今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!

ユウ

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最終章.自称悪役令嬢の果て

6.マリーの戦略

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その日からマリーはグレースの元に通った。
学業とお妃教育があるので、空いている時間を使ってできる限りグレースに隣国や後進国の事を教わりながら、未だに差別で虐げられている女性の生い立ちを聞いたり、調べたりしていた。


特にひどい国では捨て子や、人口が多すぎては国にに負担があるので口減らしをさせられることも多い事が解った。

売り飛ばすなんてまだいい方で、生まれてすぐに殺されることもあった。



国の歪んだ法でもあるが、貧しい国ではどうにもならなかった。
移民する者もいるが、他民族を嫌がる国も多く。

スパイの疑いを持つ者も多いので、受け入れは困難だった。
その被害はほとんどが女性であることも解り、世の女性は立場が弱いので従わざるを得ない状況下に置かれていることが改めて分かった。


「子を産みのは女性、家を守るのも女性…なのに男達は女性をただの道具にしかしておりませんわ」

「自分達だけで大きくなったと思っているんです。なら、女性がどれだけ優れているか見せつければいいんです!」

ぐっと拳を付き上げるマリーの目に迷いがなかった。


「ですが、多くの女性を支援するにも多額の費用が掛かりますわ。貧しいからといえど無暗にお金を渡しても…」

「それこそ危険です。夫がお金を奪う可能性が高いですから」

「では、どうしますの?」


戦後では炊き出し等をしていた。
教会が炊き出しをするのは問題ないが国の財政が赤字の状況で炊き出しをするのは問題だった。


慈善活動として炊き出しをすべきという声も上がっているが…


「国の財政を圧迫させる改革はナンセンスです。貴族達からお金をふんだく…じゃなくて、出させるようにするんです」

「出させる?税金を治めさせるのですか?」

「黙って出してくれるなら、陛下が命じているでしょうが…反対意見が多いはずです」

貧しい平民に税金を搾り上げて、裕福な貴族だけ税金を出させない事に疑問を感じていたが、長年決められた事を変えるには時間がかかる。


ならば税金ではなく、貴族達の消耗品に税をかければ良いと考えた。


「贅沢品に値上げをします。その値上げの分を集めて寄付に回します。ですが、あくまで金銭的な物ではありません」

「…と申しますと?」

「食料や必要な物資として提供します。お金ならば問題が起きますし…でも物資ならば横領するのは難しいはずです」


まずは贅沢品の値上げをして値上げをしたお金を寄付の援助に使う。
そしてもう一つ、女性の能力をフルに使って貰い、国に利益をもたらすべく新しい商会を立ち上げる事にした。



その商会とは――。


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