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最終章.自称悪役令嬢の果て
15.狙われたマリー
しおりを挟むまたしても大事な時に邪魔が入った。
(何なんだ!)
これまで何度も邪魔をされ続けたが、ここでも邪魔をされるとはと思わなかったのだが。
ものすごい速さで何がこちらに向かって来る。
まるで巨大なタイヤが目にも止まらない回転をして、周りは燃えている。
燃えたタイヤは二つに別れ、校舎を燃やし尽くしていている。
「危ないですわ!私達の避難を!」
「こっちに向かってますわ!」
ジョアンナが急いで逃げるように告げるも、燃えたタイヤはまっすぐに向かって来た。
そしてその中には――。
「マリー!!」
「お姉様?」
サングリアがいた。
「アンタの所為で…アンタさえいなければ!」
炎は血のように赤く染まりながら火の粉を飛ばし、周りを燃やし尽くした。
他の生徒達は悲鳴を上げながら、逃げ惑う。
その中には巻き沿いを受ける生徒も少なくなかったが、本人は気にも留めていなかった。
誰が巻き込まれようともどうでも良かった。
「あの女!マリー様を殺そうとしてますわ!」
「なんて事を!逆恨みじゃありませんか!」
ロザリアとセレシアはもはや、敵として判断していた。
これまでの経緯でサングリアとの仲を修復するのは不可能だと思っていたが、妹を殺しに来るまでに至るとは思わなかった。
「クソっ…なんて愚かな!」
「チャールズ様、とにかくマリー様の避難を!」
サングリアの狙いはマリーなので、最優先に避難させるべきと考えたのだが…
「マリー!!」
「きゃあああ!」
逃げようとした生徒が転び、そのまま燃えたタイヤに巻き込まれそうになる。
「マリー!」
咄嗟にマリーは巻き沿いになりそうな生徒の元に飛び込み地面に手を当てる。
「結界錬金術!」
錬金術の一つで、地面に魔力を込め結界を作り壁を作る。
「あっ…壁が」
「皆さん!急いで避難してください!結界魔法で身を守り外に!」
「はっ…はい!」
火と土では相性が悪く、土を強化すれば火を防ぐことができる。
特に校舎内では錬金術を使うには最適だったので、傍にいる錬金術師に土の魔力を発動して、壁を作って身を守るように指示をする。
「氷の錬金術発動!土の活性化!」
さらに、傍にある鉢植えを使って生徒達を避難させるべくツルではしごを作り始める。
「なんて器用な真似を」
「感心している場合ではありませんわ!私達も錬金術で生徒を守りますわよ!アネットさんは魔法で校舎内の消火活動をお願いします!」
「はい!」
「俺はサングリアの火を消そう」
「俺達は、先生方に知らせよう」
「お兄様、私も手伝いますわ!」
各自役割を分担しながら状況を収めることに努めた。
しかし、この行動が更にサングリアの怒りを強くすることになるのだった。
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