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第一章
第38話 玉葱の歌
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この話の主な登場人物
カトリーヌ 主人公(わたし)
フランツ 護衛
ヒルダ 家庭教師
デニス 金髪の剣士
コック長
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
わたしたちは晩ご飯のご相伴にあずかった。
「エルザスのような華美な料理ではありませんが」と言ってデニスが饗してくれたのはソーセージ、そしてキャベツの漬け物ザワークラフト、腸詰めをふんだんに使ったポトフだった。
それは落ち着く味だった。
確かに故郷の贅を尽くした料理とは趣が違いはするけれど、その暖かいもてなしは、家を脱出しなければならなかったわたしたちに平穏を与えてくれた。
だから直ぐに好きになった。
まずは腸詰めのソーセージ。
これは肉のいろんな部位が盛り込まれて複雑な味がした。
その肉も荒く挽いたり、さらに細かく包丁を入れたりと見えないけれど手を入れていることが分かる。
それを焼き、ボイルし、スモークで香りをつける。
肉の旨味と食感をあますことなく提供しようとする、そんな心遣いが、この一つの一つの腸詰めには込められている。
その肉脂を堪能した舌をザワークラフトの酸味が引き締めてくれる。
ただのキャベツの発酵漬け物ではなく、強烈な肉の脂の旨味を一度リセットしてくれる重要な存在だ。
これと併せて食べた方が、別のソーセージの風味と味わいがよりハッキリする。
彼の地の人々が、この漬け物を大事にする気持ちが分かった気がする。
そしてポトフ。
これは大地の味する。
いろんな野菜の風味が溶け込んで、力強い、大地の味がした。
それにこれにもふんだんにソーセージが煮込まれ、その肉汁と相まってたくましい味になっている。
疲れたわたしたちにとって、かけがえのない味でもあったのだ。
そのポトフにはもう一つの工夫があった。
それは普通に煮込まれた玉ねぎとは別にローストした玉ねぎが入っていた。
生で煮た玉ねぎは優しい味がした。
そしてローストした玉ねぎは香ばしい甘みがする。
この一つの玉ねぎを二つの味にする調理に、わたしは感心した。
横には給仕のコック長が居て、その彼に、「玉ねぎが美味しい」と伝えたのだ。
「お口に合いましたか」と、壮年のコックがカイゼル髭の両端を持ち上げるようににっこりと微笑んでくれた。
「ええ、とっても」わたしも微笑む。
「よかった。エルザスでは揚げた玉ねぎを良く食すと聞いていたものですから、普通よりも少しだけカリカリにローストして、それをスープに入れてみました。お気にめされたようで何よりです」
そうなのだ。
わたしの祖国エルザスでは、民唱歌として『玉葱の歌』があるほど、揚げた玉ねぎを愛している。
『油で揚げた玉葱がすき。美味しい玉葱が好き』
『丸ごと揚げた玉葱を食べよう。美味しいんだよ』
こんな歌詞だ。
わたしは声に出して歌った。
※日本では『クラリネットこわしちゃった』の歌として伝わっている。
「ジェム ロニョン フリーア リュル」「ジェム ロニョン コディ エ ボン」
『油で揚げた玉葱がすき』『美味しい玉葱が好き』
ヒルダも併せて歌い始める。
「ジェム ロニョン フリーア リュル」「ジェム ロニョン」「ジェム ロニョン」
『油で揚げた玉葱がすき』『玉葱が好き』『玉葱が好き』
さびの部分では、二人して大声で歌った。
「オパ キャマラード パキャマラード パ オ パ オ パ」
『進もう友よ、進もう友よ』『進もう進もう進もう』
歌はいい。
気分を高揚させてくれる。
それを聞いている人たちの顔もほころぶ。
そうやって二番まで歌った。
「ここまでにしておきましょう」と、わたしは三番以降を歌うのを止めた。
ヒルダも心得ているようで、そこで終わる。
「もっと美声を聞かせてください」とデニスがおねだりする。
それをフランツがクスクスと笑う。
そして、「お二人はここで三番以降は歌わない方が良いと判断なされたのですよ」と言った。
「どうしてです」
「この場では相応しくない内容なんだ」
「それはどんな」とデニスが食いついてくる。
好奇心が全面に出ていた。
「本来ならば二番までの歌なのだけど、それをある目的で三番以降を足してしまった」
「ぜひ、それをお教えください」
