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第五章 魔物の森の変革期編
エルフ王国
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その日は一日、皆それぞれ十分に交合って過ごしたので、夕食の準備の時にはみんなお肌が艶々している感じだった。セシリアも随分と馴染んでいるみたい。ニーナのことも、ニーナねぇねぇと呼んでいた。ニーナも妹が出来て得意気だ。一緒に食事の準備をしている。ちなみに俺のことは、リュウにぃにぃと呼ぶことにしたようだ。しっかりものだけど、素では、かなり甘えん坊みたいだ。王女として育てられて、気を張っていたんだろうけど、そう言う束縛から解き放たれて、自分に取って一番楽な姿になりつつあるんだろう。
夕食を食べながら、セシリアにこれからどんな風になりたいか聞いてみた。自分には、体力とか筋力がないから諦めているけど、本当は、帝国の竜人騎士団が持っているようなバトルアックスのような、大きな武器を振り回し、一騎当千の戦いをする騎士の姿に憧れがあったようだ。ただ、自分にはそういう才能はないので、魔法の能力を磨いて、自分の生きる力をつけるのが、いいのかもしれないと考えているようだ。
今夜にでも、体術、斧術、物理攻撃耐性でも付加してあげよう。
その後、マリアが、セシリアの洋服を作ると言うので、5人で、マリアの作業部屋に行った。その間に俺は、帝都郊外にいる元王妃の所へ行ってみた。思ったほど警備は厳重ではなくすんなり中に入って、元王妃と対面した。セシリアの近況を話して上げた。
「そうか、セシリアは、皇帝の遺骸を見たのか。わらわも最後に会っておきたかったの。忌むべき魔族とは言え3人の子を成した相手じゃからの。わらわの身体も持って数ヶ月じゃろう。随分、毒が身体に回っておるようじゃ。」
「皇帝が安置されている場所に行くことはできるぞ。」
「いや、それはいい。魔族に戻った姿を見ても、せんなきことじゃ。」
「望むなら、お前も逃がすことはできるぞ。」
「それも遠慮しておこう。わらわの役目は、忌まわしい帝国の歴史に終止符を打つことじゃ。2人の王子は不憫じゃが、帝国を生きながらえさせるため、わらわと一緒に消えて貰おう。その後の帝国をどうするかは、残った者が考えるじゃろう。わらわの役目は、帝国の皇族から、魔族を完全に排除することじゃ。」
「お前の生き方に俺は口を出せないし、何かをさせることもできない。ただ、セシリアが自分の人生を生きたいと望む限り、俺の全てを持って守ってやる。」
「それだけ聞けたら、安心じゃ。あの子は聡い子じゃから、自分の血を忌み嫌い、生きる気力を無くすかもしれんと、それだけが心配じゃったが、お主に預けて正解じゃった。あの子のことよろしく頼む。」
「ただこれだけは言っておく。お前は帝国を残すために、自分の命、王子の命を断とうとしているが、もし将来、帝国がセシリアのことに気が付き、セシリアに害を成そうとすれば、俺は躊躇わず帝国をこの地から消し去るからな。」
「お主なら、それができるのじゃろうな。ともあれ、まもなくセシリア元帝国第一王女は病死することになる。わらわの全てをかけて、完全に死亡させよう。セシリアが帝国に目をつけられることは万に一つもあるまい。」
その数日後、王女が幽閉先で死亡したことが公式に発表された。俺はそのやり取りを現場、帝城で確認し、ひとまずセシリアの身の安全は保たれたと判断した。ちなみに、舞衣の件もその過程で情報が得られたが、隷属魔法を掛けていた皇帝が死亡した以上、舞衣が生き残っていることはないと判断され、舞衣の捜索の密命はすでに取り消されていた。
そんな訳で、舞衣、セシリアの身の危険がなくなったと判断し、次の冒険のために動き出した。セシリアの能力値も順調に進んだし、5人の新しいフォーメーションでの連携訓練も進めることにしたのだ。
露天の湯船に浸かりながら、いつものように6人で今後のことを話し合った。
