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閑話 裏切り者達への罰⑤
しおりを挟む現在シアリーズ領地の代行を務める男は、アンリの父が生きていた時から領民をまとめる役を担っっていた。
領民にとってリーダー的存在で、彼の指示のもとアンリを領地から追放するように仕組んだのだ。
別にアンリに悪意を抱いていたわけではない。
だが、加護もパッとしないことから、このまま領地を任せるにふさわしくないと思ったのだ。
言い方は悪いが、貴族令嬢であるなら美しく着飾り、カリスマ性のある方法がいい。
他所の貴族にも自慢できるような様さがアンリにはないと以前から思っていた。
特に欲が少ないアンリは、必要なぶんだけ稼げればいいと言う考えがあったのだ。
作物に関しても困っている領地があれば助けるべきだという考えを、否定的だった。
国一番の出荷率があるならばもっと収入を得て良い暮らしがしたい。
高値で売ればもっと楽に稼げるというのに、欲が少ないことに苛立った。
このままでシアリーズ領とはずっと田舎のまま。
無駄な供物の無くし、もっとお金になる特産品を作りたいと考えた男はアンリの存在を目障りに思い領民をけしかけたのだ。
美しく聡明なジェミリアこそが女主人に相応しい。
そう思ったのだが、実態はアンリが領地を追い出されてすぐに起きたのだ。
果物の保管方法、薬草の調合方法を新しく変えてしまった事で腐ってしまったのだ。
アンリは必要なぶんだけ調合していたが、これからはもっと量を増やして質よりも量を優先した。
その結果粗悪品の薬草ができてしまい、最悪なポーションが完成したのだ。
そのポーションを使った客は怪我が悪化したり、病が悪化して死にかけたことも多かった。
だが、当初はポーションが合わなかったとか、使い方を間違えたとか、客に責任を押し付けることで難を逃れたが二週間過ぎたころ、客の一部が言い放った。
「アンリ嬢がいた頃はこんなことはなかった」
その言葉で男は冷や汗を流す。
何も言えなかったからだ。
だが、不信感を一度でも持てば払拭するのは難しくなる。
粗悪品のポーションで怪我が悪化した客達はせめてアンリに合わせて欲しいと願い出た。
だが、その一週間後訃報が耳に入ったのだ。
アンリの着ていた洋服の一部が血だらけで見つかったことを。
魔物が生息する者でアンリの私物が見つかったのだ。
血がべっとりついて、顔は酷い状態で原型をとどめていなかったのだ。
パンデミック家は深くかかわることはなく遺体を引き取ることもしなかった。
けれど領民はバツが悪かった。
何もかも奪われ追放された所為で悲惨な死を遂げたのだ。
遺体さえも領地に戻ることはないなんてあんまりだったので、一人の領民の女性がパンデミック家にアンリを領地に眠らせてもらえるように頼んだのだが…
冷酷な言葉が返ってきたのだった。
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