兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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序章

プロローグ

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姉妹、兄弟とは競わされ比較されるのは運命なのかもしれない。
片方が優れていれば片方は劣っていると判断し、優れていない方は見向きもされない。

かと言って利用されるのは何時も優れていない方。
時折私は必要なのかと思うようになった。


それでも母は私を見てくれると信じていた。


そう、この時までは。


「邸から出て行ってくれる?」

「は?」


兄の結婚が決まってすぐの頃。
母に言われた言葉に耳を疑った。


「どういうことですか」

「そのままの通りよ。本当に察しが悪いわね…シェパードは聡明なのに」


何処までも私を見下し視線。
ずっと幼い頃から言われて来た言葉だった。


「シェパードが結婚してこの邸に住むの。相続権は全てシェパードとその恋人に譲るわ。身一つで出て言ってちょうだい」

「待ってお母様、私はお母様に同居をして欲しいと言われて今まで」

兄は独身を貫くと言っていた。
だから無理を言って同居をするように言われたのに何故?


「ええ、シェパードが結婚しないなら私の世話を見させるなんて可哀想だから。この家が傾いた時はマリーに任せて自由にさせて上げたかったの」

「それって…」

「だけど傾いた家も安定したし。やっぱりシェパードが優秀なおかげだわ。貴女は雑用ぐらいしかできないし役に立たなかったわ」


あんまりな言い分だと思った。
兄の放蕩で傾いた家を建て直す為に私達はどれだけ苦労したか。

「煩い小姑がいがいたら可哀想でしょ?シェパードの面子もあるしできるだけのものを残して上げたかったし。今まで住まわせてあげた恩を返しなさい」

「そんな!」

今まで住まわせた?
私は給金もなく必死で働かされ、時には外でメイドに近い仕事もさせられ稼いだお金のほとんどを奪われて来たのにこんな仕打ちはあんまりだわ。


「いきなりなんて…」

「それにシェパードの婚約者との顔合わせにいてもらうと困るのよ。結婚式も出ないでと言われているし」


酷い。
私は存在を無視されただけでなくここまでの仕打ちを受けなくてはいけないの?

酷すぎるわ。


「マリー」

「貴方…」


私の悔しさを察してくれた夫のアンリだった。


「では、この家の跡継ぎは兄君がということですね」

「そうよ。本来なら貴方は相応しくないけど仕方なく」

「お母様!」


これが母の本音。
私だけでなくアンリまでも酷い事を言われるなんて。

「子供が出来る前で良かったわ。面倒な事になるからランフォードの名前は名乗らないようにしてね」


言いたい放題を言われた後に私達は身一つで追い出される形になった。
私達の家具は持ち出す事は許されず、着替えの数枚。

しかも余所行きの洋服やドレスも奪われ放り出されてしまった。



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