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最終章.自称悪役令嬢の果て
23.エピローグ
しおりを挟むそれから数年後、マリーは高等部卒業式を迎えた。
「卒業生代表前へ」
「はい」
サングリアの一件があり、マリーは一部の貴族からも心無い噂を流されながらも逃げることなく動力を重ね、貴族達を認めさせることができた。
ジョアンナのような完璧な令嬢とは言えなかったが、周りの友人の支えとたゆまぬ努力の賜物だった。
卒業生代表として優秀な成績を残し、魔力は低くとも、錬金術という方法で新しい道を切り開くことを証明した。
「おめでとう」
「ありがとうございます殿下」
卒業生代表に王太子殿下自ら祝いの言葉を与えられ花束が贈られた。
誰もが見守る中、マリーは笑顔を浮かべながら学園を修行することが叶った。
そして学園を卒業した後にマリーは王太子妃となる予定だったのだが――。
「フフッ、魔法省に努められるなんて嬉しいですマリー様。また一緒ですね」
「本当に…私も研究所勤めができて良かったですわ」
女性達はきゃっきゃっと騒いでいた。
「何故こうなった!」
「仕方ありませんわよ?マリー様は歴代の錬金術師を超える才能をお持ちですもの。このまま王室に入る前に魔法省に努めて欲しいと宮廷魔導士団に頭を下げられましたもの」
「卒業したら結婚のはずだろう?こんなのありか!」
「あら?結婚しても王太子妃の仕事と並行してお仕事をされますわよ?王妃陛下も健在ですし」
「何所まで妨害する気だ!」
晴れやかな日に、嘆く声が響く。
マリーは無事卒業をした後に、魔法省で働くことが決まった。
通常は王太子妃として王宮に入るのが常なのだが、国王両陛下はまだまだ元気で公務も問題なかった。
何より国の財政を豊かにするために魔法省に努めた方が国の為になると判断されたので結婚式は延期となった。
「これから大変ですわね?魔法省でお勤めになったら、天性の誑しであるマリー様はどれだけ誑し込むかしら」
「ダメだ!私も魔法省に…」
「却下ですわ。殿下に錬金術の才能は有りません」
「クソ!何だってこんなことに!」
紆余曲折を得てようやく相思相愛になっても、まだまだ障害は多く。
身内がそろって妨害を続けているので、アレクシスの苦悩はまだまだ続いた。
しかしその三年後、二人は正式な結婚式を挙げる事となる。
そしてその一年後に子供を出産し幸せな家庭を築くことなりなるのだった。
終わり
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