「セシリアも随分、戦闘に自信がついてきたと思う。舞衣も、最近俺と二人の実地訓練でも、戦略などの立て方を含めて、かなり安定してきている。そろそろマリア達5人での連携訓練も実地で始めてもいいと思うけど。」
「リュウにぃにぃ、ボク戦えるかな?ニーナんの動きにも全然ついていけないし、綾ねーねーとの模擬戦も一度も勝ててないし。」
「セシリア以外、みんな俺の能力を受けて、それこそこの森の中の魔物なら単独で戦っても負けないぐらいの力があるからね、セシリアが勝てないのは無理ないよ。でも今大切なのは、皆で戦う時の連携する力なんだよ。自分が出来ること、自分の持ってる力を精いっぱい発揮して、個人で戦う時の力の何倍もの力を出せる訓練をしておいた方がいいと思うんだ。例えば、帝国の皇帝が魔族であったように、この大陸にまた魔族がやってこないとは限らないだろう?もうすでに他の魔族がいるかもしれない。あるいは、今俺達が住んでいるこの辺りは、もともと竜の住処だったところだ。戦う前にその竜と話をしたけど、アルスラン王国の王祖と戦った竜らしい。そう言う生き物がこの大陸にはいるし、もっと強い生き物がいる可能性もある。俺が力を求め皆を鍛えているのは、そうしたものが現れても、対応できるようになって欲しいからだよ。自分一人の力は弱いかもしれないけど、皆と一緒なら頑張れるし、強くなれるだろう?」
そんな話をして、魔物の森探検を始めることにした。この決定が、この大陸に来て、一番の厄介事に巻き込まれるきっかけになるとはこの時には全く思わなかったけど。
「よし、じゃあ今度は、マリア、セシリアが前衛、綾が中衛、ニーナが後衛で、舞衣がニーナを守りながらの全体指揮。こんな感じでいってみよう。洞窟の中には、約50体ほどのブラックタランチュア。最奥にマザータランチュアがいる。洞窟内部の構造は各自は把握できてるだろう?じゃあ、戦略については、フォーメーション以外は俺からは指示しないから、自分たちで攻略方法を考えてみて。」
今は自由都市連邦側にある、魔物の森の中にある洞窟内の魔物との戦闘を前にミーティングを始めたところだ。魔物の森の実地訓練も随分とこなして、セシリアの能力も随分上がった。今日は攻撃と防御が一番安定しているフォーメーションで、限られた狭い空間での戦闘訓練のため、ちょうどいい魔物の巣があったので殲滅することにした。
俺は洞窟の入り口に陣取って、洞窟内に入っているマリア達の様子を神息と神眷族のスキルをつかって、リアルタイムに状況を確認していた。危なくなれば、俺が瞬時に転移してフォーローできるので、今回は何も口を出さずに様子をみていた。勿論、洞窟周囲にも神覚をかけていたし、魔物の襲撃には備えていたけれども、洞窟内の観察に気を取れれていたことと、若干油断もあったのかもしれないけど、この洞窟にやってくる一団に相手から視認できる距離まで気付かなかった。本当はその距離でも通常の種族なら俺の存在を視認できなかったと思うけど、相手がエルフの一団であったため、視認され俺に対する敵対ないし警戒をしている存在の反応である警告が出るまで気がつかなかった。
今、洞窟内に隠れても変に誤解されるし、マリア達が最後の獲物であるマザータランチュアと戦っているところだったので、急にどこかに隠れることもできなかったのだ。
間もなくエルフの一団が洞窟の前に到着した。マリア達には状況を説明して、取り敢えず、倒した魔物をアイテムボックスに収納させて、洞窟内で、待機するように言っておいた。
「お前は何者だ。わがエルフ王国の領土内で何をしている?」
へっ、ここってどこかの国の領土だったの?でも、ずっと魔物の森が続いてるし、境界線になるような地形とか、ましてや人工建造物とかなかったけどな。態度も横柄だしな。
「エルフ王国の領土?いつからこの森がエルフ王国の領土になったんだ?」
「何を、下郎が。魔物の森は、全て森の守り手であるエルフの領土と決まっておる。」
「あほか、勝手に領土を決めるんじゃねぇ。守りたいなら、城壁で囲ってしっかり魔物退治でもしろ。」
