今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

ユウ

文字の大きさ
44 / 168
第三章悪役令嬢の道

1.前触れ

しおりを挟む



王宮にて正式な婚約発表を行われて数か月。
他の貴族にも王太子殿下の婚約者として知らされていた。

現在マリーは燃えていた。


「一流の悪役令嬢になるべく次のプロジェクトよ!」

朝っぱらから大きな声を上げるマリーにまたかと思ったアンナ。

「今度は何を?」

「王太子殿下の婚約者として一流の淑女になるべく悪役令嬢になるべきだわ。そのためにも研究が必要よ!」

「あの…悪役令嬢とは?」


王太子殿下の婚約者として淑女とを極めるのはまだいい。
何故悪役令嬢等と物騒なことを言い出したのだろうか?


「お嬢様、何故?」

「悪役令嬢とは、ヒロインの嫌われ役…けれど、苦言を物申しても手は出さず正々堂々と立ちはだかり、王子様とヒロインの仲を引き裂くの…そして最後は二人の仲を認める誇り高き裏のヒロイン!」

うっとりした表情で本を抱きしめ告げる。


「また、おかしな本を…」

アンナはまたロマンス小説を夜な夜な読んでおかしな影響を受けたと思った。

「お嬢様には無理です」

「今から頑張ってなるのよ。そして王太子殿下にはお姫様と結ばれ、私は二人幸を祝福するわ!」

「いえ、そうでなくてですね」

「その為にも実物を見て研究よね!」

「お嬢様ぁぁぁ!!」


まったく人の話を聞かないマリーは完全に暴走していた。

「来週、沢山の令嬢が集まるパーティーがあるのよ!そこで悪役令嬢を観察して尚且つ研究するの!」

「その招待状は」

「先週、お茶会の後抜け出したんだけど」

「マリー様…」

王族主催のお茶会をこっそり抜け出すなんて何を考えているのか。

しかし、その席ではちゃんとマリーはいたはずだ。

「もちろん影武者も用意したの!すごくない?」

「人形…」

「私そっくりに作って後は妖精の粉をパラパラすれば不思議!私がもう一人完成よ」

「お料理みたいに言わないでください!」


妖精の粉。

それは幻覚と同じ効果がある。
使い方にもよるが、マリーは器用な使い方をして、他者の視覚を麻痺させ、尚且つ等身大の人形を用意してマリー本人だと思わせたのだ。

恐るべき発想だった。

「領地でカカシを作っていたからその応用を使ったの!」

「誇らしく言わないでください!」

「これさえあれば何時でも王宮を抜け出せて、尚且つ安上がり!」


反省する気もないのか嬉しそうに話すマリーにアンナは怒るのを辞めて、抜け出して何をしていたのか尋ねた。


「えっと、お茶会で素敵なお婆様に出会ったの」

「え?」

「すっごくお上品で素敵で、意気投合したのよ。それで馬に乗ってみたいっていうから私が後ろに乗せたの」

「何をしているんですか」

王族主催のお茶会であればそれなりの身分の女性のはずだ。

マリーの話からすれば随分と大らかな人なので助かったと思いきや。


「何処の方です?」

「ウィリッド公爵家」

「あああああ!!」


声にならない悲鳴を上げた。


「マリー様、貴女と言う方は…なんと恐ろしい真似をしたのです」

ウィリッド公爵。
西の帝国の大貴族でもあり、王族直系の血筋を持つ。


「お名前はなんと」

「えーっと、確か…グレイス様だったかな?そうそう、家紋は火の鳥だったわ!」


無邪気に言う、マリーとは反対にアンナは絶望を味わった。

しおりを挟む
感想 111

あなたにおすすめの小説

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。

桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。 戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。 『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。 ※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。 時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。 一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。 番外編の方が本編よりも長いです。 気がついたら10万文字を超えていました。 随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。 前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。 外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。 もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。 そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは… どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。 カクヨムでも同時連載してます。 よろしくお願いします。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

処理中です...