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第二章
20聡明なる伯爵令嬢の思い①
私の名前はミリアル・フェルト。
伯爵家の次女で中位貴族出身だった。
幼い頃から私は周りから誤解されていた。
第三者は私達姉妹が仲が悪いと勝手に噂を流し、両親からも愛されていないと勝手な事を言われていた。
学校を卒業した後に私は実家を潤すべく領地を離れ貿易をするべく走り回った。
姉は既に結婚しており実家の近くに住んでおり、妹は跡継ぎとして優秀な婿を迎え入れる準備をしていた。
婿は私達の幼馴染だ。
けれど次女の私だけが婚約者もいない事で社交界ではこんなうわさが流れた。
「ねぇ聞きまして」
「ええ、聞きましたわ。ミリアル様の噂」
「気の毒ね」
姉に変わって社交界に出ることが増えた私は学生時代からの下らない噂に拍車がかかり悪質な嫌がらせが増えた。
嫌がらせと言っても私の事をあることない事言いふらす程度。
「でも仕方ないのではなくて?」
「あのキツイ顔つきと背の高さでは」
「姉君も妹君も厄介者扱いをしているそうよ」
「実は血が繋がってないとの噂も」
馬鹿馬鹿しい!
私が同年代の令嬢よりも背が高い事で噂されるのは慣れている。
特にスタイルの悪い彼女達は私を羨んでいる。
私だって学生時代は身長が高いのが大嫌いだったわ。
でも今では背が高い事を生かすファッションで殿方の視線を独り占めしてやると思えるようになったわ。
背が高い事を弱点にしない。
武器にしてスタイルの良さを強調できるドレスを考え、事業にも生かせるようになったもの。
だけど劣等感故に私を攻撃する人は絶えなかった。
「妹君が跡継ぎなんて、フェルト家はミリアル様を追い出す気なのね」
「本当に哀れで可哀想に…社交界で婚約者を探しているそうよ」
「やだ、必死過ぎだわ」
私が頻繁に舞踏会に出る物だから変な噂まで流れるようになった。
勝手な事ばかり言って。
私達の事を何も知りもしないで好き放題を言う人間の事なんて耳を貸す気にもなれない。
だって私達姉妹は仲が良かった。
他人が言う様に仲が悪いわけじゃないし、妹が跡継ぎになるのだって納得している。
我がフェルト家は長子絶対主義じゃない。
長女は体が弱いけど、教養に優れ、学者顔負けだった。
対する私は領主になるようなタイプじゃない。
むしろ補佐をしながら領地を走り回る方が好きだ。
だから妹が跡継ぎになった。
誰よりも領民思いで優しいあの子こそが相応しいと思っている。
適材適所と言う言葉がある。
人には得手不得手があると教えてくれた人がいる。
けれど社交界で私の噂が消える事はなかった。
そんなある日。
フェイト家にて宰相閣下から直筆で手紙が届いた。
これがすべての始りだった。
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