令嬢は大公に溺愛され過ぎている。

ユウ

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宮廷

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婚約話はあっという間に広まり、アレーシャの立場はさらに悪くなる一方だった。

前妻の娘というただけで立場が悪いのに婚約者まで失ったとなればさらに状況は悪くなる一方で憐れみを向ける者もいれば蔑む者もいる。

華やかな上流階級は蓋を開ければ恐ろしいものでしかなかった。

特に社交会デビューを果たしていないアレーシャの噂は酷くなる一方だった。

「アレーシャ!!」

「王女殿下?」

宮廷を走る美しい姫君が声をあげる。

「アレーシャ、聞きましたわよ!婚約の話」

この国の第一王女、サーシャ王女。
美しい金髪に青紫色の瞳をした絶世の美女はムッとした表情で睨む。

「申し訳ございません。私事で王女殿下に不快な思いを…」

「違いますわ!私が怒っているのはそのようなことではありません!」

まだ幼さが残るサーシャだが正義感に満ち溢れている。

「姉の婚約者を奪うなんて」

「正式には先方の方がカテリーナを望んだのですよ」

「一緒ですわ!本来ならお断りしてしかるべきです」

キッと睨みながら涙目だった。
曲がったことが大嫌いなサーシャは許せなかった。

前王妃は、サーシャが幼い頃に他界してしまったことにより王室は一時荒れていたが、当時宮廷に侍女として仕えていたアレーシャに白羽の矢が立った。

王も下手に権力のある令嬢を王女の専属侍女にしては利用される恐れがあり、言い方は悪いが令嬢として冷遇されているアレーシャは都合が良かった。

権力争いに利用されることもなく、またアレーシャ自身も控えめだったのが幸いだった。

「お兄様もたいそうお怒りです」

「そうは申されましても、侯爵家が望んだことならば」

相手は王族の親族だ。
身分は絶対なので何か言うこともできない。

「侯爵家は見る目がないのね」

「サーシャ様は私を過大評価しすぎですよ」

苦笑するアレーシャに対してサーシャは拗ね始める。

「さぁサーシャ様、お着替えを」

「その前に貴女のお菓子が食べたいわ」

「仰せのままに」

太陽のように明るく美しい王女殿下に仕えることがアレーシャの支えだった。

この話はきっと社交界ですぐに出回り宮廷内でも噂になれば婚約者を得ることは難しいかも知れない。

年齢的にも際どいので身の振り方を考えるべきかと真剣に悩むアレーシャだった。


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