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最終章.自称悪役令嬢の果て
20.家族会議
しおりを挟む翌日、マリーは実家に帰り家族会議に呼ばれた。
既に、チャールズとリリアンヌも同席していた。
そして、中央にはエルヴィーラが座っていた。
「さぁ、お座りなさいな」
「はい、お祖母様」
こうして家族会議が始まった。
「サングリアはこれまでマリーの失脚を狙ってあらゆる罪を重ねました。学園でのいじめ問題だけでなく、マリーが王太子妃に相応しくないと偽りを吹き込んだのです」
「ああ、なんてことを」
「責任の一端はお前達にありますが、私にも責任はあります。故に解ってますね」
「はい、私は隠居しようかと思います」
「伯父上!」
ユーレンの言葉にチャールズが声を上げるも、リリアンヌが静止する。
「これは既に決定しているのです。言葉を慎みなさい」
「しかし…」
「隠居すると言っても、後任の手続きがありますわ。何よりまだ若いチャールズにすべてを任せるのは無理です」
「ならば!」
この状況で隠居なんて無茶だと誰もが解っているはずだ。
「ですから、表向きの継承です。学園を卒業してすぐに貴方は跡継ぎとなり、後見人としてユーレンが就きます。サングリアが問題を起こした以上は、ユーレンが隠居しなくてはなりません」
「私も賛成したしますわ。他の貴族を黙らせるためにも私達は表舞台から降りなくてはなりません。財も国に返還するつもりです」
サングリアの起こした事件を隠蔽したが、すべてをもみ消すことは不可能だった。
そうなればお咎め無しとは無理な話だ。
なんらかの償いをしなくてはならない。
王太子妃としてアレクシスに嫁ぐマリーにこれ以上枷を背負わせるわけには行かなかった。
「マリー、貴女もサングリアを庇うことは許しません。あれは犯罪者…罪人です」
「お祖母様…」
「既に姉ではありません。乳母が好き放題させた結果とはいえ、既に自分で判断できる年齢です」
エルヴィーラの事は全て正しく反論の余地はない。
「死刑にならないだけ甘すぎるのです。これ以上の介入をすれば多くの人を巻き込みます。貴女の我儘で殿下の立場を悪くすることになりますわ」
「解りました…」
既に同にならない所まで来ているので、マリーもサングリアを助けてくれとは言わなかった。
ただ、こんな未来が待っていたとは思えなかった。
「いいですかマリー」
「はい」
「過去も現在も未来に繋がっているのです。今を大切にして生きなくてはありません…この世界は価値があります。だからこそ、どんなに辛くても前を見なくてはなりません」
エルヴィーラはマリーがどれだけ苦しんでいるかも理解しながら、厳しい言葉を投げかけた。
この先国母となる以上は時には厳しい判断を下し、身内でも切り捨てる冷血さも持たなくてはないと教えた。
その一方で、心を無くさないで欲しいとも思ったのだった。
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