「それではわたしが。でも、歌を聴いて決して怒らないでほしい」とフランツが三番を歌い始める。
「メ パ ドニョン ジャフ マ ニッキ」「ノ パ ドニョン ア トゥ セ シャン」
『だけどゲルマン人にやる玉葱はない』『狗どもにやる玉葱はないぞ』
そう歌い始める。
「メ パ ドニョン ジャフ マ ニッキ」「ノ パ ドニョン ア トゥ セ シャン」
『だけどゲルマン人にやる玉葱はない』『奴らにやる玉葱はないぞ』
次の歌詞も同じ内容の繰り返しだ。
そしてさびの部分になる。
「オパ キャマラード パキャマラード パ オ パ オ パ」
『進もう友よ、進もう友よ』『進もう進もう進もう』
それを聞いたデニスとコックは口をあんぐりとあけ、その後に大声で笑った。
「あっはっはっはっ、これはいい」
デニスが楽しそうに笑う。
「これはしてやられましたわい。確かに玉ねぎを食べられてしまった」と、こっちはコック長が額に手を当てて身体を揺すって笑っている。
歌い終わったフランツは、「この歌はもともともは広く歌われる民謡だったのですけど、それをお聞きのとおり『進め進め』と軍歌としても愛唱しています。行軍歌でもあるんですよ」と結んだ。
「お気を悪くされませんでしたか?」
ヒルダがおずおずとたずねる。
「いいえ、ちっとも」と爽やかな笑顔のデニス。その彼は、「このような歌をこのような場で知ることもできたのも、皆さんとお知り合いになれたからこそです。普通なら、まず知ることもなかった」と言った。
「我が方を物ともしないぞという心意気を感じる。兵士ってその位でないといかん、国を守るってそういうことであるな」とコック長がウィンクしながら褒めてくれた。
それを聞いたわたしは、彼らゲルマンの民の懐の深さ、それと同時に国境を越えて交流することの大切さを垣間見た気がした。
この歌をただ聞いただけでは立腹する者も多いだろう。
だけど食事などの打ち解けた場で、事前に気心が知れた間柄なら棘も立たない。
普段、わたしが着飾って社交場に出入りするのも本来はその為なのだ。
このような軍の幕舎といった外交の場とはかけ離れていても、それは変わらないということを美味しいソーセージにザワークラフト、そして玉葱の歌が教えてくれた。
だからわたしはここの食事と、この歌をもっと好きになった。
カトリーヌ 主人公(わたし)
フランツ 護衛
ヒルダ 家庭教師
デニス 金髪の剣士
コック長
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
わたしたちは晩ご飯のご相伴にあずかった。
「エルザスのような華美な料理ではありませんが」と言ってデニスが饗してくれたのはソーセージ、そしてキャベツの漬け物ザワークラフト、腸詰めをふんだんに使ったポトフだった。
それは落ち着く味だった。
確かに故郷の贅を尽くした料理とは趣が違いはするけれど、その暖かいもてなしは、家を脱出しなければならなかったわたしたちに平穏を与えてくれた。
だから直ぐに好きになった。
まずは腸詰めのソーセージ。
これは肉のいろんな部位が盛り込まれて複雑な味がした。
その肉も荒く挽いたり、さらに細かく包丁を入れたりと見えないけれど手を入れていることが分かる。
それを焼き、ボイルし、スモークで香りをつける。
肉の旨味と食感をあますことなく提供しようとする、そんな心遣いが、この一つの一つの腸詰めには込められている。
その肉脂を堪能した舌をザワークラフトの酸味が引き締めてくれる。
ただのキャベツの発酵漬け物ではなく、強烈な肉の脂の旨味を一度リセットしてくれる重要な存在だ。
これと併せて食べた方が、別のソーセージの風味と味わいがよりハッキリする。
彼の地の人々が、この漬け物を大事にする気持ちが分かった気がする。
そしてポトフ。
これは大地の味する。
いろんな野菜の風味が溶け込んで、力強い、大地の味がした。
それにこれにもふんだんにソーセージが煮込まれ、その肉汁と相まってたくましい味になっている。
疲れたわたしたちにとって、かけがえのない味でもあったのだ。
そのポトフにはもう一つの工夫があった。
それは普通に煮込まれた玉ねぎとは別にローストした玉ねぎが入っていた。
生で煮た玉ねぎは優しい味がした。
そしてローストした玉ねぎは香ばしい甘みがする。
この一つの玉ねぎを二つの味にする調理に、わたしは感心した。
横には給仕のコック長が居て、その彼に、「玉ねぎが美味しい」と伝えたのだ。
