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もう一度夢で会いたい
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ふわふわと夢見心地のままで、1日は過ぎる。いつもなら家に帰りたくなくて、学校が早く過ぎるのがもどかしいのに、今日は逆だ。
眠れば、もう一度夢の続きが見れるかもしれない。忘れたくない。私に優しくしてくれて、初めて温もりをくれたアンリのこと。
現実には誰も私を気にかけてくれる人はいない。だけど、彼は、確かに私を撫でてくれた。あの感触は夢でも幻でもない。私はあちらが現実でもいい。
授業を聴かず、私はずっと小説を読んでいた。
「聖なる伝説の時に~紅の章」
実は、この古い乙女ゲーム:通称セイトキはマルチエンディングというやつで好きな男性を選べるらしい。ノベライズは色々な章に分かれているらしかった。紅林先生はこのアンリ・モルナールを中心に描いたこの小説がお気に入りで布教してくれたけれど、違うエンディングのノベライズ小説いくつかあるようだ。
王太子殿下と結ばれる蒼の章、魔王が復活する漆黒の章などなど、キャラクターの色で分けられている。小説の最後に他の章のあらすじ3行とイラストなどが見られた。1日かけて隅々まで読んだ。
正直言って苦痛だった。ピンク色の髪のヒロイン、ユティカは男爵の婚外子で平民として育った。ある日天啓を受けて聖女になる。空気の読めない笑顔溢れるユティカにみんな振り回される。まあ、ヒロイン補正でいじめられても逆境にのまれたりはしない。持ち前の明るさで危機を救い、全てを手に入れる。
苦痛だったのは、アンリがユティカに恋をすることだった。当たり前なのだが登場人物に私はいなくて、悪役令嬢でもいなくて、ユティカがヒロイン視点でハッピーエンドを知ることはつらい。
彼らの出会いは暴漢に襲われたユティカをアンリが助け、切り傷をつけられることである。ユティカは聖なる力で傷を癒すが傷跡は残る。それを癒すため、何回か部屋に通うイベントがあるはずと小説から推測された。
傷跡なんてない浅黒くて美しい身体だった。
彼の上半身を思い出す。引き締まった無駄のない筋肉、なめらかで暖かな身体。黒髪をかきあげるアンリの空色の瞳、私を見ていた彼を思い出して赤面する。
私のアンリはきっとヒロインには出会ってない。
授業が終わるが早いか、私は図書室にも寄らず家に帰って眠ることにした。
眠れば、もう一度夢の続きが見れるかもしれない。忘れたくない。私に優しくしてくれて、初めて温もりをくれたアンリのこと。
現実には誰も私を気にかけてくれる人はいない。だけど、彼は、確かに私を撫でてくれた。あの感触は夢でも幻でもない。私はあちらが現実でもいい。
授業を聴かず、私はずっと小説を読んでいた。
「聖なる伝説の時に~紅の章」
実は、この古い乙女ゲーム:通称セイトキはマルチエンディングというやつで好きな男性を選べるらしい。ノベライズは色々な章に分かれているらしかった。紅林先生はこのアンリ・モルナールを中心に描いたこの小説がお気に入りで布教してくれたけれど、違うエンディングのノベライズ小説いくつかあるようだ。
王太子殿下と結ばれる蒼の章、魔王が復活する漆黒の章などなど、キャラクターの色で分けられている。小説の最後に他の章のあらすじ3行とイラストなどが見られた。1日かけて隅々まで読んだ。
正直言って苦痛だった。ピンク色の髪のヒロイン、ユティカは男爵の婚外子で平民として育った。ある日天啓を受けて聖女になる。空気の読めない笑顔溢れるユティカにみんな振り回される。まあ、ヒロイン補正でいじめられても逆境にのまれたりはしない。持ち前の明るさで危機を救い、全てを手に入れる。
苦痛だったのは、アンリがユティカに恋をすることだった。当たり前なのだが登場人物に私はいなくて、悪役令嬢でもいなくて、ユティカがヒロイン視点でハッピーエンドを知ることはつらい。
彼らの出会いは暴漢に襲われたユティカをアンリが助け、切り傷をつけられることである。ユティカは聖なる力で傷を癒すが傷跡は残る。それを癒すため、何回か部屋に通うイベントがあるはずと小説から推測された。
傷跡なんてない浅黒くて美しい身体だった。
彼の上半身を思い出す。引き締まった無駄のない筋肉、なめらかで暖かな身体。黒髪をかきあげるアンリの空色の瞳、私を見ていた彼を思い出して赤面する。
私のアンリはきっとヒロインには出会ってない。
授業が終わるが早いか、私は図書室にも寄らず家に帰って眠ることにした。
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