想な登よ」
登 「なんでたよ、てかくっつくな」
一星「良いじゃねえか。季節はもうすぐクリスマス
人肌恋しいこの季節に
この俺様が温めてやろうってiーー」
登 「離れろ、キモい」
一星「いや、キモいはひどくね? さすがにさ」
登 「男に抱きつかれて喜ぶ野郎がどこにいるよ」
全員 登を見る
登 「みんな!!?」
全員 笑う
満月「うそうそ」
琴音「満月ちゃん、久しぶりだね」
満月 顔を背ける
眞白 元気よく上手から登場
藍 元気なく上手から登場
眞白「みんな、おまたせ!」
登 「『おまたせ!』じゃないよ、サークル長」
眞白「ごめんごめん。
突然なんだけど、活動時間増やしていい?」
全員「はぁ(はい)?!」
全員 藍を見る
藍 「ごめん、私を見られても分からないから・・・」
琴音「はい、先生!」
眞白「はい、琴音さん!」
琴音「話が全然見えません!」
眞白「あ、そうだったそうだった。
早く伝えたくて忘れてたよ」
登 「どういうことだってばよ」
眞白「はい、それじゃあ改めて
みんなに重大発表があります」
満月「辞めるの?」
眞白「なんでよ!
ごほん。私たち合唱サークルは、なんと!」
満月「今日をもって解散します」
全員「え」
眞白「しないよ?!」
藍 「話進まないから!」
満月「ごめーん」
眞白「もう・・・。
私たち合唱サークルはなんと
MVに出場することが決まりました!
いぇーい」
全員「え?」
藍 「どういうこと?」
眞白「MVのオーディションに
夏の発表会で歌ったヤツを応募したら
予選通ったんだよ! 本番は25日!」
藍 「25って来週の土曜じゃない!」
眞白「うん、だから練習時間を増やしたいなーと」
彩歌「琴音さん、MVとは?」
一星「ふん
ミュージック・バリエーションっていう
ラジオ番組みたいだな。
なんでも、選考で当選した25組が
公開生放送で順位を競うもんらしい」
彩歌「え、公開生放送・・・」
琴音「え、凄いね、眞白ちゃん!」
眞白「でしょでしょ!」
琴音「そんな大きな舞台で歌えるなんて
楽しそうじゃない、彩ちゃん一星くん」
彩歌・一星 琴音と顔を合わせず
満月「あのさ、盛り上がってるとこ悪いんだけど
どうするの、時間?
私、来週の火曜以外空いてないよ?」
一星「そもそも1、2時間増やした程度で間にあんの?
恥かくだけだと思うんだけど?」
登 「なっ俺見て言うなよ! 確かに音痴だけどさ」
満月「はあ。で、どうなの、サークル長さん?」
眞白「え、それを今から話し合おうと」
満月 席を立つ
琴音「満月ちゃん」
満月「やっぱり私・・・この部活辞めるわ。
こんな勝手なことされるなんて思わなかった」
満月 上手に退場
眞白「え」
琴音「待って、満月ちゃん!」
琴音 上手に退場
一星「琴音!」
一星 琴音の荷物に気付く
一星 眞白を睨むかのように見る
一星「たく」
一星 琴音の荷物を抱え、上手に退場
登 「一星・・・」
眞白「なんで」
彩歌「すみません。私もこの話下ろさせてもらいます。
大勢の前でなんて私には、無理です」
彩歌 上手に退場
藍 「私帰る」
藍 上手に退場
登 「おい、待てよ、藍!」
眞白 崩れ落ちる
眞白「どうして・・・藍ちゃん? 私・・・」
登 「眞白・・・」
登 少しの間迷う
登 「ごめん」
登 上手に退場
眞白「どこで・・・どこで間違えちゃったのか
私・・・ねえ、誰か、教えて・・・」
【FO 奥】
〇廊下
藍 下手から登場
登 遅れて下手から登場
登 「待てって」
藍 「なに!」
登 「あれはないだろう。
まるで眞白が全部悪いみたいじゃないか」
藍 「違うの?」
登 「お前、それ本気で言ってるのか」
藍 「これは眞白の身勝手さが招いた結果じゃない!
それ以外になにがあるっていうの!」
登 「確かに何の相談もなしに
応募したのは眞白が悪いけど!」
藍 「部内の空気だって悪くて
副長だからどうにかしなきゃって
ずっと考えてたのに
その時間全部無駄にされたんだよ!」
登 「なっそうじゃないだろう、お前!
そんなのただの言い訳だろう!
逃げに使うなよ、サークルを!」
藍 「逃げ? 私が? どこが!」
登 「逃げてるだろう、ずーっと」
藍 「何から!」
登 「言わなきゃ分からないのかよ!
サークルより大事なことだろうが!」
藍 「だから、何kーー」
登 「ピアノからだよ!」
藍 「逃げてないよ!
ピアニストは私の夢なの
逃げるわけnーー」
登 「ふざけるな!
今を一生懸命に生きてないお前が
未来なんて語るなよ!
何も出来てないお前が!!」
藍 「何もできてない?
私のこと知りもしないで勝手なこと言わないで!
あんたに何が分かるって言うの!
あんたなんて・・・登なんて大っ嫌い!!」
藍 上手に退場
登 「あ、な・・・ちくしょぉぉぉぉおおおお!」
間
登 「眞白!」
登 下手に退場
【照明 FO】
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