転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

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2章3〜4歳

フリスビー目当ての四神獣が二

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-side アクシア-


「あなた達、そのボールはどこで手に入れたの?」


 ……こ、怖い。
 今俺たち兄弟は、3時のお休みに遊びの様子をパッパと一緒に見に来てくれたママンに、ギラギラした目でこちらをみられている。
 ママンはさっきまで遊んでいたキラキラとしたボールを見て興味津々である。
 確かに俺たちが持っているボールはダイヤみたいにキラキラでとても綺麗だ。俺たちは泥だらけの一方、スラさんボールには傷一つついていない。


「スライムさんの体液で作った!」
「作った!?へー?スライムの体液でねえ?」


 ママは面白そうに、そしてちょっと信じてなさそうに俺の頭をなでなでしながら返答する。


「本当です!母上!スライムの体液を高温で熱したら、ボールに変形できました!」


 フィル兄が説明し、テオ兄もこくこくとテオ兄も頷く。


「みんながそういうんだったら、本当なのだろうな」
「ええ!そうね。あなた。流石神童アクシアよ!こんなものを生み出せるなんて!」
「おちつけ……」
「これが落ち着いていられますか!!これをアクセサリーに加工したらこの領地の運営も少しはましになるのかもしれないのよ!?」
「そりゃそうだが」
「そうと決まれば早速調べなくちゃ!」


 ママが興奮した様子でボールをみている。
 時々、魔法を使ってボールの性能を確かめている。綺麗なボールだからね。アクセサリーにも使えるとかって考えたのかな?研究者みたいでかっこいい。
 パパはやれやれと言った様子でこちらに来る。ああいうママには慣れているみたい。
 

「ちなみに、どんな感じで遊んでたの?遊んでみてよ」
「分かったー」


 パパはどんな感じで遊んでいるかが気になるみたい。職業柄体の動かし方が気になるんじゃないかなー?
 俺たちは広い場所に行ってキャッチボールをする。


「えいっ!」
「やあっ!」
「とぉー!」


 きゃっきゃ、きゃっきゃ!
 フィル兄とテオ兄と一緒にボールで遊んでもらっている。
 たのしー!


「おお!!すごい!あんなに綺麗にはねて、しかも汚れもつかないボールは初めて見た」
「そうね!すごい発明だわ!」


 パパもママも喜んでいる。


「そうだ!さっき新しい遊び道具作ったんだよね!これ!」
「なんだいそれは?」
「フリスビー!投げてキャッチするやつ!ママもパパもやってみよう!」


 こうして、今度はフリスビーをする事になった。みんなで体動かすの楽しー!
 --とそんなお気楽な雰囲気だったのが急に一変した。
 ママは周囲を警戒して、パパは剣を構えている。護衛の人たちは俺たち家族の前に出てきている。


 ざわざわざわざわ……!
 風の流れが変わり、あたりが静かで神秘的な空気になる。
 圧倒的な強者、青龍様に少し似ているのだろうか?そんな気配がする。
 空気は感じるが気配は感じない。
 そんな、なんとも不明瞭な雰囲気を味わう事数分。


「楽しそうですね。私も混ぜてください」
「「「!!???」」」


 みると尻尾を振ってよだれを垂らした白くて大きな美しい虎さんが現れた。


「なんだ?お前か」


 青龍様の知り合いだったの?


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