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第三章集う光の使者
20祝福
しおりを挟む空から花びらが舞い、女神の祝福を受けていた。
「綺麗」
「ああ」
とても心地よい風だった。
「私達は自分の力で幸せを得ることができる。いいえ、そうしなければならないのですね」
「そうだな」
貴族令嬢だったころは、与えられ中で幸福を探さないとダメだと思っていた。
国の為に民のために心を殺さなくてはと。
しかしそれは逆に考える事を放棄してしまったようなものだった。
「レオ、私はあの日すべてを失ったのではなく始まりだったのではないかと思うのです」
全てを奪われたかのように思えたあの日。
大勢の前で断罪され追放された時。
オンディーヌは全てのしがらみから解放された。
そして、自分の足でようやく歩き続けることができた。
「私は運命という言葉が嫌いでした」
「僕も好きじゃない」
「リリーの事をもあってから余計に思ったんです」
聖女として選ばれたばかりに辛い道を強いられて来たリリーが不憫でならなかった。
だけどそれは間違いだった。
「例え決められた星の下であっても私達は乗り越えていけるのだと…ようやく知りましたわ」
「僕もだ」
これから先何が待っていても歩いて行こう。
レグルスと一緒ならばその先まで歩いて行けるような気がした。
(もう大丈夫。もう見失わない)
優しく差し伸べられた手は力強く温かく、道を示してくれる。
「オンディーヌ、道に迷っても出口がある。僕達には道があるよ」
「ええ」
一本道ではなくとも最後は出口を見つけられる。
そう思いながら二人は幸せそうに笑う人々を見つめ歩んでいく。
「オンディーヌ様!」
「あ…」
ブーケがオンディーヌの手元に飛んで来る。
「次はお二人ですからね!」
「ありがとうリリー!」
花嫁のブーケはオンディーヌに渡され次に幸せになる番だった。
「国に帰ったら結婚式だ」
「ええ、皆さん待ってますわ」
ブーケを抱きしめながら二人はそのままリリー達の元に歩いて行く。
「さぁ今日は食べて飲むわ!」
「女王陛下!お止めください」
「祝いの日に食べての飲まなくてどうするの!」
その前に女王陛下の暴走を止めなくてはと苦笑するオンディーヌは今日も歌を歌った。
幸せの歌を。
この世界が幸福であるようにと。
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