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第一章国外追放
4.大自然の恵み
しおりを挟む薬草は宝庫で取り放題だった。
海では潮干狩りで貝を取ってもほとんど無料でほくほくだったアーデルハイドはご機嫌だった。
「自然って素晴らしい。ローカルサイコー」
「君は随分と変わっているな」
海岸で海の残酷焼きをしながらランチを楽しむ隣で物珍しそうにするフレディー。
「そう言いながら、勝手に食べないでください」
「硬いことを言うな…しかし、この網で焼いた魚介は素晴らしい」
アーデルハイドに負けて劣らず慣れた手つきで貝を焼いてはパクパク食べて行くフレディーは野外活動に手慣れている。
「食事の礼にワインでもどうだ」
「私は辛口が好きです」
「俺もだ。奇遇だな」
ワイングラスが無いので空っぽになったヤシの実にワインを注ぐ。
「あら、すごく美味しい」
「父のワインコレクションからくすねて来たんだ」
「貴方、不良ね」
「君に負けるがな」
二人そろって黒い笑みを浮かべながらもその後も海のバーベキューを楽しみながら過ごした。
実に自由な二人に地元の人間も感心する程で、香ばしい香りに誘われ島の住人はワラワラと集まり、昼過ぎには仲良くバーベキューを楽しむ仲になっていた。
「今日は中々楽しめたぞ」
「私もです。では…」
「何を言っているんだ。家まで送るぞ」
フレディーと別れようとしたが、家まで送ると言われて不審そうな目を向ける。
「そんな目で見るな。日が暮れて来たからな!治安は良いが、何かあったら困るだろう」
「はぁ…」
「なんとも危機感のないレディーだな。まぁいいい」
アーデルハイドこれまで不遇な扱いを受けて来たこともあり、親しい友人を覗いては男性にエスコトートをしてもらったことは皆無だし、レディーとして接してもらったことはない。
婚約者が残念な男であったこともあるが、フレディーのようにスマートにエスコートされたこともないのでとても新鮮だった。
「ここが君の家か」
「まだ引っ越して来たばかりで何もりませんがお茶でもどうぞ」
「君、俺が言った事を理解しているか?一人暮らしの女性の家に男を入れるのもどうかと」
「何かするならこの場で悲鳴を上げますが?」
色んな意味で箱入り娘のアーデルハイドが心配になるフレディーは後に続き邸の中に入って行った。
まだ何もないが、ステラの好意で食器等を貰えたので生活するには困らなかった。
「随分とレトロな作りだが手作りのかまどか。温かみがあるな」
「ええ、私も気に入っているんです。どうぞ」
「ああ」
さっき摘んだハーブを使ってレモンウォーターを用意する。
「口当たりがさっぱりしていいな」
「それは良かったですわ。夕飯は簡単なものしかありませんが」
「肉ならあるぞ?」
腰にぶら下げていた豚肉を見せる。
「わぁー…いいんですか」
「ああ、これで何か美味いものを作れないか?」
海辺のバーベキューでの料理が気に入ったのか、フレディーはアーデルハイドの料理を食べたがった。
「そんなに美味しかったんですか?」
「実に美味かった…あんなに美味い料理は初めてだ」
瞳を輝かせるフレディーは他にも美味しいものが食べたいと訴え、その夜は豚肉を甘辛く煮込んだ料理を振る舞うことになり、ご近所にも振る舞いながら、賑やかに過ごすのだった。
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