「なな、なんと、礼儀を知らん、人間風情が・・・」
相手は、お揃いの軽甲冑に身を包んだ15人。ざっと見た感じ、多少、魔法が使えて、エルフの特性なのか、夜目スキルと、弓スキルが高い。遠距離攻撃の間合いに留まっているのも彼らの戦い方なんだろう。一番偉そうにしているやつ以外のエルフも罵声を浴びせてきた。
「言っておくけど、俺に罵声を浴びせるぐらいまでなら見逃してやるけど、俺に攻撃を向けるなよ、命の保証はないからな。」
洞窟内に待ってるように指示していたマリア達が洞窟内から出てきた、お怒りモードだ。さっきの罵声を聞かれたかな。マリアの怒りMAXモードなんていつぶりだろう。そんなことをぼんやり考えてしまって、一瞬反応が遅れてしまった。って言うか、やつらに警告しとかないといけなかった。
「ふん、女子供を引き連れおって。軟弱者めが。亜人と、はっ、忌子じゃねえか。どこの族から出たんだ、エルフの面汚しめ。」
後ろの奴らからも嘲笑の声が漏れた。
考える間もなく、そいつをぐしゃっと潰してしまった、重力魔法で。
「馬鹿が。俺に浴びせる罵声なら許してやったけど、妻に対する言葉は一言でも許さない。生きてる価値がないよ。お前ら。」
目の前で隊長みたいな奴がつぶされて、硬直していた奴らが俺の言葉で、はっとなって反撃しようと行動を起こす前に、俺の後ろから飛び出した5人に瞬殺された。
「リュウに敵意を見せる奴は許さない。」
「お兄ちゃんを馬鹿にするやつ、死ね。」
「リュウ兄の敵は、抹殺。」
「リュウくんが許しても、うちが許さへん。」
「リュウにぃにぃの敵は、滅殺。」
「あーごめんな。皆にいらんことさせてしまって。もう少し丁寧に話しておけばよかったなぁ。ちょっと冷静さを欠いてた。」
「そんなことないよ、リュウ。こいつらは、死んで当然だよ。リュウに攻撃仕掛けようとしてたもん。そのまま逃げればよかったのに。」
まあ気分悪いけどな。そう言って、取り敢えず、そいつらの装備全部回収してる時に、念話石を見つけた。やばー。こいつらどっかと連絡取ってたよな。こっちの名前は言ってないけど、こいつらを始末したのは、知られたかもしれない。バックレるのが一番かな。面倒だな。エルフの国潰しておくか?なんてことを思いながら、取り敢えず、家に帰ることにした。まあ、森の中まで追いかけてはこないだろう、きっと。
でも、あのリーダーっぽかったやつの称号がなぁ。やっぱり、厄介事になるよなぁ。
夕食を食べながら、セシリアにこれからどんな風になりたいか聞いてみた。自分には、体力とか筋力がないから諦めているけど、本当は、帝国の竜人騎士団が持っているようなバトルアックスのような、大きな武器を振り回し、一騎当千の戦いをする騎士の姿に憧れがあったようだ。ただ、自分にはそういう才能はないので、魔法の能力を磨いて、自分の生きる力をつけるのが、いいのかもしれないと考えているようだ。
今夜にでも、体術、斧術、物理攻撃耐性でも付加してあげよう。
その後、マリアが、セシリアの洋服を作ると言うので、5人で、マリアの作業部屋に行った。その間に俺は、帝都郊外にいる元王妃の所へ行ってみた。思ったほど警備は厳重ではなくすんなり中に入って、元王妃と対面した。セシリアの近況を話して上げた。
「そうか、セシリアは、皇帝の遺骸を見たのか。わらわも最後に会っておきたかったの。忌むべき魔族とは言え3人の子を成した相手じゃからの。わらわの身体も持って数ヶ月じゃろう。随分、毒が身体に回っておるようじゃ。」
「皇帝が安置されている場所に行くことはできるぞ。」
「いや、それはいい。魔族に戻った姿を見ても、せんなきことじゃ。」
「望むなら、お前も逃がすことはできるぞ。」
「それも遠慮しておこう。わらわの役目は、忌まわしい帝国の歴史に終止符を打つことじゃ。2人の王子は不憫じゃが、帝国を生きながらえさせるため、わらわと一緒に消えて貰おう。その後の帝国をどうするかは、残った者が考えるじゃろう。わらわの役目は、帝国の皇族から、魔族を完全に排除することじゃ。」
