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第二章
23聡明なる伯爵令嬢の思い④
裏でランフォード領地の事を調べると、ディアス様の名義で何件も借金をしてることが解った。
他にもマリー様の資産となるはずの物を自分の物していた。
「やはりか…」
「宰相様、このままではディアス様が」
あの厚かましい親子は何処まで図々しいのかしら。
いいえ、今はそれよりも。
「このままにしておけば…」
「案ずる事はない」
「え?」
「ディアス・ランフォードという男はそこまで馬鹿ではない」
宰相様はディアス様の事をよく理解されている。
数日後、ディアス様は借金を清算するべく個人の土地を借金の清算にしたと報告を受けた後に身一つで離縁をしたと聞かされた。
「当然の結果だ」
「ですが、これで思い残す事はありません」
容赦なくあの男を地獄に叩き落してやれるわ。
「宰相様、できる限り噂を流してください。そしてできますれば…」
「何だ?」
「ディアス様の情報をあの女に届かないようにしてください」
これは私の想像に過ぎないけど、ディアス様は外交官に相応しい方。
優秀過ぎる方だ。
ただ今まではあの最低妻に搾取されつづけ自分に使えるお金が無く困窮していたのだろうけど。
「あの方の人柄と優秀さならば自力で爵位を得るでしょう…いいえ、他国もあの方を放っておきません」
「君は随分と達観しているな」
「いいえ」
少し見れば解るわ。
ディアス様が優秀な事も、自覚のない人誑しなのも。
マリー様にもしっかりと受け継がれている。
黙っていても周りが二人を放っておくことはない。
「万一お二人が黄金を生み出すと知れば、再びすり寄るでしょう」
「そうだな…」
「そんな事許せません。ですから先手を打ってください」
万一爵位を賜る前だったなら対処が難しい。
だけど爵位を得て、後ろ盾がしっかりした後ならどうなるか。
「そしてランフォード領地を絶対にシェパードに引き継がせないようにしなくてはなりません」
「その点は大丈夫だ」
「ええ」
シェパードは継承する手続きを取っていない。
学生時代は普通科にいたし、跡継ぎになる絶対条件を一つも満たしていならば継承は親族になるだろう。
「遠くない内に子爵家は男爵に格下げになるだろう」
「え?」
「よく考えていると良い。ランフォード家の前当主が優秀だからこそ子爵を賜れただけだ」
成程そういうことか。
本当に馬鹿な親子だわ。
何不自由ない暮らしをできていたのは誰のおかげか今さらになって知る事になるなんて。
私もあの二人を痛めつけようと思う。
そして溺愛している息子がどれだけ馬鹿なのか思い知らせてやろう。
見ているといいわ。
絶対に貴方達の好きにはさせないのだから。
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