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2章3〜4歳
変異種テイムッ!
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-side アクシア-
「スライムか……」
「どうしたのー?フィル兄?」
「なんでもない」
今日は待ちに待ったフィル兄がスライムさんをテイムする日。だけれど、フィル兄は浮かない表情をしてるんだよね。
なんでー。
「アクシア、こっち」
「……?」
そんなことを思っていると気の利くテオ兄が俺の腕を引っ張ってフィル兄から距離を置き、耳元で囁いた。
「フィル兄はおそらく落ち込んでいる」
「そーなの?」
「うん」
「なんで?」
「最初のテイムでスライムをテイムしないといけないから」
「むー?」
それがなんで落ち込むことに関係あるんだろー?
「ほら、スライムって最弱の魔物だろ?普通最初にテイムするなら鳥系の賢い魔物が主流なんだ。その方が感覚共有したりするのが簡単だからテイマーの勉強になりやすいね」
「そうなんだー」
「そそ、だから、落ち込んでる」
「へー」
スライム、可愛いから良いと思うんだよね。なんというか、フィル兄のほのぼのとした雰囲気にぴったりだ。
「次期領主としては、それじゃダメだと気負ってるんでしょ。全く、他の兄弟は兄さんに領主の地位押し付けたくて仕方がないって言う連中だから気負わなくても良いのにね」
「へー」
そーなんだ。
まだ、エスター兄とベッキー姉にはあった事がないが、全く領主の座に興味らしい。
俺?あるわけないじゃーん!将来は冒険者になって、冒険行きたいもん!
「難しい問題だけれど、これもパパとママが用意した課題なのかもね」
「ふーん」
少年よ!悩め悩めって事かな?
むむむむむっ……!いや、そんなこと絶対あのパパとママが考えてるわけない。絶対、俺と同じでフィル兄に似合いそうとかいう理由でスライム選んでると思う!
「だから、そっとしとくのが一番だよ」
「ふーん、スライム……、フィル兄にお似合いだと思うんだけどな……」
「それ、絶対に本人の前で言っちゃダメだよ」
「はーい」
なんだか暗い雰囲気で気を使うなー。
明るい話題があれば良いんだけれど。
お?あのスライム!透き通った透明な色をしている、めっちゃ綺麗!
あ、そーだ!
「見てみて!テオ兄!」
「んー?」
「あれ!フィル兄にぴったりそうなスライム!!あれがいい!」
「あれか、確かにきれいそうだね」
だよねだよね!きっとフィル兄も喜んでくれるはず!
「ほーう、あれは変異種ではないか」
「むー?」
青龍様が後ろからヌルッと顔を出してきてそう答えた。
変異種?どういうこと?
「同種の魔物の中でたまに生まれてくるイレギュラーな性質を持った魔物だな。多くの場合、特殊な能力を持つとされている」
「むー?難しい」
「まあ、簡単にいうとすごいスライムということだ」
「へー、どこがー?」
「知らん」
「へ?」
「我はスライムなど矮小な魔物などには興味ないのだ。我最強なので」
「むーー!!」
ちょっとは興味もてー!ぷんぷん!そんなこと言ってのんべんだらりと過ごしていると、いつか痛い目見るんだからね!人のこと言えないけどっ!ペチペチと青龍様を叩く。
「むむっ……!分かった!分かったから暴れるな!後で調べれば良いのだろう、どうせテイムするのだから」
「あ、そうだね、じゃあ、フィル兄に知らせちゃおっか!」
その後、無事フィル兄は変異種のスライムをテイムできたのだった。
「テイム!」って唱える時のフィル兄、かっこよかったなー!
-------------------------
「スライムか……」
「どうしたのー?フィル兄?」
「なんでもない」
今日は待ちに待ったフィル兄がスライムさんをテイムする日。だけれど、フィル兄は浮かない表情をしてるんだよね。
なんでー。
「アクシア、こっち」
「……?」
そんなことを思っていると気の利くテオ兄が俺の腕を引っ張ってフィル兄から距離を置き、耳元で囁いた。
「フィル兄はおそらく落ち込んでいる」
「そーなの?」
「うん」
「なんで?」
「最初のテイムでスライムをテイムしないといけないから」
「むー?」
それがなんで落ち込むことに関係あるんだろー?
「ほら、スライムって最弱の魔物だろ?普通最初にテイムするなら鳥系の賢い魔物が主流なんだ。その方が感覚共有したりするのが簡単だからテイマーの勉強になりやすいね」
「そうなんだー」
「そそ、だから、落ち込んでる」
「へー」
スライム、可愛いから良いと思うんだよね。なんというか、フィル兄のほのぼのとした雰囲気にぴったりだ。
「次期領主としては、それじゃダメだと気負ってるんでしょ。全く、他の兄弟は兄さんに領主の地位押し付けたくて仕方がないって言う連中だから気負わなくても良いのにね」
「へー」
そーなんだ。
まだ、エスター兄とベッキー姉にはあった事がないが、全く領主の座に興味らしい。
俺?あるわけないじゃーん!将来は冒険者になって、冒険行きたいもん!
「難しい問題だけれど、これもパパとママが用意した課題なのかもね」
「ふーん」
少年よ!悩め悩めって事かな?
むむむむむっ……!いや、そんなこと絶対あのパパとママが考えてるわけない。絶対、俺と同じでフィル兄に似合いそうとかいう理由でスライム選んでると思う!
「だから、そっとしとくのが一番だよ」
「ふーん、スライム……、フィル兄にお似合いだと思うんだけどな……」
「それ、絶対に本人の前で言っちゃダメだよ」
「はーい」
なんだか暗い雰囲気で気を使うなー。
明るい話題があれば良いんだけれど。
お?あのスライム!透き通った透明な色をしている、めっちゃ綺麗!
あ、そーだ!
「見てみて!テオ兄!」
「んー?」
「あれ!フィル兄にぴったりそうなスライム!!あれがいい!」
「あれか、確かにきれいそうだね」
だよねだよね!きっとフィル兄も喜んでくれるはず!
「ほーう、あれは変異種ではないか」
「むー?」
青龍様が後ろからヌルッと顔を出してきてそう答えた。
変異種?どういうこと?
「同種の魔物の中でたまに生まれてくるイレギュラーな性質を持った魔物だな。多くの場合、特殊な能力を持つとされている」
「むー?難しい」
「まあ、簡単にいうとすごいスライムということだ」
「へー、どこがー?」
「知らん」
「へ?」
「我はスライムなど矮小な魔物などには興味ないのだ。我最強なので」
「むーー!!」
ちょっとは興味もてー!ぷんぷん!そんなこと言ってのんべんだらりと過ごしていると、いつか痛い目見るんだからね!人のこと言えないけどっ!ペチペチと青龍様を叩く。
「むむっ……!分かった!分かったから暴れるな!後で調べれば良いのだろう、どうせテイムするのだから」
「あ、そうだね、じゃあ、フィル兄に知らせちゃおっか!」
その後、無事フィル兄は変異種のスライムをテイムできたのだった。
「テイム!」って唱える時のフィル兄、かっこよかったなー!
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