転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
20 / 48
1章 赤ん坊生活 0〜3歳

お部屋割り決定

しおりを挟む
-side アクシア-



「おおーーっ!」


 秘密基地の場所についた!
 だけど、周りの様子は昨日とは全然違っている。安全な柵が強化され、景観も良くなった。昨日あのあと、家の人たちが色々やってくれたみたいだ。もはや、公然の秘密基地って感じかも?


 使用人の人たちの仕事を増やしてしまって申し訳ないけど、うれしい!その事を既に俺たちよりも先に着いて色々やっていたエリックに伝える。


「いえいえ、元々家の新たな施設を作る事に関しては、旦那様の指示ですから。仕事が増えたわけではありませんよ」
「でも、ありがとっ!でも、疲れたでしょう?いっぱい休んで欲しいって、パパに言っておく」
「ふふっ……!お気遣い感謝いたします。そうですね、ぜひそうしていただけると使用人一同喜ぶと思います」


 見ると、使用人の方々がギラギラした目でこちらを見ていた。やっぱり、みんなお休みは欲しいよね!うちの仕事、結構ブラックそうだもん。雇用先のトップに直接意見が言える存在は貴重だろう。みんな存分に頼ってほしいよね。ちゃんと仕事もして欲しいから言わないけれど。


「うん!約束!」


 とりあえず、このことはパパにとりあえず言っておいてあげよう。


「はあはあはあ……やっと追いついた」
「ぜえはあ……ぜえはあ……」


 さて、それはそれとして。フィル兄とテオ兄もついたので、二人にお茶を出して休憩でもしながら、本題に入ろうか。そう思って、エリックを振り返るとすぐにシュタイン家から支給される亜空間収納袋--マジックバックからすぐに椅子と紅茶をセットしてくれる。流石有能執事だ。


「お部屋割りどうするかで悩んでるんだー」
「ふーん」
「ねえ、アクシア……」
「んーー?」
「その……俺の部屋ももらっていいか?」
「いいよー」
「僕の部屋もよろしく」
「わかったー!」


 お兄様達はそう答えると目をキラキラさせてガッツポーズをしている。ふふっ……俺が昨日、秘密基地を作っていたのを見てお兄様たちも興味津々だったようだ。みんなで一緒の基地で遊ぶのもいいねー。


「では、地上に近い部分は、皆様のお部屋にいたしましょうか。出入りが簡単な方が良いですからね」
「そうだねー」


 お昼寝するスペースと、みんなで遊べるペース、ご飯を食べるスペース、ご飯を研究するスペース、食材倉庫、家庭菜園ができる場所かな?


「それくらいですね。あとはお手洗いの場所とシャワールーム、洗面所、物置、使用人室なども必要でしょう?」
「そっかー」


 確かに使用人の人がいると色々便利だから部屋があると助かるけど、うーむ……、秘密基地だからなるべく人数は少ない方がいい。
 でも、ここで俺がごねてなくなったとしたら、使用人の人たちの負担が大変なことになるだろう。
 うーん、うーん、と俺が悩んでいると、エリックが察してくれた。


「では、こうしましょう。使用人室ではなくて、私の部屋という事にしてくれませんか?」
「むむ?」
「秘密基地に私の部屋をくださいませんか?アクシア様」
「えっ……!?」


 ふむ?つまり、使用人ではなく、エリックに与えるという名目だと秘密基地らしさが残るか。なるほどー。そっちの方が全然いいね!
 

「わかったー」
「ありがとうございます。ではそのように2階はとりあえず、フリースペースにして、後で考えましょう」
「はーい」


 そんな感じの結論が決まると、青龍様ぱぱっと部屋の仕切りを作り、使用人の人たちがやってきて、秘密基地っぽい遊ぶお部屋が出来たのだった。やったー!


---------------------------------------
-1章完-
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

処理中です...