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第一章
23 珍しいオーラの形(☆)
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ダリオは、聖女ヒナリが『あなたに負のオーラを見せてしまわないように頑張る』と、溌剌と決意表明する様子に驚き、目を見開いた。聖女の体から、生き生きとした明るい黄色のオーラが放たれたからだ。
僕のために頑張ろうと、心の底から思ってくれている――その瞬間、たったひとつの強烈な感情に支配された。
この子が欲しい――。
(そうか、これがきっと惹かれるってことなんだ……)
胸の奥から込み上げてきた熱に、ダリオは微笑まずにはいられなかった。
「うん、もう大丈夫。ありがとう」
ずっと握り合わせていた手を持ち上げて、指先に口付ける。すると聖女ヒナリがびくっと肩を跳ねさせた。
「待たせたね。始めようか」
「は、はいっ」
そわそわとした返事と共に、白い光の粒がぽんぽんと弾け飛ぶ。
「ふふ、緊張してる」
「すいませんっ」
聖女ヒナリの顔が見る間に赤く染まっていく。その頬に手を添え、そっと顔を近付けていき――。
「んっ……」
唇を重ね合わせた瞬間、聖女ヒナリが上擦った声を洩らした。
その声をもっと聞きたくて、幾度も唇を重ね直す。わざと音を立てて吸い上げれば、手のひらで包み込んだ頬がますます緊張感を帯びる。
思えば誰かとキスをするのはこれが初めてだった。キスとはこんなに心ときめくものだったのか――。
ダリオは唇を浮かせると、美しい紫色の瞳を至近距離から覗き込んだ。
「僕、セックスの経験は一応あると言えなくもないけれど、女性に愛撫をしたことはないから、辛かったらすぐに言ってね」
「あなたも……」
「ん?」
聖女ヒナリがダリオの手の甲に手を重ねて、その美しい顔に柔らかな笑みを湛える。
「もしも儀式の最中にふと嫌なことを思い出しちゃったりしたら、無理せずいつでも中断してくださいね。いくら必要な儀式とはいえ、心を壊しながらするなんて悲しすぎるから」
「……。ありがとう」
心に点った火が一気に燃え上がる。その熱に突き動かされるままに、ダリオは聖女ヒナリを押し倒した。
ヒナリはダリオの愛撫に翻弄されて、全裸の体をシーツの上に跳ねさせていた。
(愛撫したことないって言ってたのに。信じられない……)
ヒナリの上に覆い被さった賢者ダリオが、ヒナリの胸の先を舌で優しく転がし、体内を指で掻き混ぜる。
緊張したヒナリの体を解きほぐす手付きは宝物を扱うかのように優しかった。とはいえ物足りないということは決してなく、中を指で探られるうちに、そこをもっと触って欲しいと願った瞬間、激しすぎない強さでじっくりと刺激してくれる。
「あっ、はああ、んあ、はああっ……」
ひとりでに洩れる声の合間にはっきりと水音が聞こえてきて、自分の体がいかに悦んでいるかを思い知らされたのだった。
体を繋ぎ合わせたあとも、賢者ダリオはひたすらに優しかった。ゆっくりと、ヒナリの体を味わうように抜き差しを繰り返す。
こういうまっとうな交わり方が初めてだとは思えない程に丁寧で、痛みも苦しさもなく、ただただ快楽に浸らせてくれる。
賢者ダリオがその高ぶりでヒナリの深みを探る度に、少しずつ理性が取り払われていく。
ヒナリはゆるく目を閉じると、枕に頭を擦り付けてはシーツの上に投げ出した両手をぎゅっと握り締めて、体が悦ぶままに声を洩らし続けた。
(なんて気持ちいいんだろう……)
今自分の肉体が受け止めきれる限界の、そのすぐ下を延々と優しくなぞり続けてくれるような、あまりにも甘い快感。
泣きたくなるほどの心地よさに夢中になっていると、
「……。ふふっ」
「!?」
予想外の声が聞こえてきて、ヒナリははっと目を見開いた。
(今、笑った!?)
慌てて視線をもたげると、賢者ダリオがぐっと唇を引き締めて顔を逸らした。明らかに笑いをこらえている。
「な、なんで笑うんですか?」
夢心地から一気に覚めさせられて、みっともない姿を晒してしまっていた自分が恥ずかしくなる。ショックのあまり涙が出てきた。
賢者ダリオが首を振って淡緑色の髪をなびかせながら、困り顔を微笑ませる。
「ごめん。君があまりにも可愛すぎて」
「ええ……?」
(可愛すぎて笑うってどういうこと?)
その言い訳に納得が行かず唇を尖らせていると、賢者ダリオがひとつ大きく息を吐き、汗の粒に飾られた自身の胸を押さえて頭を下げた。
「本当に、笑ってしまってごめん。僕の魔眼で見えるオーラって、本来こう……まんまるなんだけど」
と指先で宙に円を描く。
唐突な話にヒナリが頭に疑問符を浮かべていると、 突然賢者ダリオが腰を揺らしてヒナリの体内を小突いた。
「ほら、こうすると……」
「んっ……!」
甘い痺れにヒナリが震え上がると、賢者ダリオが笑顔を輝かせた。
「……丸いはずの光の粒が、全てハート型になるんだ」
「は!? ど、どどどういうことですか!?」
「要は、君がここを突かれるのが大好きだって、僕には良く見えてるってこと」
ダリオはその初めてみる光景に胸の高鳴りを覚えた。
なんて可愛らしいんだろう――!
衝動のままに、ハートが飛び出すポイントを自らの欲望の化身でぐりぐりと刺激する。
「ほら、ここが好きなんでしょう?」
「んっ! 好きって、わけじゃ……!」
聖女ヒナリが必死に首を振る。言葉とは裏腹に、止めどなくハートが溢れてくる。
さっきまでオーラは見慣れた球体だった。意図せず一番感じる部分を探り当ててしまったらしい。
ヒナリは賢者ダリオに啼かされながらも大混乱していた。
(ハートが飛び出す!? 何それ!? SNSのライブ配信じゃないんだから!)
イイところを突かれてハートが飛び出すなんて冗談じゃない、恥ずかし過ぎる――!
「お願い、見ないでください……!」
ヒナリは賢者ダリオに向かって必死に手を伸ばすと、楽しげに細められた目を覆い隠そうとした。
しかしあっさりと手首を取り上げられる。
「ダメ。全部見せて。ここが一番気持ちいいんだね」
枕の横に手首を繋ぎ止められて、最も甘く快感が響き渡る一点を何度も何度も小突かれる。あまりの心地よさに、自然と腰が浮いてしまう。
「もっと欲しいって、君の体は言ってる」
「違っ……!」
「正直に言葉で教えてくれたら、オーラは見ないでおいてあげる」
「本当に?」
「うん」
頷いた賢者ダリオが、おもむろに覆い被さってくる。
ヒナリの耳に唇を付けて、吐息混じりの声を流し込んできた。
「ほら……これで見えなくなった。約束したよね、正直に教えて」
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