40 / 103
第一章光の少年と癒しの歌姫
33海獣
しおりを挟む命の泉の傍には外敵を侵入させないように海獣が潜んでいた。
「えっ…」
「シャァァァ!」
「きゃあ!」
大きな巨体と牙でオンディーヌに襲い掛かる。
「待って…私は」
通常なら同じ海の生き物はローレライに危害を加えることはない。
(違う…正気を失っている!)
通常は黒い瞳をしたその海獣は瘴気により狂暴化している。
海の異常により落としい海獣まで狂暴化している。
『助け…助け』
(この声…)
牙を見せオンディーヌを襲いながらも悲鳴を上げていた。
『いやだ…こんなのやだ!』
(なんて事を!)
首元を見る黒い首輪を嵌められていた。
「この首輪は…」
黒い首輪により自由を奪われている海獣は僅かながら意識はある。
完全に正気を奪われている方がどれだけ幸せだろうか。
(誰がこんな酷い事を…許せない)
不完全な魔道具の使い方。
そしてこんな非道な真似を誰がしたのか。
「お願い教えて!誰がこんな酷い事をしたの!誰かが海に穢れを…そしてこの首輪を貴方につけたのは誰!」
『怖い奴が…僕達のお父さんに変なのをつけた。皆その所為で眠ってしまって…』
ローレライの力で心と心で会話をするスキルを使う。
『お父さんは…人間に変な石を埋め込まれて…真っ黒な水晶』
(真っ黒な水晶?まさか…)
トランプ王国にも存在する禁忌の石とされる水晶が存在する。
『黒いスペードの形をした模様があった…』
(黒いスペードの紋章はパークアイ公爵家!)
オンディーヌは海を汚した経緯は解らない。
だが、海獣を苦しめているのはキャルティであることが解った。
パークアイ公爵家の中にはティマ―がいるがキャルティはティマ―の才能がない。
中途半端に才能があるのだが幼少期にも悪戯で妖精を服従させようとしたこともあるのだが、これ多悪戯で許される行為じゃない。
『助け…助けて』
「絶対助けるわ」
ペンダントの真珠を命の泉に投げ込む。
「レオの剣…ごめんなさい。少し私の血で汚してしまうけど」
剣で胸を突きさし、大量の血を流し生命力を泉に流した。
「ぐっ…穢れを浄化して。そして歌を!」
真珠に祈りを込めて命の歌を歌う。
ローレライは祈りの歌を捧げるが、稀に強い力が宿る歌を歌った事もある。
(うっ…苦しい)
セイレーンやローレライにとって海は命の源。
歌の力を強める事はあれど、汚れていれば歌の力は半減して、彼女達の体を蝕むのだ。
大量の血を流し限界に達していた。
それでもオンディーヌは倒れるわけには行かなかった。
この海を救わなくてはならない。
ずっと弱気だったオンディーヌは初めて死ぬ気で成し遂げいと強く、強く願ったのだった。
57
あなたにおすすめの小説
冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました
鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」
そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。
しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!?
だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。
「彼女を渡すつもりはない」
冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!?
毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし!
さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜――
リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される!
政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー!
「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」
『婚約破棄された令嬢ですが、王国は私抜きでは立てなかったようですね』
鷹 綾
恋愛
「愛しているのは彼女だ」
王太子ロネスにそう告げられ、婚約を破棄された侯爵令嬢エルゼリア・クローヴェル。
感情をぶつけることも、復讐を誓うこともなく、
彼女はただ――王宮を去った。
しかしその直後から、王国は静かに崩れ始める。
外交は滞り、判断は遅れ、市場は揺れ、
かつて「問題なく回っていた」はずの政務が、次々と行き詰まっていった。
一方、エルゼリアは帝国で新たな立場を得ていた。
帝国宰相ハインリヒ・ヴォルフの隣で、
彼女は再び“判断する側”として歩み始める。
やがて明らかになるのは、
王国が失ったのは「婚約者」ではなく、
判断を引き継ぐ仕組みそのものだったという事実。
謝罪も、復縁も、感情的なざまあもない。
それでも――
選ばれ、認められ、引き継がれていくのは、誰なのか。
これは、
捨てられた令嬢が声を荒げることなく、
世界のほうが彼女を必要としてしまった物語。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?
10年もあなたに尽くしたのに婚約破棄ですか?
水空 葵
恋愛
伯爵令嬢のソフィア・キーグレスは6歳の時から10年間、婚約者のケヴィン・パールレスに尽くしてきた。
けれど、その努力を裏切るかのように、彼の隣には公爵令嬢が寄り添うようになっていて、婚約破棄を提案されてしまう。
悪夢はそれで終わらなかった。
ケヴィンの隣にいた公爵令嬢から数々の嫌がらせをされるようになってしまう。
嵌められてしまった。
その事実に気付いたソフィアは身の安全のため、そして復讐のために行動を始めて……。
裏切られてしまった令嬢が幸せを掴むまでのお話。
※他サイト様でも公開中です。
2023/03/09 HOT2位になりました。ありがとうございます。
本編完結済み。番外編を不定期で更新中です。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、王太子を破滅させたあと静かに幸せになります
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エレナは、
誕生日の舞踏会で突然、婚約破棄を宣言される。
「地味で役に立たない」と嘲笑され、
平民の少女を新たな婚約者に選ぶ王太子。
家族にも見放され、エレナは王都を追われることに――。
しかし彼女は、ただの“癒しの令嬢”ではなかった。
静かに力を蓄え、事実と証拠だけで王太子の虚飾を暴き、
自らの手で破滅へと導いていく。
復讐の果てに選んだのは、
誰かに与えられる地位でも、名誉でもない。
自分で選び取る、穏やかな幸せ。
これは、
婚約破棄された公爵令嬢が
王太子を終わらせたあと、
本当の人生を歩き出す物語。
-
セラフィーヌの幸せ結婚 ~結婚したら池に入ることになりました~
れもんぴーる
恋愛
貧乏子爵家のセラフィーヌは侯爵家嫡男のガエルに望まれて結婚した。
しかしその結婚生活は幸せなものではなかった。
ガエルは父に反対されている恋人の隠れ蓑としてセラフィーヌと結婚したのだ。
ある日ガエルの愛人に大切にしていたブローチを池に投げ込まれてしまうが、見ていた使用人たちは笑うだけで拾おうとしなかった。
セラフィーヌは、覚悟を決めて池に足を踏み入れた。
それをガエルの父が目撃していたのをきっかけに、セラフィーヌの人生は変わっていく。
*前半シリアス、後半コミカルっぽいです。
*感想欄で所々ネタバレしてしまいました。
感想欄からご覧になる方はご注意くださいませm(__)m
*他サイトでも投稿予定です
【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません
すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」
他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。
今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。
「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」
貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。
王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。
あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる