兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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序章

1追放の後

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ずっと認めて欲しくて頑張って来た。
勉強だってマナーだって私は必死に頑張って来た。


でも母の最優先は兄だった。


兄に張り合ったつもりはなかった。


でも…


「女子で一番?それが何?できて当然でしょ」

「所詮は女だ。競う程の者はいないだろ」


私が通う学校は男女差別なく実力主義だった。
そこで私は必死で勉強していた。

ある日特待生に選ばれたが。

「貴方が一番になる程度だなんてレベルが低いのね?それとも女子と男子では授業の質が違うのかしら」

「そんな!」

「シェパードが学年で30位なんてありえないわ。貴方はできそこないなのだから」


必死で頑張って勉強して、特待生になれば認めてくれると思った。
他にも礼儀作法や音楽に刺繍を頑張ったけど。


「この程度の事を頑張らないとダメなんて」

「お前は凡人だからな」


私は努力しないとその程度もできないのかと責められた。


辛い日々が続く中、私はアンリに出会った。

彼は私と同じく特待生だった。


「ずっと気になっていたんだ。首席の女子に」

「えっと…」

「今回も負けたけど、次は負けないよ。君よりももっと頑張る」


もっと頑張る。
その言葉にハッとする。


彼は私の頑張りを知ってくれていた?


そんな折、私達は度々競い合った。
最高学年になった年に私はアンリに完敗したのだけど。


「今回の勝負は俺の勝ちだ」

「負けたわ。約束通り何を要求する?パシリ?それとも」


勝負をする時に二人で決めていたのは敗者は勝者のいう事を聞く事。


「俺と恋人になって」

「は?」

「だから恋人」


この時の私はとても間抜けな顔をしていたと思う。


「何で?」

「そんなの君が好きだからに決まっているだろ」


この時の言葉は今も覚えている。



その後私はアンリと恋人になり一年の交際を経て婚約して結婚した。
その当時、お兄様が結婚はせずに独身を貫くと言っていたのでランフォード家の跡継ぎが必要で婿入りをする条件に結婚を許してくれた。

しかも同居を強要されてもアンリは嫌な顔をしないで受け入れいてくれた。
その間も高圧的なお母様の態度は変わらず、婿として認めてくれているのかどうかも解らなかった。


だけど、家が傾かなかったのはアンリのおかげなのに!




「ごめんないさいアンリ」


「泣くな。大丈夫だから」

「でも、こんなのって」


酷すぎる。
これまでアンリがどんな思いだったか。

「お義母様に合わせる顔がないわ」


アンリは母子家庭。
早くにお父様を亡くされているけど、お義母様は立派な方で女性ながらにして自立していらっしゃる。


ランフォード家は子爵家だけど、アンリのお義母様は女手一つでアンリを育てた立派な方だ。
かと言って威張ることもしない素敵な人だった。


一人息子のアンリを婿養子に出すなんて普通なら許せないのに。


私は合わせる顔が無かった。


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