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第四章.魔法学園
9.元婚約者の情報
しおりを挟むチャールズ・モーリス。
若くして領地代行を行い、貧しい民に援助も行っている人物。
アレクシスと同い年でありながらも学問に優れ、騎士としての教育も受けていると聞く。
領民からも慕われ、マリーとの関係にも悪い噂は一切聞いたことがないと侍従からも聞かされてした。
「浮いた噂でもあれば安心できたんだが」
「うわぁー、最低ですね」
「ああそうだ。私は最低だ…マリーがまだ、彼を好いているのではないかと思うと」
「まぁ、好いているでしょうね」
「何!」
本気で悩んでいるアレクシスに対して情け容赦のないヒューゴの言葉は心に突き刺さる。
「お二人は従兄妹同士であり、幼馴染ですよ?聞けば、生まれてすぐに公爵家から追放されて悲しみに暮れるマリー様を大切になさったのがチャールズ殿と聞きます。どんな事情があったとしてもね?」
「お前、結構酷いぞ」
「なんとでもどうぞ」
子を守る為とはいえ、やはり親ならば間違っていると思うのが当然だった。
ヒューゴも次男という立場で肩身の狭い思いをしていたからこそ、マリーの気持ちが解らなくもなかった。
「私からすれば姉の我儘を快く聞いたマリー様が天使のように思えますね、そして姉君を受け入れたチャールズ殿も聖人です」
「うっ…聞けば二人の関係はあまり良くないとか」
「そりゃそうでしょうね?姉君からすれば、自分が公爵家の跡継ぎであることを主張するでしょうが、これまで公爵家の領地を守って来たチャールズ様を蔑ろにすれば領民は許しません…領民からすれば姉君はマリー様とチャールズ殿の仲を引き裂く悪女です」
「待て、そうなると私も…」
「まぁ、少なからず憎まれているんじゃないですか」
事情を詳しくしたない領民からすれば恨まれても仕方ない事だった。
かと言って、弁解する気もない。
「ですが、マリー様は貴方を好いてくれています。良かったですね」
「人としてだろう?」
「いいではありませんか、嫌われるよりも…ジョアンナ様のようにキツイ性格でもなければ他の寄生虫令嬢よりも聡明で国の事を考えてくださいますし、贅沢を好まれませんし」
臣下として無駄に贅沢をする令嬢は困るのだった。
必要に応じて着飾るのは必要だが、それ以外は質素に振舞いながらも王太子妃としての品格を皆に見せつけなくてはならない。
それだけの力がマリーにはあった。
これ以上望めば罰が当たるだろうが。
「私はマリーに好かれたい」
「恋する乙女ですか」
「言っていろ。好いた女性に愛されたいと思って何が悪い」
「重症ですね」
本当の意味で恋というものを知ってしまったアレクシスはさらに悩みを抱えるのだった。
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