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番外編~その後の僕等
とある元公爵子息の末路④
キャルティは自尊心を傷つけられ、苛立った。
オンディーヌは望まない婚約を強いられ、キャルティに関心を持っていなかった。
キャルティはこれまで誰からもちやほやされていたから勘違いをしていた。
公爵子息と婚約したい令嬢は星の数ほどいるが、オンディーヌのように自立心のある令嬢は高位貴族と無理に婚約する必要はなかった。
むしろ傍若無人で、女性を毒具にしか思ってない男との婚約は地獄のようなものだった。
(この俺を侮辱するとは!何の価値もない癖に!)
イライラしながら廊下を歩くと、前方にアンジェリークが見えた。
(本当はこの俺が!)
周りには他国の勅使がアンジェリークを囲んでいた。
「王女殿下、来月の演奏会を楽しみにしておりますぞ」
「アン王女の音楽の才は本当に見事でしたな」
「光栄です」
年配の勅使はここぞとばかりにアンジェリークを褒めちぎるのだが、それが余計に面白くなかったキャルティ。
「学問も優秀で、音楽の才もあるとは…しかし」
「そうです。傍にいらっしゃる歌姫殿」
「オンディーヌ・クレイン嬢ですわね」
「そうです。彼女も素晴らしい!」
勅使の中には音楽を愛する者がいた。
演奏会で彼等はオンディーヌに期待を寄せていたのだが。
(オンディーヌだと?あんな出来損ないを!)
音楽の才能があるオンディーヌはその腕を買われ幼くして歌姫に抜擢された後王家専属の琴弾きにも選ばれた程だ。
神をも虜にする旋律を奏でると言われている。
「あそこまでの演奏家はそうはいません」
「彼女はローレライの末裔ですの」
「我が国にもセイレーンの末裔はおりますが、あそこまでの音を奏でられる方はおりませんよ」
「誠に、真心のこもった音色でしたな」
柱に隠れるキャルティは憎悪の視線を向けていた。
誰もがオンディーヌを評価していた。
あそこにいる勅使達はキャルティをアンジェリークの従弟としてしか見ていない。
(何故だ。あんな女よりも俺の方が!)
王女の肩書があるだけの女。
ただ生まれて来るタイミングがキャルティよりも少し早かっただけだと思い込んでいた。
(女がしゃしゃり出やがって!)
キャルティは我こそが王に相応しいと思っていた。
なのにアンジェリークが次の王となる事が決まっているのが許せなかった。
前王妃は病で早くなくなり、現国王は再婚は望まずずっと拒否していた。
次代の王はアンジェリークにと考えていた。
一部の大臣は拒んでいたが、アンジェリークが優秀で血筋が良い為大半は賛同していたのだ。
だがキャルティは諦めてなかった。
なんとしての自分が王になると言う野望を捨てきれなかった。
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