転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

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2章3〜4歳

魔法の伝授

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-side アクシア-


「あっ……!スライムだーー!かわいい!」
「そうだろう。だが、あれでも魔物なのだ。気をつけるが良い」
「分かったーー!」
「私が付いていてそんな事は起こらないので、大丈夫でしょうけれど、万が一というのもありますからね。しっかりと警戒をしてください」
「はーーい!」


 スライム--それは最弱の魔物である。
 プルンプルンの透き通った水色のゼリーのような体をした魔物である。
 か、かわいい……。癒される。
 思わず、ジトーーっと動きを目で追ってしまう。歩くのもノロノロしていて、弱そう。
 確かにこれなら3歳の俺でも倒せそう。
 えいっ!やあ!とおっ!
 スライムを倒すのをイメージして、試しにその場で素振りをしてみる。
 ふふん!悪くないのではないだろうか?


「お上手です!」
「だよねーー!具体的にどの辺が?どの辺が?」
「えっ……!?えーっと、そうですね、その気迫溢れる“えいっ!”って感じがすごいです!」
「んーー?……なんか浅くない?」
「うっ……」


 んーー?エリック怪しい……。
 とりあえず、褒めとけばいいやみたいな感覚で褒めてなーい?
 ジトーーー。


「……ふむ。お主ら少しいいか」


 エリックとそんなやりとりをしていると、青龍様がやってきた。


「むー?なにー?」
「この前も言っていた事だがな、スライムの倒し方を説明する前に、我の魔法を少し、お主に伝授したいのだがどうだ?」
「えっ!?本当?やったーー!!」


 ついに、青龍様が魔法を教えてくれるらしい!この前、秘密基地の建設で見た時は凄かったもんなーー!
 どんなの教えてくれるんだろう!
 わくわく、わくわく!


「我の前へ来い」
「うん」
「そのまま、頭をごっつんこさせるのだ」
「はーい」


 青龍様は頭を地面につけて前に屈んでいた。青龍様と俺との頭をぴったんこすると、--ピカーーおでこが光る。
 暖かい優しい光だ。


「今ので、お主に現在教えられる基本的な魔法の伝授が終わった。おそらく、我の魔法の一部が使えるようになっているはずだ。魔法は必要に応じて頭の中で自然と思い浮かぶようになっている」
「ふぇっ!?」
「はっ……?」


 新しい魔法を覚えるって、そんな簡単なの!?--と思ったけれど、エリックも驚いているから、やっぱり普通じゃないみたい。


 新しい魔法……、覚えているかな?
 確かに、ぽかぽかと身体中にめぐる魔力を感じる。なんとなくだけれど魔法の使い方も分かる気がする。
 早速、放ってみたいな!


「よっし!」
「あー待つのだお主」
「んーー?」
「くれぐれも……、くれぐれも、スライムがいる方向へ魔法を放つのではない、そうだな……、あの森とか」
「むーー?なんでー?」
「やればわかる」
「ふーん、分かったー」


 俺は、そのまま体の向きを変え、言われた通りに森へと魔法を放つことにした。
 青龍様に教えてもらった魔法で、特に威力の高い魔法は……、これかな?“深淵の業火”


「えいっ」


 --どっかーーーーん!


「「「あっ・・・(察し)」」」


 ちょっとした災害規模の大爆発。
 あたり一面の森が焼き払われ、更地に。
 今の音でスライムさんたちが驚いて、一目散に逃げて隠れてしまった。
 大変だー!


 後日、成人するまで、青龍様に魔法は封印しておくことが家族会議で決まったのであった。


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