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72恵の国
しおりを挟む通常の十倍のスピードで作物は育ち、食料の補充は十分だった。
薬草も有り余るぐらいでポーションとエリクサーを大量に制作することができて、国に十分の利益をもたらすことができた。
同盟国の中には貧しく、不治の病に苦しむ人が多く。
無償で援助してもいいのだけど、アレクには諭されてしまった。
「援助される側の気持ちも考えた方がいい」
「えーっと…」
「君の善意が時に他者を苦しめてしまうかもしれない。援助された彼らは何も返すことができず辛い思いをしたり、第三者から疎まれるだろう」
「あっ…」
一方通行な思いは時として迷惑になる。
お兄様もやりすぎはダメだと常日頃から言われていたのに。
「でも、対価になるものなんて…」
貧しい国ではお金は勿論、食料も不足している。
対価として何を貰えばいいのか。
「金銭的なものではなく別の物にしたらどうだ?」
「別のもの?」
「人だ。今我が国では、他国との貿易、商人達は大幅な商売を行いたい…しかし人でが足りない」
「そっか!」
特に女性の手が足りない。
現在ギルドでは工房の女性陣が足りない。
畑仕事は男の人でもいいけど。
その野菜を使った料理は女性の方がいい。
そう、特に必要なのはお母さんだ。
現在この国で問題視されているのは診療所だ。
医師だけでなく補佐をしてくれる人がいない。
言うなれば看護師さんだ。
けれど、看護師さんとなると若い女性よりも必要になるのは子育て世代を終えたお母さんだ。
お母さんのスキルは半端ない。
家事育児を終えた女性は臨機横柄に対応してくれる。
他にも孤児院にも先生の数が少ない。
「金銭の代わりに労働を買うんだ」
「そっか!それなら一方的じゃないよね」
「第三者にも文句は言わせない。ただ今後は過度な援助はできるだけ控えて欲しい」
「うん、解った…アレクありがとう」
きっと私が知らない所でアレクはかなり動いてくれている。
基本目立たないように裏方にてっていしているし。
私が聖女になりたくないと言う我儘を叶えてくれて。
本当にできた旦那さんだ。
優しくて聡明で思いやりにあふれて。
比べるのも烏滸がましいけど。
前の男が最悪過ぎた。
その一方でどうしているのだろうか?
愛する人と一緒に幸せにしてるだろうか?
隣国では不穏な噂のオンパレードだけど。
あの国には魔術師も沢山いるから大丈夫だよね?
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