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第二章南の島開拓
25.ありえない顔合わせ
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豪華客船に全員が乗ったのを確認し後船は動き出す。
ゆっくりと島を一周しながら、ペトロは合図を送る。
すると、空に花火が打ち上げられた。
「おお!見事だ」
「綺麗さな!」
暗くなった空に打ち上げられた大輪の花に誰もが目を奪われる。
花火はどの国も、大きな祝い事以外では使われることはないので、島の住民の中には初めて見る者も少なくない。
「ペトロ殿は花火を扱えるのか!」
「はい、彼は火薬の扱い方も心得ておりますし。花火職人でもありましたので」
「すごいスキルだ」
本職は大工であるが、花火職人でもあるペトロは火薬を扱うだけでなく自身で花火を作る技術を心得ているので、この程度は当然だった。
花火を楽しみ、酒を片手に食事を楽しみながら最高の披露宴が始まった。
「本日は私達の為にお集まりいただき誠にありがとうございます」
「豪華な食事とは言えませんが、どうかお楽しみくださいませ」
そして新郎、新婦からの挨拶が行われ乾杯をしながら食事を楽しんだ。
「うぉ!すげぇ!」
「豚だ!豚の丸焼きだ!!」
男性陣は豚料理に目を輝せるが、誰よりも喜んだのは自他共に認める豚好き。
「シェフ!私の豚は大きくカットしてくれたまえ!」
「ジャン、こんな日まで図々しいね」
「ステラ、豚好きの私が堪能しなくてどうするのだ!」
威張ることじゃないだろうと文句を言いそうになるも、今日はお祝いの席なので控えることにした。
「うむ、美味い…実に美味いな」
「いくらでも入りますわ」
その傍らで料理を平らげている二人。
「あの人達は…」
母と祖父の姿に眩暈がするフレディー。
「どうしたの?」
「いや…」
ここでどう説明するか。
あれがこの国の王妃と隣国の先代皇帝とは言いずらい。
しかも片方は自分の祖父等とは。
「あら?あちらの団体がいらっしゃるわね」
「ああ…」
遠い目をするフレディーは諦めた。
あんな格好で参加するとは思わなかったのだから。
「どうされたのだ?」
「いえ…」
ビールを手に取るレイジを見ながらもう一度思った。
目立たない格好をしながらも、きちんとした正装で結婚式に参加したレイジとは異なり自分の両親の装いにげんなりする。
一国の王と王妃がこんな辺境地の結婚式に参加するのだから変装するのは当然だが、やり過ぎだと思った。
せめてレイジのような商家を装う程度にとどめて欲しかったのが本音だが、今言っても仕方ないと思い諦めた。
「本日は誠におめでとうございます」
「実に喜ばしい」
「あっ、ありがとうございます」
フレディーの不安を他所に団体は、そのままアーデルハイドに近づき、お祝いの言葉を述べる。
そして変装を取った。
「改めてご挨拶申し上げる。私はフレデリックの父、ハイネ・カルフェオンだ」
「母のケニスワールですわ」
「兄のラインハルトです」
「祖父のエドモンド・アルテリアだ。よろしく麗しい姫君」
初めての顔合わせは何とも言えないものとなった。
ゆっくりと島を一周しながら、ペトロは合図を送る。
すると、空に花火が打ち上げられた。
「おお!見事だ」
「綺麗さな!」
暗くなった空に打ち上げられた大輪の花に誰もが目を奪われる。
花火はどの国も、大きな祝い事以外では使われることはないので、島の住民の中には初めて見る者も少なくない。
「ペトロ殿は花火を扱えるのか!」
「はい、彼は火薬の扱い方も心得ておりますし。花火職人でもありましたので」
「すごいスキルだ」
本職は大工であるが、花火職人でもあるペトロは火薬を扱うだけでなく自身で花火を作る技術を心得ているので、この程度は当然だった。
花火を楽しみ、酒を片手に食事を楽しみながら最高の披露宴が始まった。
「本日は私達の為にお集まりいただき誠にありがとうございます」
「豪華な食事とは言えませんが、どうかお楽しみくださいませ」
そして新郎、新婦からの挨拶が行われ乾杯をしながら食事を楽しんだ。
「うぉ!すげぇ!」
「豚だ!豚の丸焼きだ!!」
男性陣は豚料理に目を輝せるが、誰よりも喜んだのは自他共に認める豚好き。
「シェフ!私の豚は大きくカットしてくれたまえ!」
「ジャン、こんな日まで図々しいね」
「ステラ、豚好きの私が堪能しなくてどうするのだ!」
威張ることじゃないだろうと文句を言いそうになるも、今日はお祝いの席なので控えることにした。
「うむ、美味い…実に美味いな」
「いくらでも入りますわ」
その傍らで料理を平らげている二人。
「あの人達は…」
母と祖父の姿に眩暈がするフレディー。
「どうしたの?」
「いや…」
ここでどう説明するか。
あれがこの国の王妃と隣国の先代皇帝とは言いずらい。
しかも片方は自分の祖父等とは。
「あら?あちらの団体がいらっしゃるわね」
「ああ…」
遠い目をするフレディーは諦めた。
あんな格好で参加するとは思わなかったのだから。
「どうされたのだ?」
「いえ…」
ビールを手に取るレイジを見ながらもう一度思った。
目立たない格好をしながらも、きちんとした正装で結婚式に参加したレイジとは異なり自分の両親の装いにげんなりする。
一国の王と王妃がこんな辺境地の結婚式に参加するのだから変装するのは当然だが、やり過ぎだと思った。
せめてレイジのような商家を装う程度にとどめて欲しかったのが本音だが、今言っても仕方ないと思い諦めた。
「本日は誠におめでとうございます」
「実に喜ばしい」
「あっ、ありがとうございます」
フレディーの不安を他所に団体は、そのままアーデルハイドに近づき、お祝いの言葉を述べる。
そして変装を取った。
「改めてご挨拶申し上げる。私はフレデリックの父、ハイネ・カルフェオンだ」
「母のケニスワールですわ」
「兄のラインハルトです」
「祖父のエドモンド・アルテリアだ。よろしく麗しい姫君」
初めての顔合わせは何とも言えないものとなった。
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