転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
21 / 48
2章3〜4歳

狩りに行こう

しおりを挟む
-side アクシア-



 秘密基地が無事に出来てから、俺は毎日お外で遊ぶようになった。ちなみに今はフィル兄とテオ兄はお勉強中なので青龍様と使用人のエリックの3人だけである。


「青龍様!」
「なんだ?」
「青龍様って普段どんな感じで狩りをしているの?」


 青龍様と遊んでいると、ふとそんな疑問が思い浮かんだ。なんせ、青龍様が来てからというもの、家のご飯が美味しいのだ!今までも美味しかったけれど、さらに絶品!レア食材を色々狩ってきてくれているらしいんだよね。パパとママがいっつも青龍様に感謝している。

 
「おー、そういえば前にお主に魔法を教えると言っておったな。もうそろそろ、一緒に狩りにでもいくか」
「むー?」


 むむっ……!大きくなったとはいえ、もうすぐ3歳。狩りって危険じゃないのかな?いまだにおっとっとって、転んじゃったりするんだけど。あれ痛いんだよね、いつも涙が出てきちゃう。


「なーに、攻撃面は心配いらぬ。魔法で倒せば平気だのう。我が結界を張っておいてやれば、防御面でも心配はいらぬ。優秀な護衛もいるだろうしのう」
「ふーむ?」


 そう言って、青龍様はエリックの方を見る。すると、彼は目をキラキラとさせてこちらをみていた。


「どしたの?エリック?」
「アクシア様!ついに、狩りに出られるとのこと。是非私に護衛をさせていただきたいのです」
「う、うん……。元からそのつもり」
「うっし……!」


 エリックはガッツポーズをしている。 
 そんなに嬉しいことかな?俺、結構平和に過ごしたい方の人間だから、わざわざ魔物を倒すところに行くメリットがわからないや。
 あっ……!そういえば、エリックを鑑定した時、戦闘狂だと描いてあった気がする。魔物と戦いたくてきたのに、きっと、今まで俺のお世話ばかりして、退屈だったのだろう、少し申し訳なくなってくる。


「エリック。ごめん、今まで俺のお世話ばかりでつまらなかったよね」


 気遣いが出来ずにごめんね。謝んないとと思いぺこりとお辞儀をする。


「なーにを仰いますか。正直なところ、最初は確かにつまらないのかもと思いましたが、今はアクシア様が強くなっていく日々を眺めていくのは私にとって最高の日常になっています。みてて飽きませんからねえ!もっと、強くなりましょう!」


 あっ……、この狂人、斜め上の方向に進化してしちゃったのかも。なんか、歪めちゃった感あるけど、気にするのはやめよう。今が退屈していないんだったらそれが一番だよねー。


「それで、話を戻すと狩りはどんな魔物を倒したらいいの?」
「そうだのう、いきなり食べれそうな魔物を倒すというよりはスライムやゴブリンを倒すのが良いと思うのう」
「そっかー」
「そうですね。初心者には安心でしょう。ただし、ここは魔境です。スライムと言っても一筋縄ではいきませんよ、アクシア様」


 気を引き締めないととゴクリ……、と息を呑む。なんだかんだで、この世界に来てから初めて魔物を見る。ドキドキワクワクと高揚感に胸を膨らませながら、狩りの準備をするのだった。


-----------------------------
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...