158 / 168
最終章.自称悪役令嬢の果て
13.退学
しおりを挟むその日、複数の女子生徒が退学を言い渡された。
「お姉様が退学!」
「落ち着いてくださいなマリー様」
複数の女子生徒が退学になった事は驚いたが、学園内の厳しさ故に耐え切れずに自主退学をすることはあるので驚きはしなかったが、サングリアが退学になった事は驚いた。
「どうして…お姉様は成績だって優秀で」
「いや、彼女は既に普通科の最低ランクに落とされている。在学中にも勉学に不真面目だったことや生活態度の悪さが出ている…魔力が多少強くても考慮できない」
チャールズは険しい表情で言い放ち、隣でフィリップも無言であるが同意しているように見える。
「姉と一緒に下級生に嫌がらせをしていた噂もあります。まぁ噂程度なら問題ありませんでしたが、父が姉を修道院に入れることを決定しました」
「ロザリー…」
「これは当然の報いですわ。己の役目を放棄したおきながら、身分をチラつかせてやりたい放題したのですから」
同情の余地がないとキッパリ言い放つロザリアだったがマリーはやりきれなかった。
(どうして…)
何故こんな事になったのか。
自分の選択が間違えていたのだろうか?
「マリー様、勘違いなさらないでくださいな」
「ロザリー…」
「マリー様がいてくださらなかったら、私はずっと日陰で生きて、姉に虐げられる一生を迎えていたでしょう。ですが、マリー様に出会って私は強くなることできました」
弱い自分と決別して姉と戦う覚悟。
立派な令嬢になってマリーの隣に並び立つ努力をした。
侯爵家の跡継ぎも姉から奪い取るまでになった。
「悲しい事ですが、姉達は私を亡き者にしようとも考えていたかもしれません。ですが、マリー様の友人という立場故に守られたのです」
「でも!」
「マリー、君もいい加減に現実を見るんだ。サングリアはもう後戻りできない…せめて修道院に入れるのは彼女の身を守る為でもあるんだ」
「え?」
チャールズは厳しい口調で言い放つ。
普段ならば優しく言い聞かせるのに、今だけは違った。
「伯父上の気持ちも察して差し上げてくれ」
「お父様…」
「誰よりも愛情深いあの方が、このような決断をしたんだ。サングリアは影で君の悪い噂を流したり花壇を荒らしたり、君の失脚を狙っていた」
「お姉様が!」
確かに大事な花壇が荒れている時があったが、マリーは誰かの所為ではなく水の量は肥料の配合を間違えたと思っていた。
「彼女が取り巻きに命じていた証拠は押さえてあります。それだけでなはなく貴女を王太子妃候補の座から引きずり下ろす気でしたのよ」
「え…でも」
「いい加減に自覚を持ちなさい。貴女は王太子妃として王族派の期待を背負っているのです!」
「ジョアンナ様!」
マリーを責める様な口調で言い放つジョアンナを咎めようとするセレシアだったが、ジョアンナは態度を帰る気はななかった。
「私は王族派貴族の監督としての責任があります。マリー様の優しさは長所であり短所ですわ。時として厳しい決断に迫られた時に、振舞えなくてはなりません」
(厳しい決断…)
マリーは未だに仮初の婚約者のつもりでいた。
当初はアレクシスの運命の相手が現れるまでは婚約者として振る舞い、最後は悪役令嬢のように潔く去ろうと。
けれど、何時になってもその兆候はなかった。
アレクシスはマリーだけを愛し、溺愛するまでになっていたのだから。
32
あなたにおすすめの小説
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
悪役令息(冤罪)が婿に来た
花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー
結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!?
王女が婚約破棄した相手は公爵令息?
王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした?
あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。
その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。
彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。
そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。
彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。
その数日後王家から正式な手紙がくる。
ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」
イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。
「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」
心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ!
※ざまぁ要素はあると思います。
※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる