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15 受付嬢への断罪劇
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「ルナ、今日の予定は?」
「んー、ギルドから依頼されたポーションの調合をしようかな?」
「足りない材料とかないね? 一人で採取とか行っちゃだめだよ」
「ふふ、大丈夫。在庫分で足りるから。ありがとう。行ってらっしゃい」
「なんかあったら、ピアスで連絡してね。行ってきます」
いつも通り二人で朝食をとった後のサイラスの朝の出勤前の恒例のやりとりだ。サイラスはルナにキスをすると出勤して行った。
普段通りに見えて、最近のサイラスは少しピリピリしている。
少し前に王都の冒険者ギルドの受付係として貴族令嬢が入ってきたからだ。
なぜかギルド職員の制服ではなく、ドレスのようなフリルのたっぷりついた華やかなワンピースで勤務していて、髪型から化粧まで、隙なく装っている。露出が多くスタイルが良い人の多い女冒険者とは一味違った迫力があった。
それだけならばよいのだが、その受付嬢はなぜかルナを敵視していた。
「はぁ……。きっとサイラスのこと、好きなのよね……」
傍から見ていても分かるくらいサイラスのことをうっとりとして見つめていて、ルナが用事があってギルドに行くと、凄い目をして睨まれる。依頼を受ける時や、納品時に彼女に当たらないようにサイラスや他の職員が気をまわしてくれるのも申し訳ない。
それでも、ギルドに着くと扉から彼女がいないか、そっと確認してしまうくらいには怖い。
その受付嬢がサイラスに秋波を送っていることも、そのことにルナが悩んでいることもサイラスはお見通しだ。
「どうしたらいいのかしら?」
辺境の村にいる頃はサイラスと会うのはヤクばあちゃんの小屋で、二人きりだった。サイラスとつきあえて、堂々と一緒にいられるのはうれしいけど、こういった悩みとは無縁だった。サイラスほど格好いい人とつきあうのだから、今回に限らず、こういった煩わしいことは避けて通れないのだろう。
「こういう時は自分に今できることをするしかないわね」
ルナは恋愛経験が圧倒的に不足しているし、相談できる友達もいない。今は、仕事をしようと気持ちを切り替えた。
「どうしよう……サイラスに連絡したほうがいいのかな……。でも、いつまでも甘えているわけにもいかないし……このくらい自分でなんとかしなくちゃ」
依頼されたポーションの材料はあったのだが、ついでに作ろうと思った薬の材料が足りないことに気が付いた。ギルドで扱っている素材なので、買いに行けばいいのだけど、例の受付嬢がいるかもしれないと足が竦む。
意を決して、ギルドに向かい、そっと扉を開けた。
「胃薬、喉薬、体力回復のポーションを納品しに来ました」
そこにはなぜか、例の受付嬢と対峙するルナがいた。
なんで、私がいるの? 凄く似ているそっくりさん?
