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第三章.フラグ回避計画
19.噂が歩く
しおりを挟むフェンリルと契約してしまったことで俺はさらに悪立ちをすることになった。
「見て会長よ!」
「フェンリル様に見初められたそうですわ」
「先日の事件をお聞きになりまして?」
何処を歩いても見られているし。
主に女子生徒がヒソヒソ話しているのだからどうしたものか。
「ニコラウス様が虐待していた魔獣を救い、保護をされたとか」
「そのお優しさに反応し、フェンリルの姿になったそうで…」
「まぁ、フェンリルは魔獣の中でも王ですわ。王に認められるなんて!」
何処を歩いてもフェンリルの噂で持ち切り。
「どうするの?」
「ワフ!」
「芋を頬張らない聞いてくれる?」
ハムスターのように頬袋を作り芋を頬張るフェンリルことタマサブロウ。
「こら、芋を出しなさい」
「バウ!」
タマサブロウは犬なだけあって芋類が大好きだった。
特に俺が作った新作芋、サツマイモが大好物で甘くしたのを好む。
最近は畑を眺めて涎をたらしている。
これ、本当に神様だよな?
こんな間抜けな神様っているのか?
「アン!」
「今度は何?」
草むらの方に向かって吠えている。
「犬がいっぱいだ…」
隠れ家になっているそこには犬種は異なるが犬が沢山いた。
「タマの友達?」
「アンアン!」
流石はイヌ科だな。
仮の姿は犬だから、普通の犬とも仲良しなんだろう。
「ワンワン!」
「どうした?」
何匹か俺の足にしがみ付いて吠える。
「もしかして餌が欲しいのか?」
「クゥーン」
お腹がすいているのか?
でも野生の動物にエサを与えたら自然界で生きていけなくなる。
「クゥーン」
「そんな目で見ないで!」
まるでチワワのCMのようで胸が痛い。
困り果てた俺だったがよく見ると、犬達は怪我をしている。
「そうか、それでここに隠れているんだな」
人間に虐待されたのかもしれない。
なんて可哀想なんだ。
「仕方ない、怪我が治るまでだからな」
「ワン!」
それまでは餌をあげよう。
「芋をあげよう」
鞄に入っている芋を見せると犬達は群がって来る。
「えっ…ちょっと!」
そんなに芋が好きだったのか?
今度から畑を広げて沢山芋を作ることにしようと思う。
「アン!」
「タマ、この子達野良だよね?」
まさか魔獣なんてパターンはないよな?
「あはは、そんな二度も同じようなことあるはずないよな!」
うんうん、考え過ぎだな。
そう都合よく、何度もあるはずががないと思いながら寮に戻って行った。
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