今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

ユウ

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第一章逆行した世界

13.お忍び

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その日、アレクシスは庭園で綺麗な花が咲いたのでお菓子と一緒に届けようと思っていた。



「アレクシスよ、出かけるのか?」

「はい、マリー嬢に花を」

「それは良い。ならば私も一緒に行こう」

「は?」


傍にいる侍女や従者に護衛騎士が固まった。
普通に考えてあり得ないことなので驚くも当然だった。


一国の王が簡単に王宮を出ることはまずない。
しかも息子が婚約者に会いに行くので一緒に行くなんてありえないのだ。

「父上、公務は…」

「終わった」

「陛下!ですが…」

「午後ぼ公務は終わった、よって余はこれから休憩がてら公爵家で茶を飲むことにしよう」

「陛下ぁぁぁぁ!」


側近は涙ながら訴えるも、一度言いだしたら聞かない所があるので止めて無駄だった。
公務が滞っているなら、止めることもできるが、午後の仕事は終わっているので文句の言いようがない。


「心配するでない。お忍びは得意だ。若い頃から父上と良く抜け出していいたからな」

「自慢しないでください!」


ドヤ顔で決める王に側近は嘆く。
何故なら王は王子時代からヤンチャで、王となってから落ち着いたが、時折信じられない行動をするのだ。

アレクシスは反面教師なのか、至って真面目で品行方正である。


ただし、この王の血を継いでいるのだから、何時似たような事をするか解ったモノではないので気が気でなかった。


「では早速手紙を…」

「必要ない」

「え?」

突然訪問するのは迷惑だと思い、アレクシスは手紙を準備する。
今が午前中なのでお昼過ぎぐらいならば、問題ないだろうと配慮しようとしたが、王がそのまま出向くと言い出したのでさらに大変なことになった。

「いきなり行って驚かせるとしよう」

「陛下ぁぁぁぁ!貴方は何を言っているか解っているんですか」

「刺激的だろう?」

(((なんて迷惑なんだ!)))


臣下一同が思ったのは言うまでもない。
いくら何でも王がいきなり大ずれたら刺激所かかなり迷惑だ。

それを解らないはずはないのに。

「服装は、できるだけ楽な格好にするとしよう。昔私が王宮を脱走した服があったな」

「お止めください!!」


王という仕事は窮屈なもので、自由を奪われる。
元から一つの場所に留まるのが苦手な王は、日々のストレスが溜まった時はお出かけをしていた。


しかしそのお出かけの犠牲になるのは大体が、王子時代からの付き合いのある護衛騎士に侍従と侍女達だった。


そして今回の#お忍び_お出かけ__#はサンチェスト公爵家になるのだったが、彼等は心から公爵家を哀れに思うのだった。


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