混乱しながらも、混んでいる時間帯だったので、人影にそっと隠れて様子を伺う。
その後ろ姿は見れば見るほど、背格好も姿形もルナそのものだ。声もまったく一緒である。
「……はぁーい。品質大丈夫か、確認しますねぇ」
受付嬢は、気だるげな雰囲気を醸しながらも、いつものようにルナに似た人を鋭い目線で睨みつけている。そして、鑑定用の魔道具に薬やポーションを次々載せていくと、顔をしかめた。
「えーこれってぇ、全然ダメですけどぉ。とてもとても買取できませぇん。なんか田舎くさい匂いするしぃ。早く持って帰ってください!」
「は?」
「薬師としてもダメだし、子どもみたいだし、田舎に帰ったらどうですかぁ? サイラス様に全然似合ってないの、分かりません? サイラス様につきまとって、うっとうしいんですよぅ。サイラス様もあなたのことうっとうしいって言ってましたよ」
ルナに言われたわけではないけど、まるで自分が言われているかのように心が痛む。
「……本当だな?」
「そうよ。あなたは知らないかもしれないけど、サイラス様とアタシつきあってるの。あなたのこと邪魔だって言ってたわよ」
そんな事絶対ない! 反論したいのに声が出ない。その時、自慢げな顔で言い募る貴族令嬢の手をルナにそっくりな人の手袋をした手がガシッと掴んだ。
「お前みたいなゴミカスとつきあっていない!!!! お前ごときが僕の綺麗で可愛くて天使で妖精で女神なルナのことを罵倒するなんて、万死に値する」
「えっ? サイラス様??」
ふわっと霧が晴れるように、ルナそっくりな人の姿がサイラスの姿に変わった。周りにいた冒険者達やギルド職員も驚いてざわめいている。ルナは驚きすぎて声も出ない。みんな驚いているから、サイラスの独断でやったことなのだろう。
「あと、お前は鑑定結果を偽装した。現行犯だ。マーク、ルナの薬とポーションを鑑定しろ」
ギルド長のマークさんに指示を出す。魔道具で確認して大丈夫だったのか、マークさんが手でオッケーマークを出している。きっとこの前サイラス経由で納品したものだろう。一応、品質が大丈夫だったようで、ほっと胸をなでおろす。
「お前はクビだよ。貴族だからって調子に乗ってんじゃねぇよ。自分の素行不良で三回も婚約破棄されてんだろ? いろんな男に色目使いやがって気持ち悪ぃ。あと、お前の実家の伯爵家、違法薬物の原料の栽培と生成、販売で捕まって、取りつぶしになったから」
サイラスは掴んでいた受付嬢の手を放すと、自分の手袋に洗浄の魔術をかけながら、宣告する。
「そんな……サイラスさまぁ……」
「名前呼ばないでくれる? 僕のルナを煩わせるからだよ」
真っ青になった受付嬢はそれでも、サイラスに縋ろうとして、バッサリと切り捨てられている。ルナはこの騒動にざわめく人ごみを抜けると、そっと冒険者ギルドを後にした。
サイラスはルナの憂いも悩みも分かって、対処してくれた。もっと穏便に解決する方法もあったかもしれないけど、ルナが嫌な目に遭わないうちに、ルナのいない所でなりふりかまわず解決してくれた。
「ありがとう、サイラス……うれしい……」
こんな乱暴な方法をとって、ギルド長のマークや職員は後始末に追われるし、色々な人に迷惑がかかってしまっただろう。そのことを申し訳なく思うけど、ルナはサイラスの気持ちがうれしかった。
きっとルナが絡まれている所に割って入って、注意することもできただろう。わざわざ、サイラスがルナに扮しなくてもよかった。でも、ルナに少しの嫌な思いもさせないようと気遣って、サイラスがルナの姿を魔術で装って、対峙して断罪してくれた。
「格好良かったなぁ……」
サイラスが魔術を使う所は何回見ても凄いと思うけど、今日もまるで歌劇でも観ているような迫力があった。ルナは自分も魔術が使えればよかったのに、と思った。あの場面を映像魔術で撮って何回でも見返したい。
「ルナ!」
サイラスはなぜ、ルナがサイラスのことを考えていると現れるのだろうか?