「お前の生き方に俺は口を出せないし、何かをさせることもできない。ただ、セシリアが自分の人生を生きたいと望む限り、俺の全てを持って守ってやる。」
「それだけ聞けたら、安心じゃ。あの子は聡い子じゃから、自分の血を忌み嫌い、生きる気力を無くすかもしれんと、それだけが心配じゃったが、お主に預けて正解じゃった。あの子のことよろしく頼む。」
「ただこれだけは言っておく。お前は帝国を残すために、自分の命、王子の命を断とうとしているが、もし将来、帝国がセシリアのことに気が付き、セシリアに害を成そうとすれば、俺は躊躇わず帝国をこの地から消し去るからな。」
「お主なら、それができるのじゃろうな。ともあれ、まもなくセシリア元帝国第一王女は病死することになる。わらわの全てをかけて、完全に死亡させよう。セシリアが帝国に目をつけられることは万に一つもあるまい。」
その数日後、王女が幽閉先で死亡したことが公式に発表された。俺はそのやり取りを現場、帝城で確認し、ひとまずセシリアの身の安全は保たれたと判断した。ちなみに、舞衣の件もその過程で情報が得られたが、隷属魔法を掛けていた皇帝が死亡した以上、舞衣が生き残っていることはないと判断され、舞衣の捜索の密命はすでに取り消されていた。
そんな訳で、舞衣、セシリアの身の危険がなくなったと判断し、次の冒険のために動き出した。セシリアの能力値も順調に進んだし、5人の新しいフォーメーションでの連携訓練も進めることにしたのだ。
露天の湯船に浸かりながら、いつものように6人で今後のことを話し合った。
「セシリアも随分、戦闘に自信がついてきたと思う。舞衣も、最近俺と二人の実地訓練でも、戦略などの立て方を含めて、かなり安定してきている。そろそろマリア達5人での連携訓練も実地で始めてもいいと思うけど。」
「リュウにぃにぃ、ボク戦えるかな?ニーナんの動きにも全然ついていけないし、綾ねーねーとの模擬戦も一度も勝ててないし。」
「セシリア以外、みんな俺の能力を受けて、それこそこの森の中の魔物なら単独で戦っても負けないぐらいの力があるからね、セシリアが勝てないのは無理ないよ。でも今大切なのは、皆で戦う時の連携する力なんだよ。自分が出来ること、自分の持ってる力を精いっぱい発揮して、個人で戦う時の力の何倍もの力を出せる訓練をしておいた方がいいと思うんだ。例えば、帝国の皇帝が魔族であったように、この大陸にまた魔族がやってこないとは限らないだろう?もうすでに他の魔族がいるかもしれない。あるいは、今俺達が住んでいるこの辺りは、もともと竜の住処だったところだ。戦う前にその竜と話をしたけど、アルスラン王国の王祖と戦った竜らしい。そう言う生き物がこの大陸にはいるし、もっと強い生き物がいる可能性もある。俺が力を求め皆を鍛えているのは、そうしたものが現れても、対応できるようになって欲しいからだよ。自分一人の力は弱いかもしれないけど、皆と一緒なら頑張れるし、強くなれるだろう?」
そんな話をして、魔物の森探検を始めることにした。この決定が、この大陸に来て、一番の厄介事に巻き込まれるきっかけになるとはこの時には全く思わなかったけど。
「よし、じゃあ今度は、マリア、セシリアが前衛、綾が中衛、ニーナが後衛で、舞衣がニーナを守りながらの全体指揮。こんな感じでいってみよう。洞窟の中には、約50体ほどのブラックタランチュア。最奥にマザータランチュアがいる。洞窟内部の構造は各自は把握できてるだろう?じゃあ、戦略については、フォーメーション以外は俺からは指示しないから、自分たちで攻略方法を考えてみて。」
今は自由都市連邦側にある、魔物の森の中にある洞窟内の魔物との戦闘を前にミーティングを始めたところだ。魔物の森の実地訓練も随分とこなして、セシリアの能力も随分上がった。今日は攻撃と防御が一番安定しているフォーメーションで、限られた狭い空間での戦闘訓練のため、ちょうどいい魔物の巣があったので殲滅することにした。
