百姓貴族はお呼びじゃないと言われ婚約破棄をされて追放されたので隣国で農業しながら幸せになります!

ユウ

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25先祖の縁

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「この度は誠にありがとうございました!」


深々と頭を下げられ、私は困り果てた。
周りにはギルド職員らしき人も集まっている。


でも、顔色の悪さといい…


「ゾンビ集団か」

「アンリ」

「ごめん」

あまりにも失礼だと解っているけど、顔色の悪さとやせ細った体の人が多すぎる。


「ギルドマスターに代わり礼を言います。娘を助けてくださりありがとうございます。私は水軍ギルドマスターのアルベールとっ申します」

「あっ…あの」

「親方!何を…」


他の職員の人達も真っ青になった。


「お前達!この方は貴族の姫さんだ!頭を下げねぇか!」

「あの…もう私は貴族ではないので」

「はて?貴族ではない…シアリーズ家の姫君が」


こちらのおじ様は何故私の事を知っているのか。


「聖杖を持つ貴族は一握りです。特にシアリース家は歴史が長く、私の祖先とも深い関りがあります」


知らなかった。
でも、ご先祖様は農業を通じて貿易をしていたと聞いたことがある。


「今から三十年前、シアリーズ家のご当主は聖地巡礼と称し、旅をしながら炊き出しの旅をされていました」


なんとご先祖様は私がしようとしていることを既にしていたのか。


「まさかこのタイミングでお会いできるとは、恐らく先祖のめぐり合わせでしょう」


「どうかお願いします!」


「我らをお救いください」


何故か土下座をされた。
言うなれば農民が領主様に年貢を納める時のポーズだ。



「いや、止めてください」

「どうかお願いします聖女様」


「本当にやめてください。私は農民です」


聖女なんて称号は相応しくない。

私は鍬を片手に汗を流しながら畑を耕す農民だ。



「お前達、姫さんがお困りだ」

「ですが!このままでは本当にギルドは崩壊します!もうこの国は精霊が絶滅寸前なんです」


「泉が枯れてしまい水の精霊は瀕死の状態で王太子殿下がお倒れになり、国全体に毒があふれてしまっているんです」



現在世界各地で異常気象が起きていることは知っていた。
理由は解らなけど精霊の加護を受けられなくなった国もあれば、穢れが国を包んでしまったりと。



「薬草も不作で薬もありません。どうしていいか…」


「そういわれましても」


私は治癒師のような魔法は使えない。
魔術師のような強い魔法どころか、加護も少ないのだから。



「彼女に詰め寄るのは止めてくれ」


「アレク…」

困っている私を守るように壁となってくれたアレクのおかげで彼らは大人しくなった。

だけど、懇願するような目で見られているのは変わらない。



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