今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

ユウ

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第六章.逆行した世界で

18.爪はじき

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噂とは本人が知らない所で広がる物だった。
特にいい噂やりも悪い噂の方がずっと広まるのが早い。


貴族達の第二の社交場となるのが学園で、学園内で問題を起こせば貴族としての落ち度が国内のみならず国外にも伝わってしまう。


特に王立学園には他国からの留学生も少なくないのがその理由の一つでもある。
高位貴族の中には母親が隣国の王族である事も稀ではないので、子供から親に伝わるこのともあった。



その所為で、サングリアの評価はがた落ちな状態で学園から社交界を通じて流れ出した。




――高等部のカフェテリアにて。



(なんなのよ!)


いつも通りカフェテリアに向かうも、冷たい視線が突き刺さるサングリア。
ヒソヒソ噂をする同級生に、遠巻きに見ながら軽蔑する眼差しを向けられるのに苛立つ。


そんな中、席に座ろうとするも。


「ここはSクラス専用の席ですわ。普通科の落ちこぼれが座る席ではなくてよ」

「なっ!」


「そんな事も知りませんの?今日だけは大目に見て差し上げますから目の前から消えてくださる?」


そう言いながら勝ち誇った表情をするのは、高等部で同じ選択授業を受けている令嬢だった。
伯爵令嬢であるが、彼女は優秀で、中等部の頃から特別科に籍を置いていた。


「無礼な!」

「まぁ?私よりも格下の分際で何を言いますの?」

「何ですって!」

「私の父は伯爵でありますが、血筋だけの貴族とは違いますのよ?それに、身分に胡坐をかいで努力もせずに堕落した方とは違いますわ」

「ふざけないで!私は…」

「何ですの?」


余裕の微笑みを浮かべながらサングリアを見下す。


「社交界での生き方をまだ学んでませんのね?貴女、社交界に出て何年経ってますの?」

「何が言いたいんですの?」

「その程度の事も解らないとは、所詮はその程度だった貴女には私の言いたいことは理解できないのですね?まぁ、公爵令嬢という肩書と、父君が優秀だっただけで運よく婚約候補になっただけの方ですものね?」


「は?」

サングリアは耳を疑った。
サンチェスト公爵令嬢であるからこそ価値があったが、サングリア自身には一切の価値はないと言われたようなものだった。


「王族派の勢力を強める為に、一時的な婚約だったにせよ…ジョアンナ様の後釜にはどう考えても役不足でしたが…優秀な妹君が婚約者となり、良かったですわね?これで公爵家の面目も守られましたし」

「何を…」

「まぁ、王族では珍しい恋愛結婚ですが、既に宰相閣下に、財務大臣や騎士団のトップの皆さんは正妃としてマリー様を迎えたるのは決定していますわ」


サングリアは目を見開いた。
正妃として決定しているということは、王妃として認められているも同然だった。

(何を言っているの…そんなの!)


未だにマリーが王太子妃に慣れる器ではないと思っている。


「あれが王太子妃になれる器だと?」

「女王の器とは千差万別、時代によって変わりますわ。彼女は歴代の王妃陛下にない武器を持っております。ならばその武器を最大限に仕えるように傍にいる者が足りない部分を補えばいいのです。貴女と違ってね?」

「なっ…」

「では御機嫌よう?」


屈辱で表情を歪ませているサングリアをその場に残し優雅に去って行くのだった。

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