俺は洞窟の入り口に陣取って、洞窟内に入っているマリア達の様子を神息と神眷族のスキルをつかって、リアルタイムに状況を確認していた。危なくなれば、俺が瞬時に転移してフォーローできるので、今回は何も口を出さずに様子をみていた。勿論、洞窟周囲にも神覚をかけていたし、魔物の襲撃には備えていたけれども、洞窟内の観察に気を取れれていたことと、若干油断もあったのかもしれないけど、この洞窟にやってくる一団に相手から視認できる距離まで気付かなかった。本当はその距離でも通常の種族なら俺の存在を視認できなかったと思うけど、相手がエルフの一団であったため、視認され俺に対する敵対ないし警戒をしている存在の反応である警告が出るまで気がつかなかった。
今、洞窟内に隠れても変に誤解されるし、マリア達が最後の獲物であるマザータランチュアと戦っているところだったので、急にどこかに隠れることもできなかったのだ。
間もなくエルフの一団が洞窟の前に到着した。マリア達には状況を説明して、取り敢えず、倒した魔物をアイテムボックスに収納させて、洞窟内で、待機するように言っておいた。
「お前は何者だ。わがエルフ王国の領土内で何をしている?」
へっ、ここってどこかの国の領土だったの?でも、ずっと魔物の森が続いてるし、境界線になるような地形とか、ましてや人工建造物とかなかったけどな。態度も横柄だしな。
「エルフ王国の領土?いつからこの森がエルフ王国の領土になったんだ?」
「何を、下郎が。魔物の森は、全て森の守り手であるエルフの領土と決まっておる。」
「あほか、勝手に領土を決めるんじゃねぇ。守りたいなら、城壁で囲ってしっかり魔物退治でもしろ。」
「なな、なんと、礼儀を知らん、人間風情が・・・」
相手は、お揃いの軽甲冑に身を包んだ15人。ざっと見た感じ、多少、魔法が使えて、エルフの特性なのか、夜目スキルと、弓スキルが高い。遠距離攻撃の間合いに留まっているのも彼らの戦い方なんだろう。一番偉そうにしているやつ以外のエルフも罵声を浴びせてきた。
「言っておくけど、俺に罵声を浴びせるぐらいまでなら見逃してやるけど、俺に攻撃を向けるなよ、命の保証はないからな。」
洞窟内に待ってるように指示していたマリア達が洞窟内から出てきた、お怒りモードだ。さっきの罵声を聞かれたかな。マリアの怒りMAXモードなんていつぶりだろう。そんなことをぼんやり考えてしまって、一瞬反応が遅れてしまった。って言うか、やつらに警告しとかないといけなかった。
「ふん、女子供を引き連れおって。軟弱者めが。亜人と、はっ、忌子じゃねえか。どこの族から出たんだ、エルフの面汚しめ。」
後ろの奴らからも嘲笑の声が漏れた。
考える間もなく、そいつをぐしゃっと潰してしまった、重力魔法で。
「馬鹿が。俺に浴びせる罵声なら許してやったけど、妻に対する言葉は一言でも許さない。生きてる価値がないよ。お前ら。」
目の前で隊長みたいな奴がつぶされて、硬直していた奴らが俺の言葉で、はっとなって反撃しようと行動を起こす前に、俺の後ろから飛び出した5人に瞬殺された。
「リュウに敵意を見せる奴は許さない。」
「お兄ちゃんを馬鹿にするやつ、死ね。」
「リュウ兄の敵は、抹殺。」
「リュウくんが許しても、うちが許さへん。」
「リュウにぃにぃの敵は、滅殺。」
「あーごめんな。皆にいらんことさせてしまって。もう少し丁寧に話しておけばよかったなぁ。ちょっと冷静さを欠いてた。」
「そんなことないよ、リュウ。こいつらは、死んで当然だよ。リュウに攻撃仕掛けようとしてたもん。そのまま逃げればよかったのに。」
まあ気分悪いけどな。そう言って、取り敢えず、そいつらの装備全部回収してる時に、念話石を見つけた。やばー。こいつらどっかと連絡取ってたよな。こっちの名前は言ってないけど、こいつらを始末したのは、知られたかもしれない。バックレるのが一番かな。面倒だな。エルフの国潰しておくか?なんてことを思いながら、取り敢えず、家に帰ることにした。まあ、森の中まで追いかけてはこないだろう、きっと。
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