「サイラス? お仕事は?」
「ルナ、今日は家で調合してるんじゃなかった?」
「そうなんだけど。ちょっと足りない材料があって、ギルドに行くところだったの」
「そっかー、じゃあ、一緒に行こう」
いつ外して、いつ着けているのか、なぜかルナと手を繋ぐ時にサイラスの手に手袋はない。サイラスの手の温もりを感じながら、手を繋いで歩く。
「ふふ、サイラス、いつもありがとう」
「……ん? なんのこと?」
「今日はケーキでも買って帰ろうかな? サイラスも食べられる甘くないやつ」
「じゃー夜ごはんは僕の家で食べよう。作るから。そのあとで一緒にケーキをべよう」
「うん、楽しみにしてる」
まだ、ざわめきの残る冒険者ギルドに手を繋いで二人は入って行った。
「んー、ギルドから依頼されたポーションの調合をしようかな?」
「足りない材料とかないね? 一人で採取とか行っちゃだめだよ」
「ふふ、大丈夫。在庫分で足りるから。ありがとう。行ってらっしゃい」
「なんかあったら、ピアスで連絡してね。行ってきます」
いつも通り二人で朝食をとった後のサイラスの朝の出勤前の恒例のやりとりだ。サイラスはルナにキスをすると出勤して行った。
普段通りに見えて、最近のサイラスは少しピリピリしている。
少し前に王都の冒険者ギルドの受付係として貴族令嬢が入ってきたからだ。
なぜかギルド職員の制服ではなく、ドレスのようなフリルのたっぷりついた華やかなワンピースで勤務していて、髪型から化粧まで、隙なく装っている。露出が多くスタイルが良い人の多い女冒険者とは一味違った迫力があった。
それだけならばよいのだが、その受付嬢はなぜかルナを敵視していた。
「はぁ……。きっとサイラスのこと、好きなのよね……」
傍から見ていても分かるくらいサイラスのことをうっとりとして見つめていて、ルナが用事があってギルドに行くと、凄い目をして睨まれる。依頼を受ける時や、納品時に彼女に当たらないようにサイラスや他の職員が気をまわしてくれるのも申し訳ない。
それでも、ギルドに着くと扉から彼女がいないか、そっと確認してしまうくらいには怖い。
その受付嬢がサイラスに秋波を送っていることも、そのことにルナが悩んでいることもサイラスはお見通しだ。
「どうしたらいいのかしら?」
辺境の村にいる頃はサイラスと会うのはヤクばあちゃんの小屋で、二人きりだった。サイラスとつきあえて、堂々と一緒にいられるのはうれしいけど、こういった悩みとは無縁だった。サイラスほど格好いい人とつきあうのだから、今回に限らず、こういった煩わしいことは避けて通れないのだろう。
「こういう時は自分に今できることをするしかないわね」
ルナは恋愛経験が圧倒的に不足しているし、相談できる友達もいない。今は、仕事をしようと気持ちを切り替えた。
「どうしよう……サイラスに連絡したほうがいいのかな……。でも、いつまでも甘えているわけにもいかないし……このくらい自分でなんとかしなくちゃ」
依頼されたポーションの材料はあったのだが、ついでに作ろうと思った薬の材料が足りないことに気が付いた。ギルドで扱っている素材なので、買いに行けばいいのだけど、例の受付嬢がいるかもしれないと足が竦む。
意を決して、ギルドに向かい、そっと扉を開けた。
「胃薬、喉薬、体力回復のポーションを納品しに来ました」
そこにはなぜか、例の受付嬢と対峙するルナがいた。
なんで、私がいるの? 凄く似ているそっくりさん?