「お口に合いましたか」と、壮年のコックがカイゼル髭の両端を持ち上げるようににっこりと微笑んでくれた。
「ええ、とっても」わたしも微笑む。
「よかった。エルザスでは揚げた玉ねぎを良く食すと聞いていたものですから、普通よりも少しだけカリカリにローストして、それをスープに入れてみました。お気にめされたようで何よりです」
そうなのだ。
わたしの祖国エルザスでは、民唱歌として『玉葱の歌』があるほど、揚げた玉ねぎを愛している。
『油で揚げた玉葱がすき。美味しい玉葱が好き』
『丸ごと揚げた玉葱を食べよう。美味しいんだよ』
こんな歌詞だ。
わたしは声に出して歌った。
※日本では『クラリネットこわしちゃった』の歌として伝わっている。
「ジェム ロニョン フリーア リュル」「ジェム ロニョン コディ エ ボン」
『油で揚げた玉葱がすき』『美味しい玉葱が好き』
ヒルダも併せて歌い始める。
「ジェム ロニョン フリーア リュル」「ジェム ロニョン」「ジェム ロニョン」
『油で揚げた玉葱がすき』『玉葱が好き』『玉葱が好き』
さびの部分では、二人して大声で歌った。
「オパ キャマラード パキャマラード パ オ パ オ パ」
『進もう友よ、進もう友よ』『進もう進もう進もう』
歌はいい。
気分を高揚させてくれる。
それを聞いている人たちの顔もほころぶ。
そうやって二番まで歌った。
「ここまでにしておきましょう」と、わたしは三番以降を歌うのを止めた。
ヒルダも心得ているようで、そこで終わる。
「もっと美声を聞かせてください」とデニスがおねだりする。
それをフランツがクスクスと笑う。
そして、「お二人はここで三番以降は歌わない方が良いと判断なされたのですよ」と言った。
「どうしてです」
「この場では相応しくない内容なんだ」
「それはどんな」とデニスが食いついてくる。
好奇心が全面に出ていた。
「本来ならば二番までの歌なのだけど、それをある目的で三番以降を足してしまった」
「ぜひ、それをお教えください」
「それではわたしが。でも、歌を聴いて決して怒らないでほしい」とフランツが三番を歌い始める。
「メ パ ドニョン ジャフ マ ニッキ」「ノ パ ドニョン ア トゥ セ シャン」
『だけどゲルマン人にやる玉葱はない』『狗どもにやる玉葱はないぞ』
そう歌い始める。
「メ パ ドニョン ジャフ マ ニッキ」「ノ パ ドニョン ア トゥ セ シャン」
『だけどゲルマン人にやる玉葱はない』『奴らにやる玉葱はないぞ』
次の歌詞も同じ内容の繰り返しだ。
そしてさびの部分になる。
「オパ キャマラード パキャマラード パ オ パ オ パ」
『進もう友よ、進もう友よ』『進もう進もう進もう』
それを聞いたデニスとコックは口をあんぐりとあけ、その後に大声で笑った。
「あっはっはっはっ、これはいい」
デニスが楽しそうに笑う。
「これはしてやられましたわい。確かに玉ねぎを食べられてしまった」と、こっちはコック長が額に手を当てて身体を揺すって笑っている。
歌い終わったフランツは、「この歌はもともともは広く歌われる民謡だったのですけど、それをお聞きのとおり『進め進め』と軍歌としても愛唱しています。行軍歌でもあるんですよ」と結んだ。
「お気を悪くされませんでしたか?」
ヒルダがおずおずとたずねる。
「いいえ、ちっとも」と爽やかな笑顔のデニス。その彼は、「このような歌をこのような場で知ることもできたのも、皆さんとお知り合いになれたからこそです。普通なら、まず知ることもなかった」と言った。
「我が方を物ともしないぞという心意気を感じる。兵士ってその位でないといかん、国を守るってそういうことであるな」とコック長がウィンクしながら褒めてくれた。
それを聞いたわたしは、彼らゲルマンの民の懐の深さ、それと同時に国境を越えて交流することの大切さを垣間見た気がした。
この歌をただ聞いただけでは立腹する者も多いだろう。
だけど食事などの打ち解けた場で、事前に気心が知れた間柄なら棘も立たない。
普段、わたしが着飾って社交場に出入りするのも本来はその為なのだ。
このような軍の幕舎といった外交の場とはかけ離れていても、それは変わらないということを美味しいソーセージにザワークラフト、そして玉葱の歌が教えてくれた。
だからわたしはここの食事と、この歌をもっと好きになった。
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