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第二章.新たな婚約
13.幼き日の約束
しおりを挟む朧げな記憶だった。
ただ覚えてるのは春の女神を祝うお祭りで約束を交わした。
名前も知らない少女と友情の証に互いのリボンを交換した。
『これを、何時か会える日までの約束よ』
『私に?』
『これが貴女を守ってくれるわ。その代わり貴女のリボンを下さる?離れていても一緒にいれますように…大きくなったらまた会いましょう』
お互いのリボンを交換して、大人になった会おうと約束した。
春の女神が祝福をしてくれるかのように、花弁が舞っていた光景を思い出す。
そして朧げな記憶は霧がかかっていた。
けれどリボン見て、霧が晴れていくかのようだった。
「やめて!私の大切なリボンを奪わないで…私とあの方との思い出を奪わないでぇ!」
悲痛の叫びが響く中、声を張り上げていたのはマリアさんだった。
「アンタの所為で…」
マリアさんに手を上げようとしていたのは、姉のマリアナだった。
「待てオリヴィア!」
私は考えるよりも先に行動していた。
今から駆け寄っても間に合わない。
でも、このまま見ているなんてできない。
だって彼女は…
『さような優しいお姫様』
私に優しい言葉をかけてくれた。
生まれて初めてできた友達なったんだから。
私はありったけの魔力を込めた。
攻撃魔法は一切使えない私には守る魔法しかない。
でも、それでもいい。
お願い、私のリボン!
マリアさんを守って!!
「えっ…きゃあああ!」
「炎の魔法が!」
私の願いが通じたのか、リボンは形態を変えて光を放つと同時に結界を作り出した。
結界に阻まれたことで、彼女達の魔法ははじかれてしまう。
幸いにも炎の魔法は火の粉になって弾かれた程度で済んだけど、風の魔法がそのまま跳ね返り、彼女達を攻撃した。
「まさか、魔法をは跳ね返すなんて」
「すごい…」
ジルベルト様と近衛騎士の皆さんが驚いていた事にも気づかず私は走った。
「止めなさい!」
「リヴィア様!」
私が前に出たことでマリアさんは私の愛称を呼んだ。
どうして私は忘れていたの。
彼女は私を覚えてくれていたのに。
私は何時の間にか記憶が朧げになっていたのね。
でも、このリボンが私達を再び結び合わせてくれたのかもしれない。
「なっ…なんで」
「どうして、オリヴィア様が」
王都では私が重傷を負って寝たきり状態になっていると思っているだろう。
そういう噂を流していると事前に教えられていた。
「これはどういうことですの?彼女を魔法で何をなさろうとしたの!」
彼女達が唖然とする中、私は睨みつけた。
今までは他人に声を荒げたことはないし、大人しくしていたから驚いていたが。
ここまでされて大人しくする気はなかった。
なのに…
「オリヴィア?」
その場に姉がいたことに私はさらに怒りを覚えた。
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