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第三章悪役令嬢の道
10.はとこ
しおりを挟むその一週間後、王宮にて二人は王宮内の一室にて。
二人の男女がお茶を飲みながら無言の圧力をかけていた。
「久しいねジョアンナ嬢」
「ええ、同じ宮殿にいますのにね?」
ジョアンナは変わらない笑顔を浮かべるも口調は厳しかった。
「私がいても殿下お気づきになりませんし、社交辞令な挨拶だけですもの当然と言えば当然ですわ。ですが、婚約者候補としては悲しいですわ」
「ジョアンナ嬢…そ顔で言えるな」
「なんのことですの?それより無駄なお茶会を早々の終わらせてくださいませんか?私はスケジュールがぎっしりですの」
手帳を片手に早く、話を済ませろと言うジョアンナにアレクシスは表情が強張る。
社交界では非の打ちどころのない完璧な令嬢を演じてるが、腹黒な令嬢であること昔から知っている。
「私が聞きたいのは一つだ。何を企んでいるかだ」
「まぁ殿下ったら…乙女の秘め事を探るとは」
フッと笑みを浮かべながら黒い笑みを浮かべる。
「なんと無粋ではしたないのでしょう。紳士ではありませんわね…ヘタレが」
「君こそ、詐欺師だろう?社交界では君を聖女と呼ぶ馬鹿な貴族もいるが…聖女ではなく悪女だろう?」
「なんのことやら」
アレクシスの嫌味にも痛くも痒くもないジョアンナは喉を潤す為に紅茶を飲む。
「最近、私の婚約者と一緒にいるらしいが…」
「あら?噂とは怖いですわね」
「どの口が言う!私の婚約者に近づいて何を企んでいるんだ」
表情を変えずに口調はできるだけ穏やかだったが、内心は焦っていた。
ジョアンナとマリーは正反対の令嬢だった。
環境も、立場も全く異なり、性格もすべて正反対だった。
「私とマリー様はお友達ですの。ご一緒して何が行けませんの…ああ、嫉妬ですの?マリー様は私が大好きだそうですわ」
「なっ!」
「私が目標だそうですわ。理想の令嬢だとか」
上機嫌に笑うジョアンナとは正反対に真っ青な表情になるアレクシス。
「悪い冗談はよしてくれ。マリーが君に憧れているだと…餌付けでもしたか?それともマリーの良心に付け込んだか!いくら君が元婚約者であっても!」
「まぁ、酷い言われようですわね。一時は婚約関係を結んだ私に」
「悲し気に言いながら笑っているぞ。黒すぎだろう」
「社交界を生き抜く以上、多少の腹黒さは必要でしてよ?王族であれば尚の事」
ジョアンナの言っていることは事実だった。
王族で、直系の者達はにとっては必要な事だった。
直情的など、愚の骨頂だった。
素直過ぎては利用され、殺されるし、生きていくことはできない。
他人を見たらまず疑えと叩きこまれてきた。
特に、ジョアンナはアレクシスのはとこであり、婚約者だったことから危険が付きまとっていた。
しかし、二人が婚約解消になったのは最近ではなくずっと前の事だった。
サングリアと婚約する前だったが、当時は表ざたにされていなかった。
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