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第三章集う光の使者
8道順
満腹になったので気を取り直して道を進むと、二股の道が見えた。
「どちらかしら?」
「待ってください」
オンディーヌは先頭に立つアンジェリークを止める。
「テティア様」
「はい、私も微かに感じましたわ」
セイレーンは海の加護を持ち、ローレライは風の加護を持つ故に解るのだった。
「風が私に教えてくれています」
「私も潮風を感じます」
二人は意識を集中させ、道を探すと。
「隠れた場所に道が…」
「二股の道のどれも囮か」
その後も仕掛けなども多くあったが、難なく回避する事ができた。
予想ではもっと危険な罠があったり、かつて海底で見せられたような幻覚があると身構えていたのだが。
「楽勝でしたわね」
「ああ、ダンジョン攻略よりも簡単だったな」
(この二人にかかれば…なのね)
神殿に近づくまでに巨大な蛇が襲って来たり、トラップが仕掛けられたりと大変だったがアンジェリークは常日頃から王宮の一部にトラップを仕掛けて訓練をしているので楽勝だった。
レグルスも冒険家として旅をしていた時期が長いので神殿の攻略は苦でもなかった。
「後は神殿に入ればいいのね」
「大丈夫かと思うけど。気をつけるんだよ」
「無事で帰って来るのだぞ」
エリーとジオルドはここから先に入ることができない。
「いいかい、無事に帰って来るんだよ」
「はい。必ず戻ります」
「お任せください!どんな試練が来てもオンディーヌ様を背負って逃げますので」
オンディーヌの手を掴みリリーがドヤ顔で言うが…
「アンタ、随分と図々しい性格だね。流石というべきか」
「ハハッ…逞しいな」
レグルスは呑気に笑うばかりだった。
明るい雰囲気のまま神殿に入って行ったのだが、エリーは目を細めながら低い声である名前を告げた。
「近くにいるんだろうオルフェス」
「エリー…」
「あのクソ爺が…最後まで悪人でいるつもりか」
エリーは森に入ってから異変を感じていた。
凶悪な魔物はいても、森に入ってから所々に誰かが先導しているようにも見えたのだ。
「風の精霊と水の精霊と縁のある者ならではできる事だ」
「オルフェス…やはりいるのか」
ジオルドは神殿に入ったオンディーヌ達を心配しながら胸を痛めた。
「どうしてお前は自分に容赦がないんだ。何処までも愛情深いはずなのに」
「最後まで壁となって立ちはだかる気か…お前は!」
オンディーヌが巫女の力を完全な形で得る為にオルフェスが動いた。
しかしその行為は――。
「死んだら許さないよ」
「エリー」
ただ空を睨みつけながら心の中で無事を祈っていた。
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