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第二章
11国王の思い②
しおりを挟む度重なる不作と困窮する国民。
大幅な改革をしても焼け石に水でしかなかった。
卒業後、ランフォード家に婿入りを命じられたディーは王都を出た。
男爵家の三男で独立をしなくてならないディーは官僚になる事を望んでいたが、断る事は出来なかった。
「あの時止めていれば変わったのだろうか」
「いいえ、前ランフォード子爵の頼みを断れば…」
子爵家でありながらも優れた男だった前ランフォード子爵は王族に忠実だった。
彼を救う為にもディアスの存在は必要不可欠で、ランフォード領地に住まうギルドは優秀で彼等を失うわけにはいかなかった。
だが、その所為でディーはどれだけ苦しんだのか。
「あの時私はまだ無力だった」
「私も何の力もありませんでした」
「だが王都を去る時にディーは私に未来を守って欲しいと懇願した」
だから何時か王都に戻れるようにと、私は死ぬ気で頑張った。
私の立太子を反対する親族をあらゆる手を使って叩き潰したが、その代わりディーに悪意が向いた。
姑と妻に酷い仕打ちを受け、無能な貴族に馬鹿にされるディーを助けたい。
だが相手は子爵に過ぎない。
どうにかしてディーを出世させたい。
私欲だけではない。
ディーがどれだけすぐれ優秀か解っている。
だがディーの功績を馬鹿な姑と妻が潰して来た。
夫を馬鹿にして侮辱し無能だと吹聴する事がどういう事かまるで解っていない。
「何度殺してやろうかと思った」
「ええ、殺しても殺したりませんでした。ですからディーに仕事を回したんです」
一時期領地が困窮して新たな事業をするべく領地を空ける傍らで私は隣国の商人と合わせた。
ディーには正体を偽ってだが。
実はその商人は商人貴族だ。
彼にディーの仕事ぶりを見せれば案の定ディーの有能さに気づいた。
「あの馬鹿者をなんとかして破滅させてやりたい…地獄に叩き落してやりたかった」
「だが、こちらの手の内が見えないように破滅させる方法は中々見つかりませんでしたからな。でしたら子に責任を取らせようと思ったのはいい案ですな」
そうだ。
あの陰湿な女に瓜二つの息子。
あの男を利用した。
「ご息女は逆にディー似て優しい方でしたな」
「うむ、マリー嬢はな?」
私の敵はあの女とあの馬鹿息子だ。
「しかしよく引き受けてくださいましたね?彼女は」
「ああ、最初は大丈夫かと思ったが」
あの二人を破滅させる為に必要だったのは、計画が実行される前にランフォード家から二人を追い出させる必要があった。
そう仕向ける為に彼女が動いてくれた。
ミリアル・フェルトが。
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