【本編完結】婚約者には愛する人がいるのでツギハギ令嬢は身を引きます!

ユウ

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第三章

20.すべきこと



今私がすることは魔獣から皇族の皆様を守りする事。


「怯えている暇はない」

魔獣は黒竜の逆鱗で我を無くしているけど、その逆鱗の魔力を緩める事ができれば救う事ができる。


「皆さん!急いで非難を…魔獣は直ぐに襲ってきません。早くこちらへ!」


今出来る事をしないと。


「アリア!水晶宮に!あそこならば魔獣は近づけませんわ」

「皇女殿下、早くお逃げください!」


率先して避難誘導を行う私だったがシシィ様は結界魔法を発動していた。

「結界の維持をしなくてはなりません。聖女候補の私がしなくて誰がしますの?」

「ですが!」

「私はこの帝国の第一皇女、その意味をお解り?陛下は既に…」


避難させていると告げようとしたが。

「皆の者結界の維持をせよ!女子供を最優先に批難させるのだ」


「「「陛下ぁぁぁぁ!」」」


避難しているはずの皇帝陛下が剣を持って指揮を取っている。


「陛下、何をなさってますの!」


女官長のカトリーヌ様は真っ青な表情をしながらも杖で結界強化に努めていた。

「レイナ!陛下を」

「はい、どうかお止めください陛下!」


「離さぬか!息子が…姪が先頭に立っておるのだ。皇帝と言えど、なすべきことをしなくてはならぬ」

「御身に何かあればどうなります!」


陛下に万一の事があればどうなるか。
解らないはずはないのに、前に出ようと言うのか。

「わしは大事な妹を死なせてしまった。そして盟友であり私の愛する妻二人も守れなかった。その上、二人が残してくれた宝までも失えと言うのか…皇帝と言えど父親ぞ!」


「お父様…」

「結界維持程度ならばできる。許せ」


常に皇帝の鏡と振る舞い続けるも、親として苦渋の選択を下されて来た陛下はどのような思いだったのだろうか。


お母様を溺愛していたのに、そのお母様を亡くした苦しみはどれ程なのか。


「アドリア―ナ許してくれ…わしは何も気づけなかった」

「えっ…」

「そなたが長い間傷つき、苦しみ心を殺していた事を。貴族と皇族の派閥を軽減しようと心を尽くしてくれていたのにわしは…シャンとの誓いを果たせなんだ」


お母様との誓い?

それは一体何?


「だが、そなたはやりはあれの娘じゃ。弱そうに見えても誰よりも誇り高く優しい…シャンが死んだ時、私はそなたがいたから救われたのじゃ。シャンは生きている。そなたの中に」


「私の中にお母様が…」

「しゃんはそなと瓜二つじゃ」


ああ、そうか。
私の中にもあったんだ。

お母様が。

陛下はずっと私を愛してくださった。

離れている時も思ってくださっていた。

なのに私は自分の存在を否定していた。
私なんていなければ良かったのだと思っていたけど、そんなことを思うのは私を愛してくれている人を傷つける行為だ。



本当に馬鹿だ。




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