混乱しながらも、混んでいる時間帯だったので、人影にそっと隠れて様子を伺う。
その後ろ姿は見れば見るほど、背格好も姿形もルナそのものだ。声もまったく一緒である。
「……はぁーい。品質大丈夫か、確認しますねぇ」
受付嬢は、気だるげな雰囲気を醸しながらも、いつものようにルナに似た人を鋭い目線で睨みつけている。そして、鑑定用の魔道具に薬やポーションを次々載せていくと、顔をしかめた。
「えーこれってぇ、全然ダメですけどぉ。とてもとても買取できませぇん。なんか田舎くさい匂いするしぃ。早く持って帰ってください!」
「は?」
「薬師としてもダメだし、子どもみたいだし、田舎に帰ったらどうですかぁ? サイラス様に全然似合ってないの、分かりません? サイラス様につきまとって、うっとうしいんですよぅ。サイラス様もあなたのことうっとうしいって言ってましたよ」
ルナに言われたわけではないけど、まるで自分が言われているかのように心が痛む。
「……本当だな?」
「そうよ。あなたは知らないかもしれないけど、サイラス様とアタシつきあってるの。あなたのこと邪魔だって言ってたわよ」
そんな事絶対ない! 反論したいのに声が出ない。その時、自慢げな顔で言い募る貴族令嬢の手をルナにそっくりな人の手袋をした手がガシッと掴んだ。
「お前みたいなゴミカスとつきあっていない!!!! お前ごときが僕の綺麗で可愛くて天使で妖精で女神なルナのことを罵倒するなんて、万死に値する」
「えっ? サイラス様??」
ふわっと霧が晴れるように、ルナそっくりな人の姿がサイラスの姿に変わった。周りにいた冒険者達やギルド職員も驚いてざわめいている。ルナは驚きすぎて声も出ない。みんな驚いているから、サイラスの独断でやったことなのだろう。
「あと、お前は鑑定結果を偽装した。現行犯だ。マーク、ルナの薬とポーションを鑑定しろ」
ギルド長のマークさんに指示を出す。魔道具で確認して大丈夫だったのか、マークさんが手でオッケーマークを出している。きっとこの前サイラス経由で納品したものだろう。一応、品質が大丈夫だったようで、ほっと胸をなでおろす。
「お前はクビだよ。貴族だからって調子に乗ってんじゃねぇよ。自分の素行不良で三回も婚約破棄されてんだろ? いろんな男に色目使いやがって気持ち悪ぃ。あと、お前の実家の伯爵家、違法薬物の原料の栽培と生成、販売で捕まって、取りつぶしになったから」
サイラスは掴んでいた受付嬢の手を放すと、自分の手袋に洗浄の魔術をかけながら、宣告する。
「そんな……サイラスさまぁ……」
「名前呼ばないでくれる? 僕のルナを煩わせるからだよ」
真っ青になった受付嬢はそれでも、サイラスに縋ろうとして、バッサリと切り捨てられている。ルナはこの騒動にざわめく人ごみを抜けると、そっと冒険者ギルドを後にした。
サイラスはルナの憂いも悩みも分かって、対処してくれた。もっと穏便に解決する方法もあったかもしれないけど、ルナが嫌な目に遭わないうちに、ルナのいない所でなりふりかまわず解決してくれた。
「ありがとう、サイラス……うれしい……」
こんな乱暴な方法をとって、ギルド長のマークや職員は後始末に追われるし、色々な人に迷惑がかかってしまっただろう。そのことを申し訳なく思うけど、ルナはサイラスの気持ちがうれしかった。
きっとルナが絡まれている所に割って入って、注意することもできただろう。わざわざ、サイラスがルナに扮しなくてもよかった。でも、ルナに少しの嫌な思いもさせないようと気遣って、サイラスがルナの姿を魔術で装って、対峙して断罪してくれた。
「格好良かったなぁ……」
サイラスが魔術を使う所は何回見ても凄いと思うけど、今日もまるで歌劇でも観ているような迫力があった。ルナは自分も魔術が使えればよかったのに、と思った。あの場面を映像魔術で撮って何回でも見返したい。
「ルナ!」
サイラスはなぜ、ルナがサイラスのことを考えていると現れるのだろうか?
「サイラス? お仕事は?」
「ルナ、今日は家で調合してるんじゃなかった?」
「そうなんだけど。ちょっと足りない材料があって、ギルドに行くところだったの」
「そっかー、じゃあ、一緒に行こう」
いつ外して、いつ着けているのか、なぜかルナと手を繋ぐ時にサイラスの手に手袋はない。サイラスの手の温もりを感じながら、手を繋いで歩く。
「ふふ、サイラス、いつもありがとう」
「……ん? なんのこと?」
「今日はケーキでも買って帰ろうかな? サイラスも食べられる甘くないやつ」
「じゃー夜ごはんは僕の家で食べよう。作るから。そのあとで一緒にケーキをべよう」
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