1 / 63
1捨てられた令嬢
しおりを挟む千年以上の長い歴史を持つ大国、エンゼル王国。
その国は女神様の加護のより寛容と慈悲を持つことを第一とし。
王族は民の為に尽くせとの教えを守り続けていた。
歴代の王は忠実にその教えを守り信仰心を大切にされていた。
四大公爵家を筆頭に多くの貴族が存在していた。
この国は、家柄重視の保守派と身分は問わず実力派の革新派に別れていた。
多くの貴族は保守派になるが身分が低い貴族は革新派だったが、身分差別が未だに激しく実力があっても出世できないのがこの国の現状だった。
貴族が生き残る為にはより良い家柄に嫁ぐのが暗黙の条件だった。
「カテリーナを望まれているそうよ」
「はい?」
伯爵令嬢アレーシャ・プライムは耳を疑った。
「聞こえませんでしたか?先方がお前よりも見目麗しい私の娘を望んだのです」
扇を広げ不敵に微笑む伯爵夫人。
母親が早くに病気で亡くなり、後妻に入った義母は蔑むような目でアレーシャを睨む。
「美貌も、気品もすべてがカテリーナに劣るお前には女性としての魅力すらない」
元は身分が低い男爵令嬢だった義母。
我が子だけを可愛がり前妻に瓜二つのアレーシャを毛嫌いし邸では離れに追いやるようになった。
父は仕事人間だったのでアレーシャは孤独だった。
「嫁にも行けないお前はこの家の疫病神…財産のある貴族の妾になって役に立ちなさい」
義母の冷酷な言葉にアレーシャは絶望を抱くことはなかった。
幼い頃からずっと耐え続けていたアレーシャは泣くことさえしなかった。
去り際に。
カテリーナは勝ち誇った笑みを浮かべていた。
それでも耐えなくてはいけなかった。
相手は侯爵家である以上受け入れなくてはいけない。
「聞きました?侯爵家の婚約話?」
「姉君ではなくカテリーナ様を望んだそうよ」
「でも、姉君は灰かぶり姫ですもの」
クスクス笑う宮廷内の御令嬢。
邸にも宮廷内でもアレーシャの居場所はなかった。
太陽のように輝く妹とは違い姉は月。
冷たい夜に一人だった。
544
あなたにおすすめの小説
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【完結】愛され公爵令嬢は穏やかに微笑む
綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
「シモーニ公爵令嬢、ジェラルディーナ! 私はお前との婚約を破棄する。この宣言は覆らぬと思え!!」
婚約者である王太子殿下ヴァレンテ様からの突然の拒絶に、立ち尽くすしかありませんでした。王妃になるべく育てられた私の、存在価値を否定するお言葉です。あまりの衝撃に意識を手放した私は、もう生きる意味も分からなくなっていました。
婚約破棄されたシモーニ公爵令嬢ジェラルディーナ、彼女のその後の人生は思わぬ方向へ転がり続ける。優しい彼女の功績に助けられた人々による、恩返しが始まった。まるで童話のように、受け身の公爵令嬢は次々と幸運を手にしていく。
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過
2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過
2022/02/15 小説家になろう 異世界恋愛(日間)71位
2022/02/12 完結
2021/11/30 小説家になろう 異世界恋愛(日間)26位
2021/11/29 アルファポリス HOT2位
2021/12/03 カクヨム 恋愛(週間)6位
エメラインの結婚紋
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢エメラインと侯爵ブッチャーの婚儀にて結婚紋が光った。この国では結婚をすると重婚などを防ぐために結婚紋が刻まれるのだ。それが婚儀で光るということは重婚の証だと人々は騒ぐ。ブッチャーに夫は誰だと問われたエメラインは「夫は三十分後に来る」と言う。さら問い詰められて結婚の経緯を語るエメラインだったが、手を上げられそうになる。その時、駆けつけたのは一団を率いたこの国の第一王子ライオネスだった――
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
皆さん、覚悟してくださいね?
柚木ゆず
恋愛
わたしをイジメて、泣く姿を愉しんでいた皆さんへ。
さきほど偶然前世の記憶が蘇り、何もできずに怯えているわたしは居なくなったんですよ。
……覚悟してね? これから『あたし』がたっぷり、お礼をさせてもらうから。
※体調不良の影響でお返事ができないため、日曜日ごろ(24日ごろ)まで感想欄を閉じております。
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】もう結構ですわ!
綾雅(りょうが)今年は7冊!
恋愛
どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。
愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!
ハッピーエンド確定
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/29……完結
2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位
2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位
2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位
2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位
2024/09/11……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる